近年のスマホ事情―マイナーチェンジの癖に!―

前回の記事で楽天経済圏を紹介したわけだが、直接的なきっかけは3G回線の終了(予定)である。

  • NTTドコモ:2026年3月末

  • KDDI:2022年3月31日

  • ソフトバンク:2024年1月

2024年5月時点でまだ3G回線を停波していないのはドコモだけ。そして筆者もまだドコモのガラケーを使用していたのだが、今後を見据えて解約し楽天モバイルにMNP(携帯電話番号そのまま乗り換え)したのである。

思えば筆者はガラケーとスマホを2台持ちして10年ほど経っていた(驚き)。

というのも、ドコモで回線契約をしたのが学生時代からだったため惰性でず~~~~っと契約し続けてきたのだが、日本にiphoneが上陸したことでスマホという新たなデバイスが登場し、なんだかんだデータ通信用にMVNOでも契約してきたのだ。

以前は「2台持ち」がそれなりに話題に上がっていたものの、最近はめっきり聞かなくなった。ガラケー自体が過去の遺物になってしまったのだから当然と言えば当然な話。今はスマホを数台持っているのが当たり前になってしまった感がある。



筆者が初めて入手したスマホは「富士通 Arrows M-02」。確かMineoでデータ通信用のSim契約をした際に同時に買った。

人間、ファーストインプレッションというのは強烈に記憶されるもので、今でも手に持った感覚が残っている。

あの薄くて小さな5インチ位のディスプレイで「Webページを見られる!」「ゲームができる!」「音楽が聴ける!」・・・とかなり驚いたし、今では性能が低すぎて使う気にならないのに当時は「これが最先端!」と気に入っていたものだ。

日本で初めて発売されたスマホは「iphon 3g」、2008年7月11日。確かまだ学生だった頃に講師が私物として使っており、いわゆるイノベーター(先駆者)と呼ばれる層は早々に使っていた。
※情報系の学部だったからそういう講師や教授は多いと思った

スマホの初登場から15年は経過し、今はiOSの対抗馬としてAndroidがしのぎを削っている。世界のシェア率で行けばAndroidが優勢だが日本ではiphoneが人気らしい。筆者はandroidしか使わないし今後も使う気がしない、だって本体が高いどころか付属品も高すぎるもん。

OSを基準に説明するなら、iOSは米アップル社のパソコン用OSであるMACと、Androidは米Google社製。世界のパソコン用OSの王者MS Windowsとは開発元が違うが近い距離にいる。

いわゆる「こだわり」とか「趣向」で、同じあるいは似たブランドで統一したいという層もいるので、パソコンとスマホを両方使用するユーザーの影響があるかもしれない。が、それでも日本のiphone信仰はよくわからない。価格が高いのに・・・。



最初に「富士通 Arrows M-02」を使用した筆者だが、かれこれ4、5年ほど使用した。バッテリー持ちが悪くなったし、何より動作がカクカクで我慢も限界突破していた。
※そもそも筆者はパソコンのヘビーユーザーだったのでスマホの使用頻度は少なかったものの「重い」のが嫌いだった

そこで、当時使っているsimカードを移し替える形で新しいスマホを買おうと思ったのだが「どうやって買えばいいのか?」という壁にぶつかった。

通常、大手通信キャリア3社であればスマホを店頭販売しているので「新しいのに機種変更したい」といえばそのまま窓口で端末を購入しておまけに機種変更のためのデータ移行とか諸々やってくれる(らしいね)。

が、筆者のスマホデビューはMVNOというまだまだ「何それ?」に近い状態だったのもあり、自分で使える端末を探して買うしかなかった。

・・・最終的に、WEBの海を探していたら2020年当時、OCNモバイルONEで「Xiomi Redmi Note9s」という化け物と呼べるほどのコスパを誇った格安スマホをキャンペーン価格で購入した。
※回線契約をすれば6000円で購入できるキャンペーンだった

キャンペーンの内容はこの際どうでもいいとして、この「Redmi Note 9s」が筆者を(文字通り)狂わせた。

というのも、メーカーのXiomi(シャオミ)はHuaway(ファーウェイ)と同じ中国企業であり、筆者ならまずオプションから外すのだが【価格の割にスペックが高い】という情報ばかり出てくる。これは悩む、非常に悩む。

スマホもパソコンと同様にCPU(SoC)を搭載しており、これひとつでスマホの価値が決まると言っても過言ではない。

そして、「富士通M-02」が旧式機というのもあるがそれ以上に【日本メーカー製】という要素が実はスマホのスペックを押し下げている事実があった。実際、富士通、NEC等の大手メーカーの出すパソコンが軒並みコスパが悪いからだ。

さあどうしようか・・・?中華スマホを買うのか買わないのか・・・。

まあ結果的に買うんだけどね、安いし・・・。

というわけで「Redmi Note 9s」を入手した。この感動を説明するには相手の教養に合わせないといけないが
・戦闘機でいえば  F-4 → F-16
・ガンダムでいえば ジム → ジェガン

・・・とりあえず「標準機としての世代を繰り上げた」と言えるほどだったと思う。
※あくまでコストパフォーマンスの話であり、価格はエントリークラスだがスペックは2020年当時のミドルレンジである。

つまり【貧乏人でもここまで性能の良いスマホを手にできる時代になった】という事である。

とりあえず何が凄いかを筆者の体感で説明すると
・CPUの性能が高い
・カメラの画素数が高い
・バッテリーが大容量
・画面が大きい
・デュアルSim
・指紋認証

全体的に処理速度が速くなり機能性も付与され、この時点でスマホの進化ぶりを大きく感じた。ただ、元々中国メーカー製だったので日本国内のサービスとして使える「おサイフケータイ」はないしワンセグ・フルセグもない。
※NFC機能はある。ワンセグ機能は近年の端末からはオミットされているので特にデメリットではなかった。

基本的に筆者は名機と認識しているが、日本国内のキャッシュレス決済メインの人やモバイルSuica、マイナンバーカードを読み込ませたいユーザーにとってはもう少し日本にローカライズしてほしいと思うかもしれない。それでも今までエントリークラスしか使ってこないユーザから見れば間違いなく「革命」だった。
※あちこちで安売りしていたのでXiomiが日本上陸に合わせた出血サービスだったのだと思う。



長い長い前振りからようやく本題に入る。

こうしてスマホ本体の性能向上を歴史的にも体感的にも筆者は見てきたつもりだが、如何に優れた名機であろうとあらゆるスマホにはEOS(End Of Service)、EOL(End of Life)が訪れるのだ。

毎年のように各メーカーが新型機を販売するので、同様に古い機種もメーカーはアップデートを終了していく。全部面倒見ていたらキリがないしコストもかかるから仕方ない。

Xiomi Redmi note 9sは2023年5月のセキュリティアップデートを持ってEOL、つまりもうメーカーは面倒見ませんという状態になった。

というわけで、直ちにではないにせよ更新するにふさわしい端末を調べたわけだが・・・なんと同様のコスパを持つ端末がない(?)のである。

当たり前と言えば当たり前なのだが、ある程度消費者の需要が満たされるとメーカー側も前例踏襲、マイナーチェンジ、小アップデートのように「平坦」な製品のリリースを続けるものだ。そんなしょっちゅう革命的な製品が出るはずがない。

ユーザーにとっても、1,2年程度で新型に買い替える層はそこまで多くないだろう。新製品の価格は高い上に近年は景気後退、物価高騰で多くの消費者にとって可処分所得が年々減り続けている。お金があれば別なことに回したいところだろう。

そんなわけで、恐らくもうスマホの性能や機能性は頭打ちなのである。

消費者にとって新しい需要が生まれてかつ可処分所得が増えるようなことでもない限りメーカもベストソリューションを生む可能性は低い。ましてや日本のメーカーが世界に向けて大ヒットするスマホをリリースできるとも思えない。買い替え需要はますます冷えていくことだろう。

となれば、ユーザーが目を付けるのは中古市場である。

近年の真新しいスマホが大した性能や機能性を持っていないのであれば、多少古くても「当時は高くて買えなかったハイエンド機」「フラッグシップ機」が今後は日の目をみるのではないだろうか?

そこで筆者は、楽天モバイルに新しく加入した事を踏まえ、かつて楽天モバイルで販売していたハイエンド機を中古市場で購入した。

2020年発売の「Sharp Aquos R5G(SH-RM14)」である。4年前の型落ち品であるが

・ハイエンドCPU
・内臓ストレージ256GB
・RAM12GB
・おサイフケータイ
・ワンセグ、フルセグ
・4Kカメラ
・指紋認証+顔認証
・5G(Submit6)対応

デメリットとしてはバッテリー容量が3730mAhとRedmi note 9sの5000mAhより少ない点。この辺はそもそも中古品なのであまり期待していない分ダメになったら交換を考えるしかないし、消費電力はこれからの使い方次第。

試しに軽く触った時の印象としてはとにかく動作が軽い、滑らか、画像が綺麗といった感じ。あと使っているうちに本体がすぐ熱くなり始めたから評判通り発熱量が高い。

性能的には2024年の最新鋭フラグシップモデルの方が新しいハイエンドSoCを積んでいる分優れているに違いないが、ミドルレンジ以下と比べれば十分高性能だと思う。機能的にも圧倒的に上で、特に高級機ならではのUSB3.0対応。Alternate mode対応可のため外部ディスプレイにHDMI出力できるのはとても素晴らしい。
※有線で外部出力できるスマホはほぼハイエンド機ばかりで大半はmiracastやchrome castのようにワイヤレスで出力するしかない。ただ、有線で出力する際には出力機器側(モニター、テレビ等)によっては音切れやズレが発生する。



というわけで、近年のスマホ市場を見てみると性能的に頭打ちであり、正直なところ新しい機種を買う意義が薄いように思えるため型落ち品でも十分ではないかという筆者の感想だった。

というのも、そもそも消費者側に金がない昨今の景気状況ではどんなに優れた物であっても「買いたくても買えない」のだ。

そんな中で、スマホやデジタルデバイス始め物を気軽に買替できる人は年々減少していると思われ、そんなマーケットでは需要そのものが減少するに決まっている。

いくら節約術やポイ活を始めたところでそれ以上に物価高騰、国の課税率が年々上昇していくのである。もはや「新品」を買うことも売ることもできなくなる経済はやがてスタグフレーションに陥り、やがて物が流れる事さえなくなるだろう。

今のうちに、モノでも金でもサービスでも、確保できるうちにした方がいいだろう

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