絵の仕事を始めて3年
会社を辞めたのが2018年の6月で、漫画家・イラストレーターとして活動しはじめてから、早いものでもうすぐ丸3年である。せっかくなので振り返り的なことをしよう。
2018年
・会社を退職して、Twitterで「絵の仕事を始めます」と告知した。それをきっかけにいくつかお仕事を頂いた。なかでも、似顔絵やご家庭の記念日の絵を描かせていただいたことが印象に残っている。喜んでもらえてとても嬉しかった。
・仕事自体が少なく、貯金を切り崩しながらの生活だった。お金や将来のことがとにかく不安だったなあ。一人で住んでいたら精神的にも経済的にも詰んでいただろう。くろちろこさんとぽんちゃんがいてくれたおかげで平静を保つことができた。
2019年
・初めて「マンガでわかる」系書籍のお仕事を経験した。「1ヶ月で60ページくらい描くスケジューリングなんですけど……」と相談が来て、タイト〜!と思いつつも、書籍として世に残るようなお仕事が巡ってきたことが本当にありがたくて引き受けた。
・4月にクリエイターEXPOに出展して、たくさんの商談機会を得ることができた。この時から現在まで続いているご縁やお仕事もあり、本当に出て良かったと思っている。
・クリエポ出展をきっかけに仕事が増えてきて、10月頃には1ヶ月で100ページ近い原稿を描くことになった。どうにか終えるには終えたが、周囲にたくさん迷惑をかけたり、心身の調子が悪くなったりした。どんなにやりたいことでも、仕事を受けすぎるのはいろんな面で良くないということが身に染みてわかった。失敗しないと学べないのよ……もっと賢かったら失敗する前からわかるんですけどね……
・ボリュームある仕事をやり遂げるために、初めてアシスタントさんに仕上げをお願いした。仕上げが得意な方にお願いすることで、自分一人でやるよりも遥かにいいものができあがった。
思えば、中学校での委員会活動から会社での仕事に至るまで、作業を割り振って協力してもらうことが苦手で、勝手に一人でアワアワしていたのだが、他者を頼ることでこんなに可能性が広がるのかと感動した。
2020年
・前年10月の無理がたたって、春先くらいまでず〜っと本調子ではなかった気がする。仕事の量をセーブさせてもらったり、会社勤めをしていた頃からときどきお世話になっていたカウンセラーさんにカウンセリングをしてもらったりしつつ、少しずつ調子を戻していった。崩れるのは早いけど戻すのは時間がかかるものだなあ……
・どうにも仕事がスケジュールどおりに進められず、どうしたらできるようになる……どうしたら自分がコントロールできる……と困り果てていた。私はそういう時にビジネス書や実用書や自己啓発本に頼りがちである。やる気を出すための本を探すなかで、ふと目に入った『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』(中島 聡・文響社)を読んだ。
やる気を出す本ではないのだが、「あなたの仕事が予定どおりに進まないと周囲はこんな風に困るんですよ」というのを丁寧に説明した上で、解決策として「とにかく手をつけて早めにやる・早く終わっても期限前に提出しない・できない分は断る」ことを提示する本だった。
こうして書いてみると「そりゃそうじゃ」という話なのだが、目から鱗だった。本に書かれていた仕事の進め方そのままはできないものの、ゆるく実践してみた結果「大変申し訳ありません。◯日までお待ちいただけないでしょうか」というメールを打つ回数が激減した。予定どおりに進められると、気が重かったり焦ったりする時間が減って、仕事があること・人の役に立てることの喜びなどを改めて感じられるようになった。時間はかかったが、だいぶ元気になった。
・やってみたかったことの一つ、学習マンガのお仕事をすることができた。子供の頃から、たまに図書室に行けば学習マンガばっかり読んでいたので、憧れていたのだ。こんな絵の学習マンガ、小学生時代の私は絶対喜ぶぞ、と思いながら描いた(今の小学生の皆さんも喜んでくれるといいのですが……)。
このお仕事で、初めて背景作画をアシスタントさんに依頼した。これまで自分なりに頑張って背景を描いてはきたが、仕上がりを見て、表現の引き出しの多さやテクニックに感嘆するばかりだった。新たな頼り先が見つかって、とても実りの多い仕事になった。
2021年
・年度末という理由で仕事が来たりして、3月は忙しかった。フリーランスには年度末なるものはあまり関係ないと思っていたのだが、そうとは限らないのだとわかった。
・優しくて親切な取引先の方と、楽しいお仕事ばっかりしている。優しい方しかいない。すごいことである。先の予定も少し埋まっていて楽しみだ。
・絵を動かせたら楽しいのではないか&映像制作ができたら仕事の幅も広がって楽しいのではないかと思い、AfterEffectを触りはじめた。プラグインを入れることですっごく色々なことができるようで、とっても楽しそうだが、まだパスに沿って車を動かすくらいしかしていない。楽しそうな域に達していない。頑張る。
まとめ
振り返ってみればうまくいかないことも多々あったが、優しい方に出会ったり、頼る先を見つけたり増やしたりしながら、少しずつ上手に立てるようになってきている気がする。失敗の前からあらかじめ対処できていればいいのだが、そんなに賢くできていないので、これからも失敗しつつ学んでいくのだろう。賢かったらよかったんですけどね……本当にね……
3年間の振り返りは以上である。また数年後に書いたら楽しそうだ。
久々のnote、お付き合いいただきありがとうございました。
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