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へー、アメコミ映画!

ずずず、とストローでタピオカを追いかける。
これでもスリル満点な行為なのだ。
ぽ!と勢いよく口の中に入ってこないようにするのは案外難しい。
お、いい感じいい感じ。

あは、と居心地悪そうに笑ったこの子は同期。
全然話したことがないから声を掛けて一緒に休憩してる。
出てくるだろうなとは思ってたけど、案の定キツネのブローチが着いたバッグからはタンブラーが出てきた。
女子力だよなあ。
ブローチはコートに着け替えることもあるんだって。
それでアメコミ映画と甘いもの好きって、ギャップも良いとこだな。
モテそう。

あんまり驚かないね。
両手で紅茶(だと思う)の入ったタンブラーを包み込んでこの子は言う。
そりゃあ、まあ。

ん。
左手の人差し指で耳たぶを指差す。
ヨーヨー柄のピアス。

私、浴衣が好きなんだよねー。
そう言うと、えええー!!と叫ばれた。
パンツスタイルを貫き通していればそうなるか。
あと意外にこの子、声がでかい。

食い付くように聞きたがるので、私の夏の過ごし方のことを話した。
オフの日にはよく浴衣を着て出掛けること、髪型のこだわり、浴衣にはこのピアスをいつも着けていること、手描きの素朴な柄が好きなことや、中の水とキラキラした砂が光を通すと綺麗なことを話すと、意外に文学的なんだね!と笑われた。

とっても素敵だと思う。
そう言って恥ずかしそうにくしゃっと笑う同期は最高に可愛くて眼福だった。

明日はタピオカミルクティーじゃなくて、量が多めのカフェオレを買ってこよう。
今度は私があの子の話をじっくり聴く番。

アクセサリー作家:日常に溶け込むresort style 


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