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人生を終わらせようと思った

お金の問題が膨らむと、視野が狭まります。

誰にも打ち明けられずに抱え込むうち「自分はもうダメかもしれない」「死んでしまおうか」というような思いがチラつくようになります。



実は、わたしの両親も借金に苦しんでいました。今からもう10年以上も前で、わたしは既に社会人でしたが、実家に借金があることを初めて知りました。

真っ当な金融機関にまとめたものだけで1000万、その他に両親それぞれがサラ金各社から借りていて、どうにも首が回らなくなった時にわたしにも「頼むから○日までにお金を用意してくれ」と切羽詰まった母が連絡してきたのでした。

急に母から切羽詰まった無心の電話…放っといたら相当ヤバイ。かと言って貸すお金など持ち合わせていない。わたしが初めて借金をしたのもこの頃でした(キャッシングでしたが結局こちらは完済しました)。




わたしは子供の頃から何不自由なく生活をし、高校卒業後も短大へと進ませてもらいましたが、家の経済状況を何も知らずに進学した自分がバカバカしく思えました。「うちお金ないんだよ」そう相談してくれたらよかったのに…と何度も思ったものです。


両親には「どんなに借金しても、我が子達にはやりたいことをやらせる」という教育方針があったようで、それを貫いたようでした。そのため、下の兄弟たちも我が家の経済状況をまったく知らずに、専門学校や大学へと進学しました。実際にお金が回らなくなり始めたのは2番目の弟が大学に進学した頃のようでしたが、そのことを同じ頃に初めて知った弟も自分を責め、自分でなんとかしなければ…と責任を感じたそうです。


その、借金問題が一番大きくなっていた頃、当時働いていた職場に、父が新たにお金を借りようとしている金融機関から電話がかかってきたことがありました。同僚がすぐそばにいる事務所で、わたしの年収や従業員数、勤務年数などを細かに聞かれ、肩身の狭い思いをしたことがありました。同僚たちは、素知らぬ顔をして事務作業を続けていましたが、内容から借金の電話であることはきっと分かっていたと思います。


この頃、母は「もう無理かもしれない」と、自ら命を断つことを何度も考えたそうです。保険の都合上、交通事故が一番保険金を残せるから、事故でどうにか…と。

父も父で責任を感じ、命を絶とうと家を飛び出したことがありました。この時、離れた場所に住んでいたわたしは母から連絡をもらい、父が出て行ったことを聞かされました。また電話がくるまで気が気ではありませんでした。

次に電話が来たときに「お父さんダメだった」とか言われたらどうしよう!!!と生きた心地がしませんでした。



わたしは先日、初めて借金を抱えていることを第三者二人に打ち明けました。実はお二人とも「人生を終わらせることを本気で考えた」そうです。


そんなわたしも、何度か「死」を考えたことがあります。保険金でなんとか…人間の小さい脳は、そう考えでしまうんですね。


でもブレーキがかかる。もっともっと大きな脳が「死ぬな」「諦めるな」と、潜在意識に働きかける。そうやって、前を向いた時に初めて、解決方法が見えてくるのですね。

人間の問題を解決してくれるのも、また人間です。

ご縁は不思議で有り難いです。