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音楽と構造と表現と

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映画など映像作品、小説、書籍に関する感想・レビューを書いています。意図せずネタバレしているかもしれないのでご注意ください。
筆者が音楽情報科学の研究者なので、音楽・サウンド周りの表現・演出の視点で書くことが多いです。まずは…
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2019年10月の記事一覧

音楽から想起する世界の果て|ドラゴンクエスト ユアストーリー

音楽から想起する世界の果て|ドラゴンクエスト ユアストーリー

8月にとっくに観てましたが、まだアップしてなかったシリーズ。
いろんな意味で夏は大盛り上がりでしたね。少し思い出しつつ。

びにょーーー〜〜〜ん。私が一番ハマったのはこれ。すらりん最高。
これが観れたから全体としては満足。満足です。2回書いとく。

その上で、

各地でいろいろ言われてたのはコレか。。!
という思い。えーとうーんと、...私は頭を抱えた方です。
それらしい伏線や片鱗は確かに劇中ちょ

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順応力は没入感にも臨場感にも勝る|ジェミニマン

順応力は没入感にも臨場感にも勝る|ジェミニマン

ジェミニマンを観てきました。が、本記事は内容よりもハイフレームレート3D+なるものを試してみたというお話。

「キャプテン・マーベル」などでも観られるように、今やCG技術を駆使して若かりし頃の俳優たちを登場させることも可能な時代です。「スターウォーズ ローグワン」や12月が待ち遠しい「スターウォーズ9/スカイウォーカーの夜明け」に至っては、故人となったレジェンドたちをフルCGで登場させることも実現

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あの音が聞こえる|蜜蜂と遠雷(映画)

あの音が聞こえる|蜜蜂と遠雷(映画)

原作は買ったのになかなか読み進められなかったところに映画化ときて。
読み終えてからにしようと思ってたけど、台風くるらしいから先にねじ込むことにしました。

なるほど、これはグッジョブですね😃
プロモーションの宣伝通り。
音楽映画で、音響効果も含めてきちんと音楽(音)で語ってみせました。

エンドクレジットを全部は追いかけきれなかったけど、(クラシック)音楽系の協力企業・団体(のそれでも一部ですが

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目覚めた時こそが夢なのか|HELLO WORLD

目覚めた時こそが夢なのか|HELLO WORLD

タイトルからして、コンピュータな話だとばかり思っていました。

# "Hello, World" はプログラミング言語の入門学習で最初に書くサンプルコードの代表例(だった)# like this:printf("Hello, World");

実際は

ぜんぜん違いましたね😅
「データ」の世界を描いてる点では確かにコンピュータワールドですが。

タイムトラベルのようでいて、実際にはすべて一方向

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「疲れる」を愉しむ|ジョン・ウィック パラベラム」

「疲れる」を愉しむ|ジョン・ウィック パラベラム」

なんとなくキアヌ・リーブスが観たかったんです(´-`)
前作は知らないから話の流れもよくわからぬまま。

なんというか、疲れました…
戦ってばかりだけど、ただしこれは監督インタビューに曰く、
当事者こそずっとそういう状況、状態に追い込まれてるから、
「疲れた」という状態自体を観客にも味わわせたいんだとか

ほう。

あとはキアヌ・リーブスは思った以上に長身、大柄なのですね。
アクションの多

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言葉の魔力|ホテル・ムンバイ

言葉の魔力|ホテル・ムンバイ

プライベート・ウォーに同じく、こちらはインドであったテロのドキュメンタリ。これも事実に沿って淡々と、誇張も美化もし過ぎずに描かれているのがよかったです。

祈りの言葉を宗教・言語問わず知っておくのが
実は個人にできる最大の自衛なのではと思います。

でもなぁ、仮に日本語で聖典暗唱できたところで、こういうテロリストに
それが聖典だとわかってもらえるんだろうか...無理じゃないか?
やっぱり原典が基本

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「プライベート・ウォー」

「プライベート・ウォー」

実在した戦場記者メリー・コルヴィンの伝記映画。
ドラマティックに脚色するでなく、現実はきっと本当にこうなるんだろうというのを静かに受け止められるのって、いいなと思います。

映画館での上映前予告だけを見て、観るか観ないかを判断してるんですが、観ながらなんとなく思い出しました。そういえば実際のニュースを当時のうちにちらりと見た気がする。
あった。これか。

うん、おぼろげに覚えてました。そうか...

静音|アド・アストラ

静音|アド・アストラ

(10/26 修正・加筆)
静まり返ってるシーンのときに急に喉がひりついてやや激しく咳き込みました。すいません…(´-`)

宇宙の深淵へ向かうのにドラマティックさは要らないというか、登場人物も観客側でも基本的には抑制が効いてて、なんかこういうのは珍しいなと。
節々にある「無音」の時間を感じながら、地球、月、火星、海王星へとどこまでも静かに進行していきます。

役者が感情表現を極端にしないおかげで

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はじめに言葉の音ありき|トールキン/旅の始まり

はじめに言葉の音ありき|トールキン/旅の始まり

言わずと知れた「指輪の物語」作者の、一連の作品が生まれるまでの人生ドキュメンタリ。

ロード・オブ・ザ・リングはWOWOWで一応観るには観てるんです、、が、
元が大作なだけあって映画はあんまり馴染めませんでした。
コレはおそらく原作「指輪物語」をきちんと読んだ方がいいんだろうなぁ...という状態からの本作。
「指輪物語」も実はよくわかってない上に、そもそもトールキンという人物をよく知らない。ので幕

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「ライオンキング」

今までフルCGのアニマルアニメはイマイチ好きになれませんでした。
なぜなら、本作のようなリアルグラフィックで観たかったからです。
ということで、予告を何度も見ているうちに、まあそろそろ観てみようかという気になってきました。

それでもやはり細かな動作のところで所々CGっぽさが残っていたけど、
でももういいかな、というところまで時代が来た😀
(かつて学生時代にCG制作もやってたのである程度技術面も

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「二ノ国」

以前からずっと気になってたけど未プレイのまま。
ゲーム本体とは世界設定を共通とするだけでオリジナルストーリーらしいからまぁいっか。

互いの事柄が影響し合う並行世界のお話。
絵柄がジブリなせいもあるだろうな、いろんなところでビジュアル的にすごい安心してみていられる穏やかな空間。

主人公はあれだ、「千と千尋」のハク。...と書いたそばからやっとヒロインの方も千尋だということに思い至りました。
どち

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「進撃の巨人 Season 3」最終話

テレビシリーズです。書いたのはシーズン3終了したての翌日ぐらい。

シーズン1第1話からほぼ一貫して音響効果・音楽の使い方がシナリオレベルで素晴らしく計算されてて、サウンド部門はじめ制作チームの総合力量に惚れ惚れするところです。
(澤野氏やリンホラだけで実現されてるわけではない)

今シーズンは色彩の美しさが特に際立ってたのと「抑制した音響効果」がテーマだったように思います。
戦闘シーンはシーズン

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「ファイナルファンタジー XIV 光のお父さん」

FF XIVは未プレイ。

アバターの向こうのリアル人間模様。いや笑いました。

オンラインゲームではゲーム世界の中で出会った人とテキストチャットすることがありますね。
基本的に相手がどんな人かというのは、アバターと、名前と、プレイの所作とテキストの文面から読み取ることになるのですが、決してリアルご本人の全てを表しているわけではないわけで。
相手のリアルって、でも知ってる方がいいのか知らない方がい

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