お母さんが知っておきたい睡眠リズム
睡眠リズムって何?なぜ大切なの?
まず、「睡眠リズム」とは何か説明しましょう。私たちの体には「体内時計」というものがあって、これが約24時間ちょっとの周期で動いています。この体内時計に合わせて、体温や血圧、ホルモンの分泌などが変化し、「昼間は活動的に、夜は休む」というリズムができあがります。これが「睡眠リズム」なんです。でも、現代の生活では、夜遅くまでスマホを見たり、不規則な食事をしたりと、この体内時計を狂わせてしまうことが多くなっています。その結果、睡眠リズムが乱れてしまうんです。
睡眠中の周期
睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」という2種類があるということです。レム睡眠は、脳が活発に活動し、夢を見やすく、記憶の整理や定着が行われる時期です。一方、ノンレム睡眠は脳と体の両方が休息している深い睡眠状態です。健康な睡眠では、この2つの睡眠が90~120分周期で交互に現れ、一晩に3~5回このサイクルを繰り返します。
睡眠リズムの乱れがもたらす影響とは?
糖尿病のリスクが上がる
睡眠リズムが乱れると、体の中でインスリンという血糖値を下げるホルモンが上手く働かなくなります。その結果、糖尿病になりやすくなる可能性がある。がんのリスクが高まる
世界保健機関(WHO)の調査によると、夜勤などで昼夜逆転の生活をしている人は、日中に働く人よりもがんになるリスクが高いそうです。これは、体内時計の乱れが免疫システムに影響を与えているからだと考えられています。認知機能が低下する
睡眠リズムが乱れると、脳の働きにも悪影響が出ます。記憶力が落ちたり、集中力が続かなくなったりするんです。子どもの場合は、学習能力にも影響が出る可能性があります。うつ病のリスクが上がる
体内時計の乱れは、脳内の神経伝達物質のバランスを崩します。その結果、気分の落ち込みやうつ病のリスクが高まってしまうんです。
子どもの睡眠リズムの実態
子どもの睡眠リズムはどうでしょうか?
半数以上の子どもが睡眠不足
全ての年代で約半数以上の子どもたちが、推奨される睡眠時間を満たしていないことがわかりました。これは本当に深刻な問題です。 新生児 (0-3か月): 14-17時間 乳児 (4-11か月): 12-15時間 幼児 (1-2歳): 11-14時間 就学前 (3-5歳): 10-13時間 学童 (6-13歳): 9-11時間 ティーンエイジャー (14-17歳): 8-10時間平日と休日の睡眠時間
学年が上がるにつれて、平日と休日の起床時刻に大きな差が出ていることもわかりました。特に中高生では、休日に大幅に遅くまで寝ている傾向があります。「社会的時差ぼけ」
一定数の子どもたちが「社会的時差ぼけ」と呼ばれる状態にあることも判明しました。これは、平日と休日で生活リズムが大きく異なる状態のことで、月曜日の朝がつらくなる原因にもなっています。
親として、子どもの睡眠リズムにもっと注意を払う必要がありそうですね。子どもの場合、レム睡眠の割合が大人よりも多いことが知られています。 これは脳の発達に重要な役割を果たしているためです。
日本人の睡眠事情
平均睡眠時間は6時間50分
日本の有職者の平均睡眠時間は6時間50分でした。 これは過去5年間で最長とのことですが、まだ短いことが分かります。世界平均との大きな差
OECD(経済協力開発機構)加盟国の平均睡眠時間は8時間28分です。眠らない国、日本と言われてしまいます。理想の睡眠時間との差
ある研究では、日本人が理想とする睡眠時間は7時間40分だそうです。睡眠と経済損失の関係
睡眠の質が悪い人ほど、経済的な損失が大きくなる傾向が見られたことです。つまり、よく眠れていない人は、仕事のパフォーマンスも下がります。
睡眠リズムを整えるための具体的なアドバイス
規則正しい就寝・起床時間を心がける
できるだけ毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きるようにしましょう。これが睡眠リズムを整える基本です。休日も平日とあまり変わらない時間に起きるのがポイントです。
朝日を浴びる
起床後に太陽の光を浴びましょう。朝日には体内時計をリセットする効果があります。カーテンを開けて、朝日を浴びながら朝食を取るのがおすすめです。光がリセットの主時計、朝食が副時計になります。ブルーライトを避ける
寝る2~3時間前からは、スマホやパソコン、テレビなどの使用を控えめにしましょう。これらの機器から出るブルーライトは、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制してしまいます。適度な運動を行う
日中に適度な運動をすることで、夜にぐっすり眠れるようになります。ただし、寝る直前の激しい運動は逆効果なので注意しましょう。夕食の時間に気をつける
夕食は寝る3時間前までに済ませるのが理想的です。寝る直前に食事をすると、消化のために体が働き続けてしまい、良質な睡眠の妨げになります。寝る前にリラックス
入浴やストレッチ、読書など、自分なりのリラックス方法を見つけましょう。心身をリラックスさせることで、スムーズに眠りにつけます。睡眠環境を整える
寝室は暗く、静かで、適度な温度(18~23度くらい)に保ちましょう。快適な睡眠環境づくりも大切です。睡眠アプリを活用する
最近は、スマートフォンの睡眠アプリを使って自分の睡眠パターンを把握できます。自分の睡眠の質を知ることで、改善点が見えてくるかもしれません。
子どもの睡眠リズムを整えるためのヒント
子どもの健康と成長のためには睡眠が本当に大切なことです。ここでは、子どもの睡眠リズムを整えるためのヒントをいくつか紹介します。
就寝時間のルーティン
毎晩同じ順番で、「お風呂→歯磨き→絵本の読み聞かせ→就寝」といったルーティンを作りましょう。これにより、子どもの体と心が自然と眠りモードに入りやすくなります。寝室の環境
子どもの寝室は暗くし、静かな環境を作りましょう。必要に応じて、薄いカーテンやナイトライトを使用してもいいでしょう。電子機器の使用を制限する
就寝の2時間前からは、テレビやタブレット、スマートフォンの使用を控えめにしましょう。特に就寝直前の使用は避けるようにします。適度な運動を促す
日中に十分な身体活動をすることで、夜にぐっすり眠れるようになります。外遊びや運動を積極的に取り入れましょう。規則正しい食事時間
朝・昼・晩の食事時間を規則正しくすることで、体内時計が整います。特に朝食はしっかり取るようにしましょう。休日も生活リズムを大きく崩さない
休日だからといって、極端に遅くまで寝かせたり、起こさなかったりするのは避けましょう。平日との差は2時間以内に抑えるのが理想的です。光のコントロール
朝は太陽の光を浴びて、夜は照明を暗めにするなど、光をうまく利用して体内時計を調整しましょう。
まとめ
一定の就寝時間と起床時間を設定し、週末も含めて守る
寝室は快適な温度(18~23度)に保ち、暗く、静かな環境にする
就寝1時間前にはスマートフォンやパソコンの使用を控える
夕方以降はカフェインの摂取を避ける
適度な運動を日中に行い、夜は激しい運動を避ける
リラックスできる就寝前のルーティーンを作る (例:読書、ストレッチ、瞑想など)
朝は太陽の光を浴びて、体内時計をリセットする
夕食は就寝3時間前までに済ませる
アルコールの摂取は控えめにし、就寝直前は避ける
睡眠の質や量を記録し、自分の睡眠パターンを把握する
これらのポイントを意識しながら自分に合った睡眠リズムを見つけていきましょう。健康的な睡眠習慣は、心身の健康だけでなく、日中のパフォーマンスや生活の質の向上にもつながります。睡眠は私たちの人生の3分の1を占める大切な時間です。その重要性を理解し、より良い睡眠リズムを目指して、一歩ずつ改善していくことが大切です。家族内で共有して、今日から始めてみませんか?
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?