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蛙亭を好きになっちゃった

2021年2月21日、蛙亭の単独ライブ「ネコの日イヴ」を見た。

私が蛙亭を知ったのは2,3年前、『アキナ・和牛・アインシュタインのバツウケテイナー』という関西のローカル番組内の若手芸人コーナーに登場したのがきっかけだった。
その時の蛙亭は「赤ちゃんの人形にアフレコをする」という、一風変わった企画を持ち込んでいた。平坦なトーンでボソボソとボケを繰り出す女性と、その横で何も喋らずニコニコしているだけの男性。「何このコンビ...よく分からなくて不気味だな...」というのが、私の蛙亭に対する第一印象だった。

そんな好印象とは言い難い蛙亭のイメージが変わったのは、彼らが2020年10月からPodcast内で始めたラジオ番組『蛙亭のオールナイトニッポン i 』の影響である。
ネタは書けるけど約束の時間を守れない岩倉さん。彼女と長く同棲中だけどデカい歯の粒を見せてくる中野さん。決して仲良しではないのだけれど、きちんとした相槌と共に繰り広げられる両者のトークがとても心地よくて、この番組だけでなく、蛙亭という存在が好きになってしまった。

『蛙亭のオールナイトニッポン i 』は蛙亭のファンでなくても、またラジオをあまり聴かない人でも、普通に聴きやすくて面白い番組だと思う。始まって間もなく、Podcastという媒体なのもあり、内輪ネタや深夜ラジオ特有の下品な流れが少ない。個人的には「ep.7 おまかせ丼」がこの番組らしくておすすめ。

そこからは早かった。YouTubeの公式チャンネル内のネタを片っ端から見て、テレビ出演を逐一チェックして、あっという間に蛙亭ワールドの虜となり、冒頭の単独ライブを見るに至った。初めて見た時はこんなにハマるなんて微塵も思わなかったが、気付いた時には蛙亭のことを好きになっていた。

蛙亭の作り出す世界観は、「こんなのあり得ないわ!」という要素と、「こういう場面ってありそう〜」という要素のバランスが絶妙だと思う。前者のみだと単なる浮世離れしたファンタジーだし、後者のみだと単なる現実の模写。いかにしてその間を取るかが所謂センスであり、それが蛙亭のカオス感に繋がっているのだと思う。
今回の単独ライブのネタも、実際に体験はしたくないけれど、その様子は覗き見してみたいシチュエーションがたくさんあった。

男女コンビなのに配役の性別が逆だとか、ネタ中の岩倉さんは中野さんのことを気持ち悪がっているとは思えない距離感であるとか、中野さんの演技は台本なのかアドリブなのか分からないとか、蛙亭の魅力を形容する表現は色々あるけれど、私は一言でいうと「そんなのずるいよ!」だと思っている。どんな風に考えたら、そんな狂った設定を思い付くんだろう?そんな流れにしたら面白いに決まっているじゃん!!1時間の単独ライブを見て、私はそう思った。

あと今回の単独ライブでは、最後に岩倉さんがお客さんに感謝の想いと熱い野望を伝えているのが印象的だった。
岩倉さんは以前、「私は周囲の人に恵まれすぎているから、芸名をつけるなら『人恵』が良い」という話をしていたが、岩倉さん自身がとても魅力的だから、素敵な人が寄ってくるのだと思う。(個人的には、性別・事務所・芸風の壁を越えた岩倉さんのシェアハウスが大好きで超注目している。)


2021年は、蛙亭から目が離せないのな!!!(CV : 天沢聖司)


*冒頭の画像はヨシモト∞ホール公式Twitterよりお借りしました。©︎中野周平(だよね?)

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