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答えを出すのが優秀?ー広石コラムVol.5

先日社内ミーティングで、ガバナンスについての話題から、自主性・主体性を考える時、子ども時代からの教育や経験が大切との話になりました。小学生の子供のいる社員から、今現在小学校の教育現場では、一生懸命自主性を育てている。自主性を育てたら、大きくなるにつれて主体性が生まれると思っているが、そこは真逆であり、主体性が育つ教育をしなければ主体性は生まれない、と。この問題について、こちらのコラムにとてもわかりやすく書かれているので、ピックアップしました。 (事務局 新村)

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学校のクラスで「出された問題を解ける子」「疑問をどんどん出す子」とがいると、「解ける子」の方が、”優秀”とされがちです。子ども時代のこの経験が根強く残ってしまう事が、色々な場面で弊害を生んでいると思います。

「企業の新規事業を開発する」「地域活性化をする」という時に、求められるのは「答」です。経営陣ら上層部はお題を出せば、誰かが解いて100点の答を出してくれると思うのです。
それに対して部下は、上司が求めている要求を満たすように必死に答を考えます。そして、提案すると「これで本当に100億円稼げるのか?」「これで人口は増えるのか?」と要求水準を満たすか確認してきます。それに、完璧な答ができないと、「それじゃ、答になっていない」と却下します。そうやって、新規事業を、地域活性化を考え続け、「失われた〇年」は続いていきます。

このやり取りで、上層部と部下に共通しているのは「正しい答がある」を信じていることです。
「正解はない」とどこかでわかっていても、「解く=優秀」の呪縛から逃れずにいます。

今の時代、新規事業を開発する時、地域を活性化する時に必要なのは、「どんどん疑問を出す」存在です。

「100億円稼げる新事業を作れ」という上層部に対して、
A)「わかりました」と答えて100点の回答を作ろうと頑張る部下のいる会社と、
B)なぜ100億円なのですか?
 ・いつまでに、どのようなステップで稼ぐと会社の未来につながるでしょうか?
 ・今、私たちの会社の負えるリスクは、どのようなことでしょうか?
 ・この会社は、今の社会、10年後の社会でどのような役割を果たせるでしょうか?
 と問いかける部下がいる会社の、どちらに未来があるでしょうか?

その問いかける部下を評価し、一緒に考えようと上層部ができるか、そのような問いかけが社内に広がるよう推進できるか、それができないと、正解のない問いの正解探しに疲弊してしまうのでは?

答を出すこと、解くこと、ソリューションの呪縛を解きほぐし、あなたの考えていることを、素直に周りの人たちに問いかけてみませんか?

                      エンパブリック代表 広石
                       (2017年8月18日記)

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今のような時代だからこそ、より「主体性」が必要になってくるのだと思います。それぞれに考え方のクセのようなものはあると思いますが、子供の頃から良い考え方のクセを感覚として身に付けることの大切さ、問いについての大切さについて、改めて考えさせられました。(新村)


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