見出し画像

Unlearning 「学びほぐし」を考える~新しいことを始める人を応援!ー広石コラムVol.39

メディアで、コロナで長引く状況に、サービス形態を変えたり、色々な新しい試みや工夫をしている経営者の方々を見ているとすごいな―と思いながら、どちらかというと「変化」が苦手な私は色々考えます。コロナによって、そのうち・・・と思いながら過ごせていた事が結果を迫られるといった状況が色々なところで起こっているような気がします。日頃から面倒なことから目を背けず、変化を受け入れようという意識を持つことが大切という思いと、それって平穏な時には流しがちな事で、でもそれをしておかないともっと難しくなる、では何からどうする?と頭の中がぐるぐるになった時に読みたいコラムです。(事務局 新村)

「それでも、この辛い人生の坂道を、不平たらたら、汗水たらしてのぼって行くのも、なんのことはない、ただ死後に一抹の不安が残ればこそ。旅だちしものの、一人としてもどってきたためしのない未知の世界、心の鈍るのも当然、見たこともない他国で知らぬ苦労をするよりは、慣れたこの世の煩いに、こづかれていたほうがまだましという気にもなろう」
(「ハムレット」福田恆存訳より)

このハムレットの独白が引用される映画が「Star Trek? the undiscovered country」です。
惑星連邦と敵対するクリンゴン星に危機が訪れ、連邦とクリンゴン帝国は和平を結び、その危機を乗り越えようとします。やっと訪れた平和。しかし、それまで敵対していた国同士が和平を結ぶと、敵対しているからこそ存在価値のあった人たちの役割がなくなる。それを恐れて、和平をつぶす動きが両方の国から起きていきます。

戦争と平和だと平和の方がいい。しかし、良い変化であっても変化は「既存」を脅かし、未知の国(the undiscovered country)の恐怖は時代の進歩を妨げようとする、という物語です。

なんとなくの成熟感、できあがった感があると、「変化」は色々な理由をつけ、先延ばしにされてしまいがちです。「うちは、こういう感じだから」「こうやれば、少なくとも失敗はないから」それが地域や企業の成長を蝕んでいきます。

変化が起きないのは現状が良いからでも、現状に満足しているからでもない。「不平たらたら、汗水たらしてのぼって行く」としても、「見たこともない他国で知らぬ苦労をするよりは、慣れたこの世の煩いに、こづかれていたほうがまだまし」だからでしょう。

「なまじっか自立してしまうと、国や行政からの支援が受けられなくなる」その言葉も、あちらこちらで耳にしてしまいます。

法政大学の長岡健先生は、「今、求められる「アンラーニング」とは何か?」というインタビュー(https://jinjibu.jp/article/detl/keyperson/671/)の中で次のように指摘されています。「企業で今、「考えられていない」のは、一人前になった人が、その先どうやって学んでいくのかということです」「成熟した人は学ばないということになっています。しかし、学びとは変わり続けることです。」

習得することが目的の「learning」は誰でも行います。しかし、自分の学んできたこと、やってきたことを、一度、崩して再構成する「unlearning」こそが、今の日本のいたるところで求められています。

エンパブリックが新しいアクションを始める学びの場づくりにこだわっているのは、それが「変化」「成長」の原動力になるからです。

春の根津スタジオは、新しいことを始める基礎力を身につける学びの機会を、GW前に集中して行います。変化への基礎力を共に考えてみませんか?
                            代表 広石
                         (2014年4月3日記)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
このコラムにあるように、「unlearning」一度、崩して再構成するのって本当に手間と時間がかかるようで面倒と思いがちだけど、崩さないでそれをいじくりったり付け足したりしながらと、何とか保っていくのはそれはそれでとてもキツい。そのこだわりのないところにこだわるばかりに、いつまでも思った場所に辿りつけないといった事もあるんだよな、、と思いました。この「一度、崩して再構築する」という言葉はこのコラムを読んで以来、何か迷った時に私の中で出てくるキーワードとなっています。(新村)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?