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あなたの事業に必要なお金を、より低コストで集めるには?広石コラムVol.50

empublic Studioでは、今、「事務局」について様々な視点から考えていくプロジェクトが動いているのですが、それをキッカケに、先日スタッフで話していた際に、「事務局費」や「一般管理費」にかかるコストって、なかなか理解してもらいづらいけど、本当に必要なコストで、それをもっと伝えられたらいいよね。という会話になりました。きちんと伝えられれば、共感、協力をしてもらいやすいし、それが世の中の困りごとを事業として継続していけることにつながる大切な事だなと思いました。何かを行うにはそれぞれの形で必ず「事務局」が存在していると思うので、同じような事を感じている人、多いのでは?と思い、こちらの広石コラムを思い出したので、ご紹介します。(事務局 新村)
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1万円の資金を700円の費用で集める団体に近づけるコミュニティ力を!

ちょっとスパム・メールみたいなタイトルで、「え?」と思った方もいるかもしれませんが、コミュニティの話です。

ただ、事業に必要な資金集めは、どんな事業でも、いつも大きな課題です。

資金を集めるfundraiseのノウハウは、米国のNPOでは重要テーマです。米国NPO評価機関American Institute of Philanthropy(AIP)では、NP0の第三者評価の評価基準の一つとして、「100ドルの寄付を集めるための費用限度として35ドル」を設定しています。日本円では、1万円の寄付を集める費用の上限は3500円だということです。

寄付集めに必要がかかるというと、不思議に思う方がいるかもしれません。「善意のお気持ち」ということで一見すると「タダ」のように感じますが、団体のことを知ってもらう広報、事務局の担い手に(本来かかる)人件費、事務局運営費用、寄付を集めるイベント広報費など、コストはかかります。

もし200万円の費用をかけるなら、600万円は寄付を集める必要があります。逆に、600万円の寄付を集めるには、200万円程度の費用をかける必要があるということです。

ただし、アメリカのNPOには、この寄付の費用対効果がとても高い団体が存在しています。寄付支援サイトのCharity Navigatorhttp://www.charitynavigator.org/では、寄付を考える人に、団体の運営状況、情報公開(アカウンタビリティ)の状況などの情報を提供しています。そこに、寄付の費用対効果を見る Fundraising Efficiency という指標があり、1ドルの寄付を集めるのに、どれだけのコストがかかっているか、示しています。

そこで、有力団体の指標をみると、例えば、日本でも有名になった「Teach For America 」(優秀な大学の卒業生を、貧しい地域の先生として2年間派遣する)では、0.08、「Give Kids the World」(小児がん等の難病の子どもたちをディズニーランドに招待する活動)では、0.07となっています。

つまり、100万円のお金を集めるのに、7~8万円しかかかっていないのです。1億円の資金を800万円の経費で集めるのは、広告代理店でも困難でしょう。

もちろん、これらの団体は有名だし、規模も大きいからということもあります。しかし、それ以上に、寄付の費用対効果が高い団体には、共感から生まれる「コミュニティ」があります。

例えば、自分たちで宣伝しなくても、勝手に、クチコミなどで周りに活動を知らせてくれるエヴァンジェリスト(伝道者)がいます。そして、リピーターとして支えてくださる活動のサポーターが数多くいます。

このように周囲の力を使うことによって、少額の運営費で、一過性ではなく毎年、確実に大規模な事業資金を集めることができているのです。

エンパブリックが「コミュニティ戦略パートナー・サービス」を提供しているのはこのように事業に自主的に協力してくださる人のマネジメントを戦略的に行うことが、NPOの寄付集めにはもちろん、あらゆる起業や事業展開にとって、ますます重要になってきていると思うからです。

どんなメッセージを出すことが人が集まる共感となるのか?集まった人が、そこに自分の居場所や出番を見つけてもらうために何が必要か?その実現のための計画を描き、実行プロセスを設計し、実践していく。そのノウハウを体系化しています。
                          代表 広石拓司
                        (2012年7月26日記)
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私自身、これ絶対いい!と思うと、つい突っ走って伝えてしまう伝え方になりがちなのですが、何かやりたい事があった時に、一緒にやってくれる仲間を見つけたり、周りを巻き込む力は本当に必要で、それには「共感」を得てもらえるように、まずは伝えたいことをちゃんと伝えられるように、デザインをする事がとても大切な事だなと思いました。(新村)

☆empublic Studioで開催したストーリー・デザインのセッションの動画アーカイブ動画は https://empublic-studio.jp/entry からメンバーになると視聴いただけます!↓

☆冒頭にご紹介した「パブリックに貢献したい人のための事務局力を考えよう!」セッションは、https://empublic-studio.jp/entry からメンバーになるとご参加いただけます。


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