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「新しい知恵に向けて(2)」empublicメルマガ~根津の街から(2020年12月16日)

ウェブメディア「Sustainable Japan」のメールマガジン(12/7)号で、運営会社CEOの夫馬賢治さんが、
日本政府のカーボンニュートラルに向けた政策が動き出してから主要メディアも現状の産業課題を指摘し始めたことに
「せめてあと5年早くこのように状況を報じていてくれたら」と書いていらっしゃいました。
その気持ちにとても共感しますし、その後に「前を見ていく」と書かれたいたことも共感です。

政府のカーボンニュートラル、東京都の30年までに新車オール電動化などに対し、「突然、言い出した」という声もあります。
ただし、「突然」起きたように感じる世の中の変化も、世界のどこかで起きていたり、身近だけど見えないところで起き始めていたものです。

SDGsが広がり始めた時に、NPOの方から「新しいことは何も入っていない」という指摘がありました。
確かに、SDGsは、全く新しい問題を扱っている訳でも、思いつきもしなかった切り口のアジェンダが含まれる訳でもありません。
NPOなど社会問題に携わっている人には、「ずっと言われてきた問題」ですし、「ずっと取り組んできた」ことでしょう。

しかし、これまではメインストリームの経済社会システムが順調に動いていることを前提に、
そこから「こぼれ落ちた問題」「やっておいた方がいいこと」として、環境や社会への”貢献”がテーマとなっていました。
だから、会社の役員になるには、経営や経済に精通していればよく、環境や社会問題を「よくわからない」と言っても大きく問題にはなりませんでした。
逆に、NPO等が企業や政府に「この問題をすべきだ!」と訴えても、「大切だけど…」と向き合わない状況も続いてきました。

しかし、もはや、それでは地球が、地域・社会が持続できなくっているし、経済も変わらないと自分達が持続できなくなっている。
これからの経営者やビジネスや政府のリーダーは、「環境や社会は、よくわからない」と言うことは「お金を扱えない」と同等になるでしょう。
それが、持続可能な経済社会システムへのパラダイム転換(Transforming our world)の意味です。

今までと扱う課題、取り組まないといけないことは同じでも、優先順位が違い、求められる本気度と成果が変わってくる。
そして、自分たちの利益中心の考え方から、多様なパートナーと環境・社会・経済の環境を整備する、
つまり「自分たちのフィールドを自分達で整え、守る」ことが欠かせなくなっていきます。

だからこそ、自社単体でSDGsを考える「SDGs人材」を超えて、多様な主体による「ソーシャル・プロジェクト」を生み出すことが大切です。
そして、その担い手には、20世紀の教育や人材論での優秀さとは違う資質が求められるでしょう。
その核となるのが、「持続可能性キー・コンピテンシー」だと考えています。(代表 広石)

*「持続可能性キー・コンピテンシー」について、エンパブリックのnoteに書いています。
 https://note.com/empublic/n/n0a779ca74cb5
 また、書籍制作に向けて考えたことの記事も掲載!
 (1)なぜこの本を僕は佐藤真久さんと書こうと思ったのか?
 (2)この本のタイトルはどのように決まったのか?
 (3)姉妹本はどんな内容?
 (4)持続可能性キー・コンピテンシーとは?
 https://note.com/empublic/m/m088546f9b5f1

*書籍は12月25日発売で、現在、empublic STOREでは予約割引販売中です。
 姉妹本セット割もあります!   https://empublic.stores.jp/items/5fc2575372eb4651b0750afc

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