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「つながり上手は助けられ上手」-広石コラムVol.31

高齢になる父が、近所のコミュニティセンターの朝の体操に通い始めて早一年が経ちます。コロナ対策を取りながら、ご近所の人たち少人数で行われているようです。マンション住まいになってからは特にご近所付き合いもなく、こういった場所に参加するタイプの父ではないと思い込んでいたので最初に知った時は意外!と思いましたが今では生活のルーティ―ンになっているようで、いつの間にかご近所に知り合いが増え、少し体調を崩してお休みしていた時には、どうしたんだろう?と体操仲間に気にかけていただいたり。身近でこういった地域の中でのつながり見て、こういうのってやっぱりいいよね。楽しいよね。と実感しました。そこで、地域のつながりや活動についてのきっかけづくりが書かれているコラムがあったなと思い、探し出しました!ご紹介します。(事務局新村)
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「地域の中でのつながり、助け合いが大切」と声にすることは簡単なのですが、実際に行おうとすると、とても難しいことです。

まず、隣の人、近所に住む人がどんな人か、わかりません。長く住んでいても、困った時に頼れる人なのか、どのような考えなのか、よくわからないですし、そもそも、顔もよく知らない人もいます。

「地震が来た時には、ご近所とつながっていた方がいい」とわかっていても、何から始めたらいいのでしょうか?突然、近所の家に行き、「あなたと私で、つながりませんか?」と声かけると、とても謎な存在になってしまいます。「迷惑な人」になってしまうかも。

人と人がつながる、困った時に助け合える人がいる、誰かが何かを始めるのを近くに住む人が応援する。そんな、ごく普通なことを行えるようになるには、今の時代、道筋が必要です。

僕たちが「文京ソーシャルイノベーション・プラットフォーム」で取り組んできたのは、このような関係を「地域の基盤」として根付かせることです。

地域の入り口であり、地域に出会う「対話」から始まり、思いを整理して周りに伝えることで仲間を増やす「アクション講座」、チームをつくり、多様な人と話し合うことで理解を深め、事業力を高める「活動支援」という3つのステージを組み合わせることで、「何か地域に役に立ちたい」と思う人が区内各地で活動を始める。その活動を通して地域の人が出会い、仲間が広がる。身近にモデルがあること、活動している人が「見える」ことで次の人が参加しやすくなる。

3年間で50以上の継続プロジェクトが地域から生まれることも大切ですが、その生まれるプロセスで「顔が見える」「助け合い方が根付く」ことを目指してきました。それらの取組を通して強く感じるのは、「助けてもらえる力」の大切さです。先ほど、「近所の人がどんな人かわからない」と書きました。逆に、自分も近所の人に「自分がどんな人か、何に困っているのか、何ができるか」伝えていないのです。

自分が活動を立ち上げたい。だから、人に伝えます。そして、自分だけではできないことがある。そんな時に、周りの人たちが助けてくれる。

そうやって、少しずつ「助けてもらえる力」を伸ばすことが、地域のつながりを生み、地域の起業を生み出す力を伸ばすことにつながるのです。

自分の実現したいことを相手の“得意なこと、上手にできること”で助けてもらう。それは、相手の出番をつくることになります。さらによく実現するため、「次に一緒にできること」を考え、実行する。だから仲間になれるのです。

私たちは、つい「助けられる」ことを避けてしまいがちです。
・「こんなことができないの?」と思われるのが恥ずかしい
・相手に迷惑をかけるのでは?時間をとらせてしまうのでは?
・断られたら、違うと言われたら、どうしよう?
・甘えている、弱い人間と思われるのでは?
・「自分は大丈夫」と思っていたい

これらは、自分に関心が向いています。これを、実現したいことがあるから、他の人の力が必要だ!と考え始めると、他の人に関心が向きます。

「助けられ上手」を増やすことが、地域につながりや起業を増やすことになる。そのためのプログラムを、お伝えしていきたいと考えています。
                         代表 広石拓司
                        (2016年12月2日記)ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
人との繋がりについて、コロナによって何か感覚が変わったというか、色々な事に気づいた人も多いのではないかなと勝手に思っています。。単独でいると気が楽だし面倒なことも少ないといった感覚が、実際に人に会えない状況になってみて初めて、「人と話したい、繋がりたい」と気付いた人、感覚が変わった人、いるのでは?と思います。そういう気付きがきっかけになって、素敵なつながりがたくさん増えていくと良いなと思います。(新村)

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