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エンパブリックが取り組む「福祉のまちづくり」~東京ホームタウンプロジェクト~

こんにちは!!「福祉からはじまる地域づくりで『しあわせ』&『さいわい』を!」
エンパブリックスタッフの萩元直樹です。
今回は、「福祉かぁ…」「まぁ大事だとは思うけど…」という方も、ぜひお気軽に読んでいただけます。


エンパブリックでは、東京都主催「東京ホームタウンプロジェクト」に長年携わってきました。

都内の地域づくりにおける「課題解決手法の共有」によって、各地域での「課題解決力の推進」を目指しています。
区市町村や社会福祉協議会、地域包括支援センターの方々の伴走支援をしてきました。

2022年度「課題解決力共有化プログラム」においては、小金井市、墨田区、福生市で取り組みました。
各地域で地域づくりに取り組む方々と一緒になって、課題解決力を共有するための「縦と横のつながりづくり」に努めました。
その総括イベントとして、2023年3月3日、4日に開催された「東京ホームタウン大学2023」では、小金井市、墨田区、福生市のご担当者の方々にご登壇いただきました。今回、小金井市での取組をピックアップして、ポイントを絞って紹介したいと思います。

ホームタウン大学のチラシ

▼【アーカイブ動画】分科会「地域づくりの鍵を握る、縦のつながり・横のつながり」


■小金井市「お金の管理に関する困り事」

2022年度のエントリー時に「高齢期のお金の管理について取り組みたい」と小金井市の第1層生活支援コーディネーター(※)の菊地原美和さんからお聞きし、エンパブリックスタッフ一同「なるほど!!!」と思いました。
というのも、お金の管理については、高齢期になると必ず問題となりますが、意外と誰に相談して良いか分からないと思います。友人関係でも家族関係でも夫婦関係でも、この問題について話題にするのは避けられていることも多いのではないでしょうか。
 
ですが、この問題はとても深刻です。取り返しがつかなくなって親族やまわりの方々が困る可能性もあります。
この問題に気づけたのは、やはり、地域住民と密接な関係を持っている第1層・第2層生活支援コーディネーターの皆さんのお力です。実際に、支援を求めて相談に来られたご遺族の存在も多くあったとのこと。
 取り返しがつかなくなる前に、未然に予防したいですよね。
 
そこで、「この問題を地域で考えよう」と生活支援コーディネーターから呼びかけました。
そうすると、もともと問題に直面していた地域の「金融機関」の方々が、強い関心を持って参加されました。
また、「地域住民」の方々も、困った経験の有無を問わず高い関心を持って、それぞれ話し合いの場に参加されました。
さらに、認定NPO法人サービスグラントより「プロボノワーカー」を募集したところ、「ちょうど考えたいテーマだった」「地域で取り組むのにおもしろそう」「仕事で得たスキルを活かしたい」と6名が集まりました。
そうして、約30名が、この問題のために初めて集まりました。複数回のワークショップを通じて、主体的な当事者意識も高まり、有意義な対話・議論が深まりました。まさに、潜在的な地域課題だと実感しました。

※生活支援コーディネーターとは?
生活支援コーディネーターは、活動エリアによって、第1層と第2層に分かれています。第1層は区市町村区域、第2層は日常生活圏域(中学校区域等)においてそれぞれの役割を担います。区市町村において生活支援・介護予防の体制整備が進められていますが、コーディネーターの配置状況や取組は異なっています。
主に、地域の支え合いを、充実・強化・推進する調整役として、行政・社会福祉協議会・地域包括支援センターなどの関係機関と連携し、地域で活動する住民や団体など多様な主体による取組と、地域のニーズとのコーディネート機能を担っています。


■成果物「カスタマージャーニー」

この問題を解決するためにはどのような課題があるか、ワークショップで話し合ったり、プロボノワーカーによる調査などが行われました。
お金に関する困り事を未然に予防する。
そのためには、啓発が必要です。具体的には、啓発物と啓発活動です。
 
そこで、プロボノワーカーの皆さんが今後の啓発活動の指標となる「カスタマージャーニー」をまとめ上げました。啓発の対象者にどのような人がいて、どのように認知し、興味・関心を抱き、行動してもらえるのかという動き(流れ)です。
職員や地域住民、金融機関の皆さんとのワークショップを通じて共に考えた成果物。
これによって、「お金の管理について知らない状態」から「お金の管理の準備を開始する」までに取るべき様々な啓発の打ち手を考えることができました。

■成果物「パンフレット」とその活用方法

ワークショップを通して、パンフレットの内容を検討して案が作られました。
本noteでは公開できませんが、2023年度に小金井市役所にて印刷・配布されます。
しかし、「単に印刷・配布しただけでは、必要な人に情報が届かない!」という思いが、ワークショップ参加者全体にありました。
そこで、カスタマージャーニーを基にしながら、「自分たちができること」について、それぞれが主体的に案を考えました。

小金井市の生活支援コーディネーターの皆さんもそうです。
啓発活動第一弾として、地域サロンにて、「高齢期のお金の管理」についての朗読劇が実施されました。

概要と生活支援コーディネーターの方によるオリジナルの脚本は、下記のリンクからご覧いただけます。

オリジナル朗読劇「さちどんどん」〜先はワクワクしたいよね〜 
⇒ 概要紹介「一緒に考えよう!」高齢期のお金の管理https://hometown.metro.tokyo.jp/_wp/wp-content/uploads/2023/03/sachidon_syoukai.pdf
 ⇒「さちどんどん」シナリオ
https://hometown.metro.tokyo.jp/_wp/wp-content/uploads/2023/03/sachidon_scenarioVer.1.6.pdf

「えっ!劇!?」とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、ぜひ、上記リンクをご覧ください。ワークショップでの話し合いや日頃の相談業務の中での経験がとても活きた内容になっています。

また、生活支援コーディネーターと地域住民出演による啓発用動画も撮影・編集しました。実際に、「お元気サミット・介護みらいフェス」という大きなイベントの中で、この動画を観たあとに対話するグループワークを行い、今から準備すべきことなどを参加者の方と考えました。

「お元気サミット・介護みらいフェス」

こういった啓発活動が、ワークショップに参加された皆さんによって主体的に考えられています。パンフレットも皆さんで作り上げた成果物ですが、それを活用するための活動が大事だという意識です。
また、こういった問題・課題について、いっしょになって考え合い、取り組むことのできる地域の関係性が、何よりの成果とも言えます。
2023年度より小金井市において活動が広がっていくことを楽しみにしております。

■エンパブリックと共に取り組みませんか?

2022年度、エンパブリックでは、東京ホームタウンプロジェクトおいて、このような伴走支援を行ってきました。
みんなが主体的にまちの福(しあわせ)・祉(さいわい)を考える福祉のまちづくり活動って、本当に素晴らしいと思います!!
あなたのまちでも、きっとみんなで考え合ったりアクションしたい潜在的な課題があるはずです。ぜひ、エンパブリックと共に取り組みませんか?
2023年度の東京ホームタウンプロジェクトも、東京都福祉保健局・認定NPO法人サービスグラント・エンパブリックの体制で準備中です。また、お知らせいたします。

■東京ホームタウン大学2023のアーカイブ

「東京ホームタウン大学2023」はオンライン開催されました。アーカイブの動画や資料が、こちらのサイトにまとまっています。ぜひ、ご覧ください。

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