見出し画像

「今、仕事づくりにもとめられることとは?」広石コラムVol.41

私がエンパブリックで仕事をするようになり学んだことの中に、何か問題が起きた時に前向きに、根本から解決しようという姿勢が備わったということがあります。人間なので一旦悩むには悩みますが、さてと!解決するには?と切り替えると、見えてくるものがあるのですよね。今の世の中を見ていると、到底意味があってそのままにされていると思えない困ったそのままを多く感じます。そんな色々な事を考えている人にぜひ読んでもらいたいコラムです!(事務局 新村)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
9月6日の厚生労働省の発表によると、5月時点の生活保護の受給者が203万1587人と増加傾向が続いており、今後、東日本大震災の被災者の失業給付が切れる秋以降、さらに増える可能性があるそうです。急増の背景には、受給者の約4割を占める高齢者世帯の増加があります。同時に、障がい者、母子、父子をのぞく、その他世帯も約17%を占めています。厳しい経済社会環境の中で、困難な状況の生活を支える生活保護の重要性と同時に、現在の財政状況のなかで約3兆円の財政負担のあり方も、大きな問題となっていくでしょう。

社会起業について福祉との違いを説明する際、たとえとして、「湖のそばで飢えている子どもに食べ物を与えるのではなく、魚の釣り方を教える」というのがあります。さらに、釣った魚を市場に出せるようにするということも。ただ、魚釣りを学ぶためには、先ず食べ物をもらう必要があります。同時に、湖や実のなる森などを探したり、畑を耕したりする時間を支える必要があります。その意味で、短期的には「食べ物を与える」福祉的な対応が大切で、そこから魚釣り、魚の加工・販売へとステップアップしていく必要があると思われます。

その意味で、今、就労支援、仕事づくりへの取組みの緊急度・重要度は、とても高いものとなっています。

ただ、現代において、雇用対策において、仕事を用意して賃金を払えばいい、賃金を払う仕事を用意する会社・組織にお金を補助したらいいという経済面中心の発想で行うのには、大きな課題があると思われます。

今、公的な資金をつかって生活を支援する、仕事を用意するとは、その人にとって地域や国にとって、この国で生きることにとって、どのような意味があるのか、改めて多面的に、深く考えていく必要があると思われます。 

マイケル・サンデル教授の「公共哲学」(ちくま学芸文庫)に、J・F・ケネディの次のような言葉が紹介されています。

「同胞意識、コミュニティ、共有された愛国心--アメリカ文化のこうした本質的価値は、一緒に商品を購入したり消費するだけでは生まれない。それは個人の独立と個々の努力に関する共有された意識から生まれるのだ」。貧困の解決策は政府が支払う保証所得ではなく、「適正な賃金でのきちんとした雇用であり、コミュニティ、家族、国、また何より重要なのは自分自身に対し、こう言えるようにする雇用である。『私はこの国の建設に貢献している。私は偉大な公の事業に加わっている』と」。

今、公的につくっていくべき仕事とは何か?雇用創出、就労支援を通して、どのような地域や国をつくるのか?その仕事への人々の参画を促すためには何をすべきか?その実現のために、どのようなコミュニケーションが求められるのか?

ぜひ、みなさんと共に考え、つくっていきたいと思っています。
                         代表 広石拓司
                        (2011年9月8日記 ) 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今回のコラムでは雇用の話がメインですが、日常に当てはまることも沢山あると思います。何か困っている人がいて、それが私にできる事であれば、次にその人が同じ場面に出くわしても解決できる状況まで導けるように、その時間を惜しまない自分でいたいと思いました。冒頭に書いた、世の中の困った「そのまま」は、私たちも「そのまま」にしている一人という自覚をもって、できることから始めることが大切だなと思いました。(新村)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?