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楽観的に!―広石コラムVol.7

変化が激しく先行きの見えない状況の中、メディア等の情報にも振り回されがちですが、正確な情報を得ようとすることも大切ですが、それよりも自分自身のするべき事、考えるべき事のヒントがこのコラムにあり、それぞれの自分の中にある考えが整理されるのではないかなぁと思います。
                          (事務局 新村)

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「目の前のことに集中することが大切」と言われます。過去や先のことばかりを考えずに、今、目の前でできることをしよう、と。

ただし、他の多くのことと同様に、この言葉も文脈によって意味は変わってきます。

一つは、先の見通せない不安から目を背けるため、目の前という“確かな”ものを追いかけようという場合です。「会社の先行きは不安だけど、目の前の自分の仕事を頑張って今期を目標達成しよう」というように。目の前のことが“確か”だと思えるのは、それが過去からつながっているからでしょう。安心感を得るために確かなものに頼ろうとすればするほど、心は閉じてしまいがちです。その結果、状況の変化に受け身となり、成り行きにふりまわされてしまいがちです。

もう一つは、うまくいかない、先が見えないからこそ、今の自分を信じて、次への一歩を踏み出そうという場合です。以前、サッカーのジーコのインタビュー記事で次のような趣旨の発言を読みました。「日本の選手は1点取られた途端に下を向いてしまう。なぜか」点を取られるという失敗をした。ゲームプランは崩れたかもしれない。しかし、残り時間はある。なら、目の前のプレイに集中して取り返せばいいではないか。

アランの『幸福論』に次のような言葉があります。「悲観主義は気分のものであり、楽観主義は意思のものである。およそ成り行きにまかせる人間は、気分が滅入りがちなものだ」

変化が激しく、うまくいかないことも多い。先行きも見えないし、未来に対してなんとなく不安だ。そんな時に、過去にすがるのでも、「こうなってほしい」という願望に頼るのでもなく、今、自分は何を持ち何ができて、何を持たず何ができないのか、現実を直視する。そこから、少しでも良い未来を得るために、自分ではできないことは他者の力も借りる。他者の力を借りつつ、今できることで動いてみて、以前とは違うことが生じたなら、そこからどんどん学び、自分の「あり方」を定める。そうすることで、前よりも自信を持って状況や変化に向き合えるようになる。

自分への信頼に裏打ちされた、楽観的な「目の前の、今できることをする」。今の時代のサステナビリティには、この意味が込められています。環境も、経済も、地域も、このままではうまくいかないと思わされることが多い状況です。そんな中で何が本当に持続可能なのか答を探しても、正解は見つかりません。
なぜなら持続可能かどうか答が出るのは、もう持続できないと明確になった時だけだからです。今の現実を受けとめ、不確かな中だからこそ、これまでの確かさに頼らずに、未来に向けて、今、自分に何ができると信じられるのか。楽観的に! ともに一歩を踏み出していきましょう。
                      エンパブリック代表 広石
                        (2019年6月20日記)
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このコラムを読んで、私自身、自分について考える作業を改めてしてみようと思いました。
色々訪れる出来事と自分とがうまくリンクできるような意識を持って過ごしていけたら、より良い状況が生まれてくると思います。(新村)

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