見出し画像

太閤の太公望選手権

豊臣秀吉は人たらし。
みんなが彼の創る世界を夢見て、ついていく。
特段、大名のように財力、権威があるわけでもないのに。

彼にとってはの太公望は誰なのか。
「太閤の太公望選手権」スタートです。

秀吉「いやー、悪いねお前たち。今日は集まってもらって。」

小六「なんで藤吉郎が死んで400年後にこんな話し合いをしなきゃいけねーんだよ。」

秀吉「まぁみんな儂の話が現代でも好きなのじゃろう。なんせぱんぴーから
成り上がった男じゃからのう。上様みたいに守護代の一族って訳じゃなかったしな。」

小六「まぁそうだけどよ。」

秀吉「とりあえず儂のその人気にあやかって、儂の太公望は誰だと言うのを決めろとのことじゃ。まずは皆自己紹介せぇ。」

小六「おう。俺の名は蜂須賀小六。秀吉がさるの頃からの知り合いだ。まぁコイツが成り上がるきっかけとなった墨俣一夜城は俺たち野盗がいなけりゃできてないだろうから、俺が太公望だろ。」

半兵衛「竹中重治。通称半兵衛です。今孔明と呼ばれるほどに活躍したのは私です。秀吉殿の志半ばで伴できず死にました。それだけが心残りです。
確か、太公望同様に秀吉様に死ぬまで忠節を全うしたのは確か私だけ・・」

官兵衛「ギクッ」

官兵衛「ごほん。拙者は黒田官兵衛。元は小寺に仕え、ひいては秀吉殿に仕えました。上様が本能寺に身罷られた時背中を押したのは私です。特に本能寺の変以降の秀吉殿の躍進は私が支えたといっても良いでしょう。」

小六「おい、半兵衛。お前さっき死ぬまで忠節全うしたのは私だけって言ったよな。俺も死ぬまで秀吉と一緒に天下を夢見てたぜ。」

半兵衛「家政殿はあっさりと東軍についていましたが。」

小六「だ、だからそれは倅の話だろ。論点すり替えるなよ。半兵衛の息子だって関ケ原で裏切っているだろ。」

半兵衛「まぁまぁ」

小六「流すなや。てか、この話は官兵衛。お前は確実に生存して関ケ原で裏切っているよな。」

官兵衛「なんと恐れ多い。私は九州の平定を成し、その後秀頼様のために狸を討とうとしたのよ。よもや1日で天下分け目の決戦が終わると思うまい。それで裏切り者だなどと。」

秀吉「皆それぞれの立場で頑張っていたんだよな。儂にはわかるぞ。」

半兵衛「(さすが生涯仕えると決めた秀吉殿・・・!)」

半兵衛「関ケ原での話は不問にしましょう。官兵衛殿。上様が本能寺にて倒れた時のあの発言、あの切り替えの速さは私は感服いたしました。秀吉殿のためを思えばのお言葉であったと存じます。どこから上様の情報を仕入れたのですか?」

官兵衛「・・常に乱破を放っている故な。情報こそ軍師には必要なものだ。故にいち早く本能寺の一件を掴んだ。ぐずつけば毛利にもこの情報は流れ、逆に一気呵成に攻められるやもしれぬ。それを思い少しさいこぱすになってでも秀吉殿に檄を入れたまで。」

半兵衛「・・そうでしたか。」

半兵衛 「あなたがもし光秀殿をそそのかしてたらということはございませぬな?その手紙なんてのもないですよね?」

官兵衛 「無論じゃ」

小六 「そいや当時官兵衛の陣中いったらすごい手紙書いてた気がするな。秀吉から信頼されてるから外交文書かと思ってたぜ。上杉、北条とかに書いていたんだっけな。」

秀吉 「はて、そんなこと頼んでなかったがのう。なぁぜなぁぜじゃ?
だが詮索するのは辞めよう。仮に上様を殺したことに参画していても、恨みはせぬ。官兵衛も、半兵衛も、小六も、その立場立場で必死に考えてくれていたんじゃろ?じゃから無しじゃ!詮索は!皆が太公望でよかろう!」

官兵衛「・・・(良かった)」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
豊臣秀吉。
サクセスストーリーでは今太閤の田中角栄と同レベルの
成り上がりをした人物であると思います。
この2人に共通するのは人を大切にしたこと。
仕組み化が今の流行りだなと思いますが、
やっぱ人たるもの人間関係を円滑にするのは大切ですよね。
ささいな出会いでも後に「あの時の〇〇さんですよね!」と言われるのと、
「誰ですっけ。」と言われるのでは心象が全然違いますね。
そういったことをひたむきに継続した感じでしょうか。
でもその積み重ねなんですよね。
この人に力を貸したいって思ってくれる人を増やしていくには。
まぁ、とにかく人生「人と人」大切だなと思った日でした。

歴史の学びに疲れたら、あえて架空を学んで下さい。
たぶん箸休めになると思うよ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?