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どうぶつ会議2024


相変わらず戦争を繰り返す人間にどうにかしてもらうにはどうすればいいのか、世界中の動物たちが集まって会議をしていました。
 
朝に始まった会議は、お昼ご飯をはさんで夕方になっても終わらないのでそろそろみんな疲れてきました。
 
ねむそうな顔をした牛のモー太郎がぶっきらぼうに言いました。
「もーさ、これ無理なんじゃね?絶対やめないもん。好きでやってるとしか考えられないよ。」
 
それを聞いたビーバーのデバの助は持ってきた木の棒を前歯で削りながら言いました。
「いやいや。それを言っちゃあおしめぇだよ。人間だって【ひとはなぜ戦争をするのか】を話し合ったり、【永遠平和のために】何をすればいいのか考えたりもしてるしさ。」
 
モー太郎は口をもぐもぐさせて言い返します。
「全部失敗してんじゃん。」
 
「じゃ、どうするよ?」
 
それを聞いていたシマウマのシマ子が言いました。
「昔は人間の子供を人質にとって戦争をやめるって約束をさせたこともあったけどさ、近頃は子供がいない人間が多くなっちゃったからその手も使えないわね。」
 
ちょこちょこと動き回るのが大好きなハリネズミのトゲまるが思いつきました。
「世界中の人が集まる運動会を開いてその間は一回戦争をやめてよーく考てみるってのはどうかな?」
 
「それ、オリンピックで失敗してるし。あんなのいつのまにかただの商業イベントになってるし。」
 
次に提案したのはキツネのコンちゃんです。
「戦争をやめるように人間の会議で決めてもらうってのは?」
 
「国連で失敗してるよ。だれも言うことをきかないもん。」
 
象のパオ爺が困り果てた顔で言いました。
「まったくこまったもんじゃのう。なにか良い方法がないかのう?」
 
「そうだ!」
急に大声を出したのは熊の金太郎です。
「ものすごい爆弾を作って人間のいるところを全部攻撃すればいいんだ!」
 
それを聞いたリスのジッパーが言いました。
「人間みたいなこと言ってんじゃねぇぞ!」
 
熊の金太郎はすっかり背中を丸めて小さな声で「そりゃそうだ」と言いましたとさ。


僕たちはまだダンスを踊ったことがない

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