パンがなければ、イモを食おうよ

「パンがないなら、お菓子を食べればいいんじゃない?」
この名セリフ。
マリー・アントワネットのセリフと言われる前には、ルイ14世の娘アデライード内親王が。
それ以前にはルイ13世の王妃アンヌ・ドートリッシュが言ったとされています。
本当は誰のものかは不明ですが。
常套句として使いたくなるのも無理はない出来ばえとでも申しましょうか。
民衆の社会に目の届かない、暗愚な王族の女のセリフとして、実に良くできていて感心します。

日本では、
「貧乏人はムギを食って死ね」
という名セリフを吐いた政治家もおりましたが。
フランス革命は小麦が不作続きだったから起こったのだという、そういう定説でございますよね。
今日食べるパンもなく、苦しんでいる民衆をよそに、税金でご馳走を食べてる特権階級が憎い!
という動機。
そりゃあ、もう、世の中に食べ物の恨みほど怖いものはございません。
革命のひとつやふたつ、起こって当然なのでしょう。
が。
実は、自分、大きな声では言えないんですが、ずっと疑問だったのですよ。
冷夏続きの不作で、パンがないのは分かった。
でも、だったら、どうしてイモを食べなかったの(๑• - •`๑)?
イモじゃなくても、ほかに食べられる雑穀がなかったのかしらん?
・・・みたいな。

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