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【06】札幌キタラホール

【06】札幌キタラホール、大好きなホールの一つ。360度客席に囲まれていて、音がどこまでも伸びていく。1分でも多く演奏したいと思えるホールだ。クローズのコンサート3回。ながらく、会場で大きな声で叫んだり、客席を練り歩いたりすることができなかったので、なんの制限もなくコンサートができることが、本当に嬉しい。この日、この場所で、集うリアルな体験は何にも変え難い。楽屋がひとりひとつの小部屋だった。本番までの待ち時間に、音を届けることの責任について考えていた。ことばで伝えなくても聴けばわかるは、限定的であって、やっぱり、演奏をつくるのに言葉は必要だ。演奏するときだけではなく、われわれは、演奏すると生活が地続きなわけだから、リハーサルのコミュニケーションが一番大事だ。前に進むことしかできない音楽は、一瞬の判断の連続で、できている。私だけではなくて、相手の判断も含まれる。その奇跡的な判断の連続に敏感でいたいけど、疲れていると、目の前に起きていることすら感じることができない。後々不安になる。この不安を埋めてくれるのは対話と、対話できる余裕だ。自分の反省も込めて。

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