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12日曜日はおばあちゃんの家に

小学生のときは、二週間に一度、日曜日に必ず祖父母の家に夜ご飯を食べにいっていた。お祖父母の家は東京の金町にあって、平屋の古い集合住宅だった。木の玄関をノックするといつも暖かく迎えてくれた。

おばあちゃんはよく喋る人だったが、おじいちゃんは寡黙な人だった。おじいちゃんは私がお家に遊びにいくと、いつも笑点と相撲を見ていた。

小さいころ、家に置いてありキョンシーの動くおもちゃと、うさぎのぬいぐるみそして、小さな人形用の帽子で遊んだ記憶がある。おじいちゃんに遊ぼうと、声をかけて、人形用の帽子をおじいちゃんに被せて、旅ごっこをした。おじいちゃんは、洗濯カゴに私を入れて、ビュンビュンと、飛行機のように飛ばしてくれた。あの時、きゃっきゃ言いながら、ごっこ遊びに没頭するのがとても楽しかった。
 
それから、毎年大鳥神社で熊手を買うついでに、あめを買ってもらえるのが楽しみだった。なんとなく、今でもそれがないと、調子が狂うので、大鳥神社に行くようにしている。おばあちゃんは料理が上手で編み物が得意だった。私の母はフィリピン人なので、日本の家庭料理の味を知らなかった。おばあちゃんが丁寧に母に料理を教えていたのを今でも覚えている。

かぼちゃの煮物の味、ポテトサラダの味、むつの煮付け、すいとん、全部おばあちゃんの味だ。今でも、ストーブの上で、顔を真っ赤にしながら、焼き餅が焼けるのを待っていると、おばあちゃんの料理の香りが蘇るような気がする。いつも別れ際に、車の中からバイバイするとおばあちゃんは手を握ってくれた。その時の、冷たいおばあちゃんの手の感触が、なんだか懐かしい。そうだ、おばあちゃんの形見にもらった。

鍵あみ棒のセット結局何も作れないまましまってある。何か作ってみようかな。

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