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【10】懐かしのホール

【10】懐かしのホール
地元で本番。かつて高校生だったとき、何度か訪れたホール。場所と名前が一致していなくて、まさか思い出の場所だと思っていなかった。神奈川から来てくれた、本番の相方と一緒に、千葉駅からバスに乗り、県庁、千葉城、千葉寺を通過、千葉のお弁当は、千より大きく万葉軒、高校生のときに見つけた、文字の大きさに、メニューの自信度が現れている、素直すぎる看板の解説をしていたら最寄についた。バスを降りてようやく、場所と名前が一致した。ホールは大きな公園の中にある。空き時間、公園を散歩した。パルテノン宮殿みたいな広場と噴水、見覚えのある群衆の彫刻を見つけて、当時の記憶がぶわあっと蘇ってきた。吹奏楽コンクール、セミが鳴く夏の夕方、嬉し涙や悔し涙が、噴水の水しぶきと一緒に光っていた。それぞれの青春がそこに詰まっていた。真っ直ぐすぎて、狂気じみていたけど、よい思い出だ。いいじゃん熱狂して信じられるって。そう思いながら、懐かしい気持ちと、森の空気と一緒に吸い込んで、パフォーマンスに還元した。帰り道、いつかみた、おんなじような夕日、広場の噴水は枯れていたけど、私はちょっとだけ満たされた。

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