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【09】あるもの探し

【09】日帰りで地方の小学校の先生60人と音楽づくりをしてきた。いわゆる教育研究会というやつに呼ばれた。音楽づくりをするとき、ちょっとした枠組みを提示するが基本的には参加者にお任せする。様子を見ていると地域性や、その人たちの関係性がだんだん見えてくる。村のノリ的なものがだんだん出てきて、東京からきた私にはわからない共通の掛け声であったり、リズムが出てくる。そしてだんだ言葉の訛りも強くなる。ますます介入できなくなって面白い。ちょっとした構成の手助けはするけれどもほとんど何も手を貸す必要がないと思っている。先生たちの中から勝手に染みついた音楽は出てくるし、それが形になる。夢中になっているうちに、研修だということを忘れて、子どもに戻る。まるで村の宴会のような場になった。そのノリをみて私は、そうだよこれ!これが大事なんだよと心の中でガッツポーズした。音楽づくりの終盤では、みんな勝手にステージにあがり出して、最高に盛り上がった。みんなニコニコして帰っていった。芸術だとかなんとかいう前に、自分たちの中にある文化や音楽はずっと守ってほしいと思った。先生たちに元気をもらった。

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