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文字で復讐? 「ハンチバック」
小学生に読書感想文を書かせる大人にボディブロー
こんにちは、月曜日の図書館です。
感想文を評価するなんてセンスなくないすか。
書かなきゃいけないプレッシャーで全然読み進められない「赤毛のアン」。
無理やり感想文を書き提出するも、頭のいい友達が県の偉い人の賞を取るのを見て消える自己肯定感。
ただ、本を読むことが義務教育だとするならば
紙の本はまったくバリアフリーではないんだよねって殴られる
それが「ハンチバック」だった。
ざっくりあらすじ
背骨がゆがむ重い障害を患っている釈華は、両親が遺した遺産とグループホームでこたつ記事を書きながら通信制の大学に通う大学生。
誰も見ていないような弱小SNSに赤裸々な書き込みをしていたが、アカウントが介護職員の男性に見つかってしまい・・・
芥川賞受賞作品であるが、本当に大丈夫なのかという語彙力を失うほどの書き出し。
冒頭から「私は何を読まされているんだ?」と思わず読んでいる本を確認しなおした。
96ページの短い小説なのだが、あまりにも重い96ページを読んだ後は
言い訳もできないのでありのままを書くと
動けない障がい者だから世間のことなど何も知らないであろう、という自分の中の偏見が炙り出された小説だった。
紙の本が健常者にとって当たり前すぎる存在で
本を持つ、めくる、読むという行為自体がノンバリアフリーであるという健常者への一撃。
『ハンチバック』で復讐をするつもりでした。
著者の市川氏が芥川賞の授章式で言ったそうだ。
偏見なんてないよ私の周りにも障がいを持った人はいるし
と思っている人に読んでほしい
今でもじわじわとボディブローがきいているから
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