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小説『四月になれば彼女は』

頭良くなりたい!という安直な考えから突如到来した読書ブーム。自分で興味が湧きそうなのを探すのも良いが、取り敢えずは人のオススメを読み漁ろうじゃあないか。

そんなこんなで「四月になれば彼女は」を読んだ。以下あらすじ。

4月、はじめて付き合った彼女から手紙が届いた。
そのとき僕は結婚を決めていた。愛しているのかわからない人と――。
天空の鏡・ウユニ塩湖にある塩のホテルで書かれたそれには、恋の瑞々しいはじまりとともに、二人が付き合っていた頃の記憶が綴られていた。
ある事件をきっかけに別れてしまった彼女は、なぜ今になって手紙を書いてきたのか。時を同じくして、1年後に結婚をひかえている婚約者、彼女の妹、職場の同僚の恋模様にも、劇的な変化がおとずれる。
愛している、愛されている。そのことを確認したいと切実に願う。けれどなぜ、恋も愛も、やがては過ぎ去っていってしまうのか――。
失った恋に翻弄される12カ月がはじまる。
胸をえぐられる、切なさが溢れだす
『世界から猫が消えたなら』『億男』の著者、2年ぶりの最新刊
あのときのわたしには、自分よりも大切な人がいた。それが、永遠に続くものだと信じていた。

勧めてくれた人がこれを読んでみての感想は「恋愛したくなくなる」だったそう。

私はそれを踏まえた上で読み進める。ううん、言ってること、分からなくもない。いつもよりも読むペースが上がる。次から次へとページを繰り、あっという間に読み終わってしまった。

私がこれを読んでの感想は「ちょっと羨ましくもある」だ。藤代は弥生と結婚することに対して、本当にこれでいいのか?と頭を悩ませていた。けど、熱くも冷たくもない、ぬるま湯のように心地良く続く関係性って良くないだろうか?少なくとも私はそれを羨ましく思う。(人の手紙を勝手に読んでしまう弥生の行動にはちょ、あかんやろ!と思ったが)

よく、燃えるような恋がしたいとか、遊べるのは今のうちとか言う人がいる。すまんがそんな体力なんてないし、私は心底穏やかな余生を過ごしたいと願っている。

正直大切なものを失うことは辛い。想いを伝えることが惨劇の始まりにも見える。それでも人間は、生涯同じことを繰り返して生きていく。無意識のうちに、人は人に期待をしているらしい。

恋とは、愛とは?哲学チックで終始考えさせられた。一見冷たく見えるが、でもどこかあたたかい、そんな作品だった。勧めてくれた人に私の想いを、いや、まずは本の感想を伝えようと思う。


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