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ここではない。でも。

私は山に住んでいる。
登山が好きなことから縁あって山暮らしを始めて、早くも6年。
一人暮らし歴は長いし、
引っ越しも数多く(10回?)経験してきたものの、
一軒家は初めて。

見知らぬ狭い地域社会での一軒家一人暮らしは、
今振り返ってもよくがんばったと思う。
いかに自分が何もできないか、
いかに世間知らずか、
いかに人の目が気になってしまうかなど、
知らなかった自分を知った。

見知らぬとは言っても、生まれ故郷からはそんなに遠くない場所。
つまり、文化とか方言とかしきたりとか、
大きな括りの土地勘とかはあるのに、
それでもこんなに戸惑うものなんだなぁと。
だから、まるっきり未知の土地で田舎暮らしをしてる人は本当に尊敬する。
あ、でも、なんとなくわかってしまうからこそ、
地域のしきたりとか変に知らんぷりできない、
合わせなきゃと必要以上に思ってしまう所もあるかもしれないけど。

とにかく、だいたい山暮らし慣れてきた。
わかってきた。
良いところもイマイチなところも、
都合良いところも不便なところも。
愛着も湧いてる。
親切な人もいっぱい、あちらこちらに知り合いもいて安心する。
好きだな、とも思う。
でも。
もういいかなぁと思う自分がいる。
違うなぁ、ずっとここにいたいわけじゃないなぁと思う自分がいる。

最近は、休みはだいたい山を離れている。
休みに山にいるのあんまり好きじゃない。
いくつか理由はあるけど、
例えば、近所で事務職していることもあって
休みの日には会社の人に会いたくないなぁとか。
家自体は嫌いじゃないけど、なんか落ち着かない。
周囲の音が気になったり。
車の音(振動もある)、川の音(激流)、
足音(家の横に小道がある)、動物の音(屋根裏に遊びに来る…)。
山だからと言って静かとは限らない!
まぁやっぱり何より、地域の目が今でも気になるのが1番ある。
なんだろ、好奇の目?ヨソモノへの視線?プレッシャー?
考え過ぎかもしれないそういうのを、気にせずにはいられない私がいる。
まぁ、コンビニもATMも何もないから、
休みに買い出しがてら出かける必要もあるんだけど。

でも、本格的には、なかなか地域から抜けられない。
これまた私の性格。気にし過ぎてしまって。
一度住み始めて地域に入ったら、抜けにくいなと思ってしまう。
地域活動とか強制的に加わらなきゃいけない現状たし、
人口減少の地域を見捨てる感が。。
地域活動は当初は郷に入るのがんばってたし、そんなに嫌でもなく、
むしろ割と楽しんでたし機会がありがたかったけど。
ここの生活に慣れてきた今は、いろんな関わりが億劫。
あれこれ詮索されたり、
噂話とか知らなくて良いこと知ってグッタリしたり。
長くなると当番やら役員やらのお声もかかるし(若い人少ない)。

ただ、もちろん私にもメリットがある。
だから離れられないというのはある。
ます仕事が近所ということは大きくて、通勤とか楽。
まぁ、待遇も良い。給料というより待遇が。
山にも関わらず、他所のいろんな人と関わりがあるし、
山によくある閉鎖的ではない仕事。ある意味。
仕事内容にも学びはある。
良くはないが、悪くはない仕事。
しかもこの仕事に就けたのは、山に住んでいたから、住んでいるからこそ。
地域の人のおかげではある。

でも。
間もなく今の仕事は終了。
が、その後も引き続き山で同様の仕事にはつけそう。
それで良いのかなぁ。。
そもそも自分のキャリア面で自問自答してるけど、
キャリア面はまた別の機会に。
今回は住む場所を論点にするとして。
違うな、嫌だなと思ってるくせに、山に住み続けるので良いのか、、?
良くも悪くも離れにくいんだけど、
それでも離れたいならどうやって離れるのか?
離れたとして、どこで暮らしたいのか?

振り子のように、気持ちが行ったり来たりする今日この頃。

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