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子育て中のイライラは、上手に利用しよう

わたしは、日々の臨床の中で数々の親子と接するのですが、親御さんの態度に余裕がない状態というのはほんとによくあります。

わたしの前でも子どもを強めに叱責し、素直に「子育てがつらすぎます」って打ち明けてくれるお母さん。
そして、最初はなかなかわたしにすら愚痴をはけなかったけど、信頼関係ができていく中で少しずつ、「こんなこと言っちゃだめだと思うんですけど、こんなにかわいいのに、子どもにイライラしちゃうときがあります……」って話してくれるお母さん。

親は、子どもよりも精神年齢が上であるべきですし、自分が感じた怒りをそのまま表出するのは幼稚な振る舞いである、と思えば思うほど、「子どもには怒っちゃだめだ、イラついても自分の心を鎮めなければ……」と努力することになります。

みなさんほんとに、自分の中の「怒り」とものすごく戦っていらっしゃいます。

怒りは、どちらかというとネガティブイメージかもしれない感情ですが、実はうまく使うと役に立つ部分もあるんですよね。毎日毎日イライラしてしまってしんどい。ていう方は、よかったらちょっと読んでみてください。


怒りは原動力になる

子どもが言うことを聞かない、じっとしていない、ダメと言っても悪いことをする、言い返してくる口調が気に入らない、約束を破る、自分が食べると言ったから作ったのにご飯を食べない……。

育児をしていると、怒りを感じるポイントはいくつもあります。

で、やっぱみなさんお悩みなのが「怒ると疲れる」ってことなんですよね。消耗が激しいんです。だから、日常的に怒ってると、「もうほんまいやや」ってなります。

東洋医学的にいえば、怒りは物事を発生させる力です。

たとえばめっちゃむかつくことがあった時って、「聞いてや!」みたいなかんじでぶわーっと長文ツイートしてしまったり、なんならブログにしたり、めちゃくちゃ部屋の片づけしたり、なにかしら動いてしまいませんか?

怒りは原動力になります。だからこそ、「怒ったらあかん」と自分を無理に鎮めなくてもいいので、そのエネルギーを何らかの行動に転換するほうが賢いんですね。

なので、やらなあかんことがあるのにぜんぜんやる気でーへん~~みたいなことがあったとして、そこに怒りが発生すると、「もうほんま腹立つからアレに手つけるわ!!ムキ-」みたいなかんじだと、もしかしたらスムーズに作業できるかもしれません。

ここで、怒りの対象となった相手を感情のままにフルボッコしてしまうことも、人間らしくて良いと思うのですが(暴力はあかんで)、これには危険性も伴います。子ども相手だと、勝つとわかっている相手へのパワープレイなので、なるべく避けたいところ。

怒りを感じたら、素直にムカッとすることには抗えません。
そしてそこからどんな行動をとるかは、選べます。

怒りを短絡的にぶつけている、と感じるシーンが続いているなら、少しお疲れモードなのかもしれませんね。できればちょっとその人と距離を置いて、視野を思いっきりせまくして、自分が楽しいと思う事だけをできるといいですよね。


怒りを転換するコツ

怒りはものすごく強いエネルギーをもっているから、なにかに転換させたほうが賢い、と書きました。では具体的にはどうすれば転換できるのでしょう。

基本的には、怒りを、なにか別のものに変えて身体の外に出す必要があります。身体の中にうまれたものは、急になくなるわけがありません。消滅させられないのなら、転換して、発散させるのです。

いちばんいいのが、運動。身体を動かすと、怒りはどこかにいきます。
心地よい疲労と爽快感が自分をつつみ、シャワーでもあびればもう完璧。気持ちも明るくなります。

あとは、やはりなんらかの表現です。歌う、文章を書く、話す、絵を描く、なんでも。自分の中にある想いを、カタチを変えて表現して発信する。この、自分を突き動かすエネルギー源として怒りを利用するかんじです。

わたしの好きな本の中に、「わたしは怒りを原動力にしてこれを書いている」という一節が出てくるのですが、本当にまさにその通りで、怒るからこそ、人が動ける場面はたくさんあります。

親は子どもに怒らない方がいいとかいう意見もありますが、そもそも怒ること自体は全然いいんですよね。その怒りをストレートに子どもにぶつけまくるのが果たしてどうなんかってことであって、怒りを利用して自分がなにか行動できるなら、それはいいことなんです。

こう考えると、怒りがきっかけで物事がすすむことが多いなぁ、なんて感じるので、けっこう便利な場面もあるのかもしれません。


怒りを上手に吐き出そう

この記事で一番言いたいことは、「怒りを無理に抑えようとか鎮めようとかしなくていいよ」ってことです。だいたいそうできない人が苦しんでいるから。怒りを我慢できなくたって、いいです。怒っていいです。

ただ、どこで吐き出すかはやっぱり大事で。目の前の人にそのままぶつけてたら、やっぱりケンカになっちゃうし、日常的に怒りを表明していると、相手との関係も悪くなります。

「ちょっと聞いてーや!」というお話をするところ、という存在が大事です。

思うに、子育てって、愚痴がでまくりますよね。子どものことだけじゃなくて、時には夫のこととか、姑のこととか、お金のこととか、実家家族のこととかいろいろ。そういうときに、どこか、言えるところがありますか?

愚痴って、聞いてて楽しいものではないから、人を選びます。

全く仲良しでもない隣人から延々とLINEがきて、ずーっと愚痴を聞かされたら、そっとブロックしてしまいますけど(現実には、人間関係を考慮してなかなかブロックできない優しい人もいますが)、お互いに愚痴を言い合える関係なら、お互い様だし、心も広くなれそう。

リアル知人でも、ネットでも、みんなにとって、どこかそういうところがあるといいなと思います。

わたしが行っている小児はりも、そういう「お話を聞く」側面がかなり強いんですね。もちろんメインはお子様のお悩みなのだけど、やっぱり親のメンタルが子どもにも影響するわけだから、お母さんたちのお話はいろいろ聞きます。

お話して、すっきりして、「はーまた明日からもちょっとがんばろかな!」って思えたら、少しだけらくになれますよね。

愚痴とか弱音とか、たくさん吐いていきましょう。
むりー。できないー。ってすぐ言っていいです。
自分もできない。だから子どももできなくていいか。そう思えたら、ちょっとイライラもおさまるかもしんないし。


というわけで、今日は怒りへの対処法を書いてみました。
むかついたときは、まずちゃんと怒る。ごまかさなくていいし、変に大人ぶって「いや全然怒ってないっすよ^^^」みたいにしなくてもいい。そのうえで、怒りをそのまま相手にぶつけるべき局面かを見定めて、行動できるといいですよね。ぶつけないほうがいいなって思えたら、違うエネルギーに変換して、なにかを生み出しちゃいましょう!

そして、どうにもこうにも転換できねぇ!ってときは、だれかにお話きいてもらいましょうね(*^-^*)


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