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きょうだい喧嘩を止めるべきかどうか?に対しての、わたしなりの考え

夏休みも、もう終盤ですね。

コロナだったり、豪雨だったり、もうほんとに過ごしにくい日本ですが、(わたしは今朝の地震にもびびっている)子どもたちにとっては楽しい日々になるといいな、って毎日思ってます。

さて、SNSの投稿なんかを見ていたり、小児はりをしていると、こういうお声を聞くことがあります。

「子どもたちが毎日ケンカするから、イライラする」

もっと直接的に、「ケンカやめなさい!」とか「なんで仲良くできないの!」とか言う人もいますね。そりゃあ、家の中で毎日毎日しょーもないことで言い合いされたり、取っ組み合いされたり、家の中が嫌な雰囲気になられたりしたら、いい加減イライラもするでしょう。

でも、そのイライラって、本当に必要あるんでしょうか。
そしてその言葉って、言う意味あるんでしょうか。

わたしはいつも、小児はりをしながら思ってることがあるんです。それは、「子育てってまじでイライラする場面多いよなわかる👼」ってこと。
怒るのって疲れるし、だれも怒りたくて怒ってるわけないんですけど、でもイライラしちゃうんですよね。

で、怒ってばっかりだと、「自分の器ってどんだけ小さいねん」て落ち込むし、いいことない。ほんでお子さんたちも委縮するし、男子なんかそのうち、母親がいくら怒っても聞かんようになる。いちばん望ましくないのは、口で聞かないからといって、暴力をもって、しつけること。

だって口で言っても聞かないんだから、しょうがないじゃないですか!ってひらきなおるのはやめてほしいです。暴力で人をおさえつけるやり方を、子どもに見せて、学ばせてはいけません。大人として。

ほな、どうしたらわたしのこのイライラが消えるねん。どうやったら兄弟ケンカしないようになるねん、おおん??ってイライラしてたらすみません。個人的な想いですが、きょうだい喧嘩に対するわたしの考えを書いていきたいと思います。


そもそも、なんでケンカしたらだめなんですか?

一回考えてみてください。

子どもたちがケンカしたら、「仲良くしなさい!」って言ってるあなた。なんできょうだいって仲良くしないといけないんですか?明確に理由を答えられますか?ほんで、「仲良く」ってなんですかね。ケンカしたら仲良くないんでしょうか。夫婦は絶対にケンカしないんでしょうか。ねぇねぇ(うざい)。

わたしは、【なぜあなたはイライラしてしまうのでしょう?】という問いをしています。つまり、イライラするのは、あなたが何かに不快になっているからですよね。こどもたちがケンカをすることが、あなたにとって不快ではなくなれば、イライラしなくてすむわけです。

ちなみにわたしは、娘たちがケンカしてるとき、「あーケンカしてるなー」って思ってます(そのまま)。そこに対して別に何の感情もありません。もちろん、どちらかが泣いて(だいたい次女だけど)、わたしに言いつけにきたり、長女だって自分の言い分があってムシャクシャしてて、っていう場面はしぬほどあります。

わたしが決めていることは、「どっちか片方の肩をもたない」ってことです。これね、3人以上のごきょうだいがいるご家庭でもほんま気をつけていただきたい。子どもの話を聞くときは平等にしないと、よけいにもめます。

親が「それは〇〇が悪いわ」とかってジャッジしてしまうと、子どもたちの勝ち負けがうまれてしまうんです。親に同調された子は「ほらみろ!!自分は悪くない!!」って調子づくし、親に否定された子は「なんでよ!!」ってよけいに反発こそすれ、「そっかー自分が悪いんだ!ごめんね♡」なんてなるわけがありません。

「悪いのはお前だ」と断罪された人の気持ちを考えてみましょう。たとえそれが正しくても、そんなの、言われて気持ちいいはずがないです。たとえばあなただって、完全にあなたしか悪くないことを、正論で、どこまでも追い詰められて、ネチネチネチネチ責められたらうっとおしいでしょう。わかったって、もう。てなりますよね。

大事なのは、その子に謝らせることでもなく、自分が悪いと烙印を押させることでもなく、【どうしたら子どもたちが上手にコミュニケーションをとれるようになるかを考えること】。これ一択なんです。そしてその過程には、きょうだい喧嘩も入ってます。間違いなく。こどもたちは、毎日、一生懸命に、自分の気持ちを相手に伝えようとしています。まずはそれをわかってあげてほしい。頭ごなしに「うるさい、お前がわるい」とか「ケンカすんなって言ってるやろ!」とかって叱らないであげてほしい。


ケンカの時にかけるべき第一声は「どうしたん?」です

きょうだい喧嘩が始まったら、正直「またか……」ってウンザリするだろうし、ついつい「もう!いい加減にしーや!」とか「うるさいねん!」とかから入ってしまう人もいるんじゃないかな。

でも、介入するなら、できればそこを、原因究明にとどめてあげてほしいです。こどもたちは、いろんなことがまだへたくそです。だから「自分で考えなさい!」と突き放すのではなく、どうしてその事態になったのか?を聞いて、一緒に考えてあげてほしいのです。

まだ言葉もたどたどしい幼児と乳児とかの争いなら、とにかく上の子の気持ちを代弁して、「こうしたかったんかな?」などと想いを聞くしかないですよね。乳児はこの際ごめん。すまん。今は不服やと思うけどこれも世の中や。ってことで、上の子最優先でケアするっきゃない。「お兄ちゃんだから我慢しようね」とか絶対言わないであげてくださいね。よけいにストレスたまるだけだから。

ただもちろん、乳児の気持ちも代弁だけはしてあげる。そしてその結果、幼児が乳児の意向を無視したとしても、だからといって「うわ、やさしくない~」とか「赤ちゃん哀しいよー」とか、罪悪感をうえつけることは言わないでいいです。赤ちゃんは弱くて誰もが守らないといけないものだけど、だからこそ、上の子の「赤ちゃんへの嫉妬」というのはものすごいので、「下の子は赤ちゃんなんだから……」とかって説明しようものなら、「じゃあ僕も赤ちゃんになる!!」とか言い出します。大人でも赤ちゃんになりたいときありますもんね。赤ちゃんずるいよね。

そんなわけで、幼児が乳児にやさしくできなくても、いつかきっと自然と自分で考えて「貸そうかな?」って思えるときがくるかもしれないから(自分が誰かからやさしくされてる貯金がたまってて余裕があると、人にもやさしくできるケースがあるのでそこに期待)、「そっか、今はおもちゃ貸したくないんだね」とか「お兄ちゃん、この積み木使いたかったんだって~」って乳児に説明しておくとか、そういうスタンスでいいかと思います。


もうちょい年齢が上で、もうわりと自分たちである程度のトラブルが解決できそうなら、親は仲直りのきっかけを作ってあげられるといいですね。ぷんぷん、むしゃくしゃしてる子の気持ちをほぐしたり、みんなのことぎゅーってしたくなったから抱きしめてもいい~?!って言ってハグしに行ったり。楽しい話題に誘ったり、おいしいものを味見してもらって笑顔を引き出したり。

ケンカって、生きてる限り、避けられないと思うんです。社会に出たって、意見のあわない人はいる。そのときに大事なのって、だれともケンカしなかった経験なんじゃなくて、自分と相手の言い分が違ったときに、いかに平和的に解決できたか、という経験なんじゃないでしょうか。

いつもケンカしてるけど、やっぱり一緒にあそぶ相手がいないのは寂しい。きっとこれは、お子さんたちの素直な想いだと思うんですよ。親としては、早くここの素直なゾーンに気持ちがすすむのをサポートしてあげられると一番いいですよね。まあサポートが必ずしも必要かといわれるとそんなわけでもないので、「なにもしない」ってのもある程度は必要ですが、ほっとくといろいろ危険な場合はもちろん介入してあげましょう。この場合の「危険」とは、暴力もそうだし、ひとりのお子さんの心や自尊心がズタボロになっている危険兆候もそうです。

ストレスがたまった子どもは、身体にかゆみを訴えることがあります。もちろん全員ではありません。でも子どもはまだ言葉でうまく話せないから、そのサインを身体の症状として出すこともあるんです。

身体がかゆい、頭が痛い、お腹が痛い、学校にいきたくないぐらいしんどい、朝起きられない、これらの症状は、こどもたちの「たすけてほしい」というメッセ―ジかもしれません。わたしたち鍼灸師は、そういうお子さんを救うために、小児はりをしています。


親だけで子育てしなくて大丈夫。

きょうだい喧嘩が起こると、ケンカを仲裁しないといけない気分になりますよね。そんなあなたはとてもえらいと思います。お子さんのことをよく考え、毎日とっても頑張っている、良いお母さんなのだと思います。

でももしかしたら、少しだけ、責任感が強いのかもしれませんね。育児は親の責任だって思っているかも。え、当たり前だと思いますか?わたしは、育児は、すべての大人の責任だと思ってます。自分が生んだ子どもじゃなくても、子どもと関わる大人は、その子の成長に関わっている意識をもってほしい。

もちろん大人には、子どものことは大事にしてほしいけど、子どものことが好きじゃない大人も当然いるから、すべての人に「子どもに優しくしてもらうこと」は期待できません。世の中にはいろんな大人がいて、子どもはおうちの外に出たら、優しくされることもあれば冷たくされることもあります。それが世の中です。そういういろんな大人が、子どもを育てます。親だけが育児をするわけではない。(衣食住の管理は親がするけども)

物事の善悪や、価値観の形成、今こうして教えておかないと!って頑張りすぎている人をよく見ます。将来この子が困るから、今わからせないと!!今きびしくしておかないと!!って。とてもえらいと思います。でも、待って。子どもの顔を見てみてください。

あなたと仲が悪くなっていませんか?
あなたが伝えたいことは、お子さんと仲が悪くなったとしても、あなたがしないといけないことなのでしょうか?

わたしはいつも、小児はりの施術をしながら思います。
親にいつも叱られているお子さんは、最初はあんまり話さないんです。何か言うと、また怒られるから。人の顔色をみるのが上手です。

だからわたしは褒めます。こどものいろんなことを。
そして、その賢い子を育ててきてくれたお母さんのことを。

そしたらね、2回目移以降に来てくれるときは、お子さんすっごく、自分の話をしてくれたりします。お母さんも、「あんた、ここに来たらよーーしゃべるなあ」ってびっくりするぐらい。子どもは聞いてほしいことがたくさんあるんですよ。否定されずに、自由に表現したいんです。だから小児はりの施術室ではなるべく「そんなんしたらあかん」と保護者さんが言ってくれても「いいですよ~」って言ってます。ここではしたいようにしてもらう。お子さん自身の気持ちを大事にする。ということをモットーにしています。

家族は、仲良しがたのしいですよね。
夫婦も、きょうだいも。

でもずっと一緒にいるから、腹が立つこともそりゃあある。もちろんある。
そのときに、ケンカしても別にいいと思うんです。でもそこに「悪者」は要りません。だれかが悪いとか、そういうのどうでもいいから、仲良くできる土壌をつくることを、みんなでやっていってほしいな。どうやったらみんなが笑顔で楽しく過ごせるかを考える家族でいてほしいな。

親だけでは見えないこと、たくさんあります。だからこそ、わたしみたいな第三者がいます。小児はり施術に通うようになって、きょうだい喧嘩が減った!というご報告はたくさんあるんですよ。それは、小児はりの施術効果だけというよりも、家族みんなの心がけに変化がうまれたからじゃないかなって、勝手ながら思ってます。しんどい想いをしてるお子さんも、お母さんたちも、らくになってもらえたら本当にうれしいです。


そんなわけで、仲良くケンカできるといいですよね^^おしまい。

いただいたサポートは、子どもたちのために遣わせていただきます😊いつもありがとうございます!