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【第1回】上野でよみがえる記憶
(この記事はnoteマガジン「だれも知らないイランの絵本を日本で出版する話」の第1回目の記事です。)
こんにちは。みしまです。はじめての翻訳絵本の出版を目指して、日々、奮闘しております(前回の記事はこちら↓)。
私たちが「イランの絵本を出版したい!」と企画を立てたのが2019年。あっというまに2年の月日が経っていました。
なんでイランの絵本なの? そもそもイランってどんな国なの? そう思う方はたくさんいらっしゃると思います。そこで、noteのマガジン「だれも知らないイランの絵本を日本で出版する話」を作成し、イランの絵本を出版したいと思った経緯、イランの絵本の魅力について書いていきたいと思います。
※このマガジンのタイトルは、イランの絵本を紹介しているユニット「サラーム・サラーム」さんがLOGOS GALLERY(渋谷パルコ内にあったギャラリー。渋谷パルコが新装されるタイミングで閉館となり、今は別の名前のギャラリーがオープンしています)で開催していた「だれも知らないイランの絵本」展という展示会の名前を引用しています。「サラーム・サラーム」の愛甲恵子さんは、今回の絵本プロジェクトでペルシャ語翻訳を担当してくださることになっています。
新企画、募集中につき
私の所属する編集プロダクションは、主に出版社からの制作実務を請け負っていますが、数年前から「自分たちでも何か新しいことをやってみよう」という動きがありました。
その話を耳にしたとき、私は「絶対に何か企画を出したい!」と思いました。「自分でゼロから何かを生み出す」ということは、今まであまりチャンスがなかったからです。単純に「おもしろそう」というミーハーな気持ちに突き動かされていました。
それからは、毎日の生活でアンテナを張り、何かネタはないかと考えていました。そうして、ビビッときたのが「イランの絵本」だったのです!
そのとき、上野公園で…
2019年の初夏のある平日。私は一人で上野公園を歩いていました。東京国立博物館で開催されていた「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」という企画展を見に来ていたのです。仕事を休んで、一人で博物館。私にとって至福のひとときです。
(それはそうと、あのときの東寺の仏さまたちのお姿は本当に素敵だったなぁ。特に帝釈天様はその周りを360度ぐるりと一周することができて、写真撮影もOKだったのだよなぁ……あ、話が逸れました)
ゆっくり見終わって、うっとり夢見心地で駅に向かって歩いていると、東京文化会館の横あたりに「詩と伝説の国 イランの子どもの本」と書かれた大きなポスターが目に入りました。近くの国際子ども図書館で開催されているとのこと。
「へぇ~、イランかー。かわいらしいポスターだな」と思った次の瞬間、ずっと忘れていた記憶がよみがえってきました。
「そういえば私、イランの絵本を持ってるじゃん!すっごく不思議なやつ」
「そういえば昔、イランにすごく興味をいだいていた時期があったな」
「イランの絵本で企画を作れないかな…」
このような思いが頭を巡り始めました。この「詩と伝説の国 イランの子どもの本」展を見に行ってみたい、そう思いました。
でも、時計を見るとすでに16時近く、子どもたちのお迎えの時間が迫ってきています。仕方なく、日を改めて国際子ども図書館に行くことにし、家路につきました。
(つづく)
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