夜が明ける
目覚めると4時だった。
まだ眠くて目が明かない。眉間にしわを寄せて、うっすらと目を開けながらスマホの時刻を確認した。疲れて寝てしまったのか、21時頃から記憶は曖昧だ。カーテンから漏れる光は、すでに明るい。
のっそりと起き上がり、洗面台へ。眠気覚ましに、冷たい水でぴしゃぴしゃ顔を洗う。冷たいけれど気持ちいい。目もすっきりと開けられるようになった。
そのまま薄暗いキッチンへ行き、コーヒーを淹れる。コーヒーの匂いが、鼻の奥を刺激する。
湯気が立つマグカップを持って部屋に戻った。梅雨時期なので、部屋の中はジメっとしている。窓を開けると、ひんやりした風がふーわふーわと入ってくる。くもり。今日は雨じゃない。
日中は湿気が多いけれど、朝はまだ心地いい風が吹いている。人が起きだす前。車通りもほとんどない。チュンチュンと鳥のさえずりだけが聴こえる。思いきり空気を吸い込み、体の中も換気する。
静かだ。
まるで世界に自分しかいないみたいな。そんなことはないのだけれど。
寝ないで働いている人もいるし、これから寝る人や、寝たいのに眠れず朝を迎えた人もいるんだろうな。
でもやっぱり、この静かな朝が好きだ。
車通りが増えてきた。同じマンションの違う部屋で、窓を開ける音が聞こえる。動き出した。
わたしも動き出さないと。ぬるくなったコーヒーを飲み干して、立ち上がった。
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