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Night Table Vol.005

曽爾村で文化体験をしてきたお話を、すこし。

はじめに

三度目のNight Table参加に心ウキウキしながら、例のキャンプ場に到着。奈良県曽爾村にあるプライベートキャンプ場・TOPOSだ。
Night Tableは毎回ゲストシェフをお迎えして、キャンプ場であるその場所に一夜限り現れる特別なレストラン。今回で5回目の開催となる。さて今夜のディナーはどんなものか。

いざ南インドへ

今夜のシェフは、二上スパイス・木谷さん。
南インドの料理を提供されるとのこと。南インド料理…と聞いても正直馴染みがなくて、ピンとこない。インスタで詳細が公開されていたりしたが、おぅ…知らない単語すぎるぅ…。ただ、仕込みの様子などの動画をアップされていて、その都度現れるカラフルな食材たちに心躍る。
実際にインドに行かれた際の動画などもアップされていたことや、バナナリーフにのせた食事を手で食べるという情報で、もうすでにワクワクしていた。知らないことにワクワクできるって、すんごく楽しいよね。

手食とバナナリーフ

まだ明るいキャンプ場に、徐々に人が集まってきた。朝からせわしなく準備をしていたシェフが改めて挨拶をする。食事の始まりだ。

目の前にはランチョンマットのように敷かれたバナナリーフ。スタッフの方が各テーブルを回ってバナナリーフの上に配膳していく。「これどっちの手で食べるんだっけ?右手?左手?」なんて言いながら、まさに”手探り”で食事がすすむ。

手で混ぜ合わせる、手にとり、口に運ぶ。それだけなのに、なんだかとても特別な体験をした気分。食材に触れた指から、温度や手触りを感じる。料理の質感がダイレクトに伝わってくる。カレーの中に入っていた小さなかわいい茄子は、触ってみるとヘタまでずいぶん柔らかかったので丸ごといただいた。見慣れない料理も、手で触ることでグッと距離が縮まったような気分。なんだか食事中に働く五感の感度が上がったみたいに、食べてる!生きてる!という感じ。新体験。

バナナリーフはとても大きくて、筋が入っていて適度に凹凸ができている。液体をかけても流れていきにくく、きっとプレートとして使いやすいんだなと思った。実は一昨年、Night Table Vol.002に参加したときもバナナリーフが出ていた。キャンプ場での食事にぴったりなのかも。

食事は文化活動

今回は、食事って文化なんだなぁと改めて感じた。
シェフが各テーブルで料理の説明をしてくれる。聞くと、普段食べないような食材も多い。へぇ!が止まらない。今回の食事には豆が使用された料理がいくつかあった。豆というと日本では煮豆や納豆などで食べることがあるが、家で加工することは少ない、あまりメジャーな食材ではなさそう。でも世界的に見たら豆を主食のように食する地域も多いんだろうな。

私のお気に入りは、ワダと言われるおかず版ドーナツ。サクサクかつフワフワの食感は豆と米粉からきているのだとか。あれ無限に食べたい。インゲンと人参のポリヤルは甘く華やかな香りとゴロッとした歯応えが堪らない。あれもこれも美味しくて…ありがとう!アンリミテッドおかわり!!

食材、食器・食具、食べ方などなど、料理そのものはもちろん、食事をするその一連の活動が文化なんだな。普段とは違うお米の手触りや、豊富な香り。私たちが箸で食べるように、他の地域では手で食べたり、他の食具や食器を使う。それぞれの風土、時代で文化が作られることを感じられた食事だった。

食事中、どのテーブルもワイワイ盛り上がっていたのが印象的だった。各テブール4〜6人で、初めましての人との相席スタイル。でもみんな最初から友達だったかのように盛り上がっていて、TOPOSが持つパワーを感じた。考えてみれば、外で、インド料理、バナナリーフ、手食ってきっと相性抜群。それは盛り上がるよね。きっと参加したみんなが楽しみにしていた夜は、”とびきり楽しい夜”になっただろう。

素敵な夜をありがとうございました。

あとがき

終わってから気がついた。今回手で食べていたこともあって、ほとんど食事中の写真がない。写真を撮るのなんてわずか数秒のことだし気にしたことなかったけど、ないならないでいいし、なんか食事に没頭できたような気がしたなぁ。いつも食事に行くとカメラに収めるのがもう癖みたいになっていたことに気づいた。それもまたいい体験になった。
…というわけで、スタッフの方にいただいたお写真をアップさせていただきました。ありがとうございました。

次のNight Tableはいつかな…(期待)

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