就活スタート


大学4年生、夏。

周りはもうとっくに就活を終えて夏休みを満喫しているのだろう。


私はというと、先週ようやく就活を始めた。

バイト先の友達には私が就活してるのなんて想像できない、信じられない、なんて言われた。

もう一つのバイト先の常連さんには、今さら?もう8月だよ?なんて言われた。


特になんとも思わなかった。



私が今まで就活をしてこなかった理由は、だるい、やりたくない、やる気にならない、簡単に言えばそんなところだ。そしてその根底にあったのが、「やりたいことがない」だった。

大学は外国語学部で、専攻として英語を学びつつ日本語教育について学んで、実習も経験した。韓国留学をして韓国語も身につけた。大学で学びたかったことは一通り学べたと思う。

でも、その先に見えるものは何ひとつとしてはっきりしたものがなかった。英語は正直苦手だから将来活かしたいという気持ちはない。日本語教師も別になるつもりはない。韓国語は好きだし英語よりもできるから、何らかの形で活かしたいけれど、仕事にするほどの実力はまだない。


接客は正直向いてないからバイトでもう懲り懲り。営業も興味はあるけれど誰がどう見ても私には不向きだ。事務は退屈しそうだし病みそうだから嫌だ。語学以外なんの技術も知識もないから専門的な職種は無理。

そう考えながら、去年の夏くらいに就活アプリで「興味のある企業をチェックしてみよう」みたいなものをやってみたら、案の定チェックは0個。

結局夏も冬もインターンはいかなかった。3月1日になっても就活する気にはならなかった。ちょうどこの頃、鬱と不安障害の症状が出た。

授業もずっと出なくて、正直来年の3月に卒業することすら諦めていたし、期待していなかったから、就活も諦めていた。


いつの間にか夏になって、ずっと休んでいたゼミの先生からのメッセージが未読のまま溜まっていた。


そんなある時、高校時代の友達がインスタのストーリーで、とあるアパレル企業の社員を22卒の興味がある人に紹介する、という感じの文言をあげていた。

就活する気は全然なかったけど、心のどこかでやらなければという思いがあって、なんとなく気になったしせっかくならと思ってメッセージを送ったら、説明会に参加することになった。説明会後にエントリーシートを出したら、通過したとのメールが来た。


この企業なら働きたいなとちょっと思った。多分無理だと思うけどもし仮に内定が出て、それなのに卒業できませんでした、なんてことになったらもったいないなと思った。

だから、ゼミの先生に連絡をして、面談をしてもらった。私がずっと精神的に辛かったことは先生も知っていたから、卒業はできるから、大丈夫、一緒に頑張ろう、なんとかしよう、そう言ってくれた。


不安要素が1つ、解消された。だから、これを機に就活を始めた。

エージェントに登録して、リクルーターとの初回の面談で、私に合いそうな企業を紹介してもらった。私は接客が向いてそうだし、大人しくておっとりしているから事務も向いてそうとのことで、携帯販売と一般事務を紹介された。

見当違いだ。正直興味がなかったし、どちらかと言えば嫌だったけど、嫌だと言えなかった。はっきり意見を言えない私の悪い癖がこの大事な場面で出てしまった。それでもいろんなところを見ておいた方がいいと思って説明会に参加することにした。


正直言って、説明会は微妙だった。携帯販売の方は完全に興味がないし、事務を勧められた会社の方は人事と説明会そのものにものすごく違和感を感じた。

これまで就活をやってこなかったと書いてきたけれど、説明会は何社か参加したことがあるから、良し悪しはなんとなく分かる。この時期というのもあるかもしれないが、明らかに学生を下に見ている態度、どうせ就活うまくいってないんだろ?みたいな雰囲気に疑問を感じざるをえなかった。

確かに今就活している学生の中には、春から就活をしているけれど内定をもらえてない人がいるかもしれない。しかし、既に内定があるけれど納得いくまで続けたい人や、何らかの理由や事情があってこれまでできなかった人も一定数いるはずだ。そういうことを考慮して、あくまでも自社に興味を持って説明会や選考に参加している学生に対して、然るべき態度を取るべきだと思う。


でも、リクルーターさんが紹介してくれたのを両方ともやっぱり受けませんなんて言うのは気が引けるから、両方このまま選考に進もうと思う。

けれど、仮に紹介してもらった企業から内定が出たとしても正直辞退したいくらい興味がないから、自分で他の企業も何個かエントリーするつもりだ。


どうせやりたいことがないのだからとりあえず適当なところに就職しようと思っていたのに、就活を始めて考えが大きく変わった。どうせやるなら、少しでも興味があることがいいし、少しでも違和感を感じる企業は避けたい、そう思うようになった。

今さら就活を始めておいて何を言ってるんだと思われてもいい。妥協したくない。だってこれまでもそうやって生きてきたから。


私の人生は私が決める。例え誰かに勧められたとしても、自分がした選択の責任は自分でしかとることができない。だから、ありきたりな言葉だけれど、後悔のない選択をしたい。


私には、自分で自分の人生を決める自由があるし、それを応援してくれる人がいる。


さあ、ここから、頑張ってみよう。






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