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ぼろアパート物語「第2夜」

私の部屋は2階建てアパートの1階の角部屋だった。
木造である。

大家さんの主義で住んでいるのは全員女性。
いろいろある。

私の真上の部屋も、真横の部屋もそれぞれの彼氏がよく出入りしていた。

音が・・・声が・・・よく聞こえる。
仕方がない。

「雨風しのげれば・・・」とここに住み始めたが、こういった「騒音」は考慮していなかった。・・・不覚。

上の部屋で「仲睦まじ」く、横の部屋で「大喧嘩」とかなると、私の脳みそが混乱して不協和音が響いた。


「毎晩」震度2事件 201号室

上の住人は、1歳下の女の子だった。

たしか教員を目指していたと記憶している。

裏表のない性格で、なぜか私も好かれていた。

大体わたしはいつもそうなのだ。
なぜか天真爛漫というか、奔放な人にからまれる。

彼女は5人目の彼氏との関係があまり良くないとかで、不平不満を漏らしになぜか私の部屋に来ることがあった。

酒とたばこをもって。

(ここから先、ちょっと下ネタになります。そういう話がキライな方、ここでお別れです)

彼女曰く、夜の生活がしばらくないので、欲求不満が溜まっているとのこと。

そういうのは、私に言われても・・・ものすごく困る。

201号室の彼女「emimaruさんは、そういう欲求ないの?」

私「ないね」(きっぱり)

201号室「ホント、不思議だよね~。世話好きで、料理もできて、色白なのに、なんで男できないの?」

私「世話好きじゃなくてなぜか頼られるだけ。料理は自炊のほうが安いから。肌を露出するのがキライだから日に焼けないだけ。
・・・いやその前に、なんで男作ることが当たり前になってんのよ。」

201号室「はあ~~?」

そんなことを酒を飲み飲み、たばこスパスパして話す。

そのうち、「emimaruさんさあ~、男の力わからないでしょ」とかいって、私の腕を掴んで襲おうとする始末。

ぎゃーぎゃー暴れる私を見て、ケラケラ笑う悪女だった。

そのうち、新しい彼氏ができたらしい。
急に真上が騒がしくなった。

毎晩、いや、正確には日中もあることなので、all day and all nightなのだが、地震が来るようになった。

震度2。

最初はビビッて起きた。

しかし地震なら、下から揺れるはず・・・・上から振動が・・・

深夜2時。

襖もカタカタいっている。

・・・・・・・・イヤホンしてCDかけて寝た。

当時、私は早朝からのバイトをしていた。
学生は夜遅くまで遊んでいると思わないでいただきたい。

私のように早寝早起きじゃないと気がすまない人間もいるのだ。

朝が早いので、バイト後、家に帰って昼寝することもあった。

カタカタカタカタ・・・・震度2。

寝れない。

原因はベッドにあった。

彼女の部屋では「エアーベッド」を使っていた。

なぜか「2つある」というので、1つをもらって使っていたからわかるのだが、寝心地はまあまあ。

しかし寝返りしてもキューキューいうほど音が出る。

それにしてもこの窮状をどうやって伝えたらいいものか。

相手への配慮というより、自分が口に出すのが恥ずかしすぎて寝不足のまま時が経っていった。

そしてチャンスがやってきた。

(第3夜へつづきます)

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