見出し画像

ぼろアパート物語「第4夜」

大家さんが頼りにならない今、私が頑張るしかない!

とりあえず、病院がすぐ近くにあったので彼女に肩を貸して、励まし励まし病院に着いた。

病院の玄関で泣きじゃくる彼女を一旦置いて、受付に駆けこむ。

私「すいません!急患です!階段から落ちた(たぶん)です!」

すぐに手術室に通され、見てもらうことに。

私「ど、どうでしょう」

お医者さん「骨には異常ないですね。麻酔を打って、何針か縫います」

その言葉を聞いた彼女が大暴れ。

どうやら注射の類が苦手のようだ。

お医者さん「お姉さん!抑えていてください!」

私「はっ、はい!」(私、お姉さんじゃないし!!!)

そんな心の叫びは置いておいて、とにかく手術完了。

その後、処方薬局に行ったり、受付で手続きをしていたのだが・・・

受付の方「保険証はお持ちですか?」

私「すいません、なにぶん急だったもので・・・後日の清算でいいですか?」

で、とりあえず払いましたよ。立て替えました。

保険利かないので、現金4万円を。

当然私がそんなに手持ちで持っているわけないので、銀行行きましたよ。
チャリかっ飛ばして。

そんなこんなで、また肩を貸し、彼女をアパートまで連れて帰る私。

しばらく落ち着かせようと思い、彼女を部屋に運び、自分も部屋に戻った。

しかし。


どうして自分はこうなっちゃうのだろう。

そういえば、あの状態で夕飯とか作れるのか?

そんなことを考えてしまうなんて!

夕方五時ごろ、彼女の部屋をノック。

私「大丈夫?」

201号室「今、お母さんに泣きながら電話してた。保険証直接届けてくれるって。お金、それまで待ってね。」

(そんなに親近くにいるなら、わざわざ金かけて一人暮らしするなよ!!)

・・・と今なら言える。

私「それはいいけど、あんたそんなしょぼくれ様で、夕飯作れるの?」

201号室「今日彼氏が来るんだよね、どうしよう」

(じゃあ!彼氏に夕飯用意させろよ!)

・・・・と今なら言える。

しかし、当時の私は呆れながらも夕飯を作ってあげたのだ。

その「彼氏」の分も。

しかも、手作り肉まん&カスタードまんという・・・

生地をこねて、あんを作って、蒸して作りましたよ。

なにゆえに他人の男の腹まで心配せなあかんのだ。


そういえば、お隣(102号室)の彼女もそうだ。

「今日、彼氏がビザ食べたいって言っているんです~。
emimaruさ~ん、デリバリーのチラシもってます~?」みたいな。

知るか!

・・・と今なら言える(たぶん)。

しかし、ちゃんとチラシを分類分けして、持っているのが私なのだ。


ここまで読んでいただくと、このアパートで私が一番年上のように思われるかもしれない。

私より7歳上の女性も住んでいました。

ミステリーハンターを目指す会社員 105号室

105号室の方(会社員)。

健康オタクで、夢はあの世界不思議発見!でおなじみの「ミステリーハンター」になるという変わり者だった。

次回、彼女のお宅に訪問します。

(第5話へ続きます)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?