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「すいか」のワンシーン 「20年後、あなたは何をしていると思いますか?」

20年後、あなたは何をしていると思いますか?

主人公はこう質問されて、

自分の人生には変わったことは、そう起こらない、平凡で、つまらない人生が続いていく。それが、平凡で何もない、私の人生だろう。

と想像し、つまらない気持ちになります。

「すいか」という2003年に放映されたドラマの中のワンシーンです。

私は「すいか」が好き

私はこのドラマが大好きですが、実は1度しか観たことがなくて、そんなに詳しく内容を覚えているわけではなかった。でも忘れられなくて、またいつか観たいなと思っていました。

先月ふと思い立って、もう一度「すいか」を観よう。と思って、全10回を観終わりました。色々好きなシーンはあったのですが、ちょっと記録に残したいなと思ったのが、この「あなたは20年後何をしていると思いますか?」でした。

2003年の20年後は、2023年

「すいか」の放映からもうすぐ20年なんだ。

「自分には何もない、20年後もきっと今と同じ」と言った主人公の早川基子(小林聡美)に対して、教授(浅丘ルリ子)は、「人生って、わからないものよ。じゃああなたは1年前にこの家に住むって思ってた?友達が犯罪を起こすってわかってた?」と問います。

20年前、私は、生まれ育った街で、まだ、新卒で入社した会社に勤めていました。安定した人生で、人生に対してそこそこ、満足していたように思います。

「私にもやってみたいことは色々あるけれど、それはなんというか、夢だな。手の届かないことだな」と思っていました。

でもそれは違いました。想定外だった。こんなことになるなんて。

その後、引っ越しし、3回も転職し、キャリアにおける夢をたくさん果たして、そして、突然会社を辞めてしまって、「住所不定無職」になってしまうなんて。

そして、20年後の今、「ハピネス三茶」みたいなところで暮すことになっているなんて。

結局、思った通りの人生になったってこと

私は今、ADDressというサービスを使って、多拠点生活をしていますが、生活のベースは東京です。

東京の拠点では、大きな家に、私を含め4名の定住者と、3名の不特定な住人がいます。お互いが、好きなように暮らし、お互いのライフスタイルを尊重し合って暮らしています。時々、ご飯を一緒に作ったり、多愛のない話をしたりして、性別も、年齢も、趣味も、考え方も全然違う人たちとの、すごく幸せで楽しい暮らしです。

ほんとうに「すいか」みたいな暮らし。

私はずっと「すいか」のことは忘れていたけれど、20年前にこのドラマを観て、憧れていたのかもしれない。

心の中に無意識のウィッシュリストがあったのかもしれない。

忘れていた夢が叶うって、不思議です。

「すいか」の魅力

「すいか」には、多くのファンがいます。なぜ「すいか」は、こんなにも魅力的なのでしょう。「すいか」に出てくる登場人物はみんな、誰かの一部だからからかもしれません。

主人公と、主人公の母親は、ある意味、私と私の母みたいだし。(平凡で何もない私と、過干渉な母親)

気持ちの不安定な漫画家(ともさかりえ)と、芯の通った教授(浅丘ルリ子)も私の中に共存している。

セリフの一つ一つに、誰もが「私も。」と思ったり、誰かに自分が言ってほしかったひとことがあったりするのかもしれない。

20年経っても色褪せることのない、不思議なドラマ「すいか」。

さて、20年後、私はいったい、どこで、どうしているでしょうか?

今夜もよい夢をみられますように。







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