見出し画像

『サスティナブルファッション』を知ったキッカケ

2015年、Facebookでの個人アカウントで、こんなものを書き留めてました。わたしがアパレルの闇を知り、『サスティナブルファッション』に興味を持ったキッカケそのもの、です。

今の気持ちで、新しく文章を書こうとも思ったのですが、(それはそのうち書くかも)キッカケとなった文章(駄文ですが)も載せておこうかな、と。

*2015年、当時は企業で婦人服パタンナーをしておりましたので、今とは違う目線で書いております。訂正せず、そのまま載せます。

-----------------------------------------

posted : 21 November 2015

衣服の生産枚数は、20年前より400%増えたそうです。
オーガニックコスメや、生産背景のわかる食材を選ぶように心がけるのは、もはや当たり前のようになったけど。
オーガニックコットンが何故必要なのか、油産業の次に環境汚染を及ぼすのが、ファッション産業だなんて、考えた事もなかった自分は反省しつつ、このタイミングで(遅すぎるなんて無いから!)このドキュメンタリー映画に出会えた事に感謝。
(教えてくれたSにも感謝。)


本当はメモを取りたかったのだが、
夢中になってしまったので、忘れないうちに文章にします。


以下、公式の引用ではなく、わたしの記憶で書いたものなので、
ご容赦下さい…そして長くなる予感です。
お時間ある方は是非、しばしお付き合い下さい*


「 THE TRUE COST  ファストファッション 真の代償」

(渋谷で公開中*)
趣旨は大まかには、以下の通り。

ファストファッションの代償は誰が払ってる?

ガーメントウォーカー、つまり衣類を生産する工場で働く人々と、その地域自体が払っている。
それでも、毎日のように5$のTシャツを買いますか?
一回着ては捨て、もしくは着もせず捨ててしまうかもしれないのに。

まず、工場(Sweat shop=摂取工場)で働く人々について。
例えば。ニュースで目にした方もいるかもしれないけど、
バングラデッシュの「ラナプラザ」という8階建ての縫製工場ビルの建物に亀裂が入っていたのを従業員は訴えていたにも関わらず、強制的に労働を経営者に強いられ、結果的に崩壊したときは1000人以上の方が亡くなられた。
プノンペンでは縫製工場従事者vs警察で暴動が起き、死者まで出た。従業員は最低賃金の引き上げを要求し、政府は「安くで縫えないなら他の国で生産するぞ」と脅されているので、力ずくでデモを制するしかなかったとか。


従業員は労働を低賃金労働を強いられ、
経営者は利益を上げるため人件費を叩き、
人権までも奪ってしまう。
経営者と消費者は巨大な物質主義のシステムの中にいる。


アメリカの経済学者は言う。
アメリカは妙な国になってしまった。
何かがおかしい、といえばその何かのあり方について民衆は討論する、しかし、この資本主義についての議論はない。
本編には色々な学者が出てくるので、覚えられなかったんだけど、「消費」を研究する学者による話をまとめると、こうだ。


購買欲をどんどん煽る広告

美しい髪の毛を手に入れればみんなに愛される、と謳うシャンプー、スタイリッシュな車に乗れば、美女にもモテて仕事も大成功、と魅せる高級外車。そして、8$のシャツを取っ替え引っ替え着れば、たちまちハッピー♫ と高らかにアピールする大手ファストファッションブランド。

いつのまにか、豊かさ=物質的豊かさだと、
刷り込まれているから、こうなる。


安い→簡単に手に入る→パーティー毎に新しい服を買う。
ある学者が本編で、昔は年にTシャツを1、2枚買う程度だったが、今はパーティー毎に消費する。


タヒチには、「ペペ」と呼ばれるものがある。
欧米が着なくなった服を寄付し、古着屋でも売れなかった、いわば残りものが流れ着く。ペペが溢れかえるようになり、タヒチの本来の服飾産業は衰退した。今ではアメリカ向けに激安Tシャツを製造しているとか。

タヒチの女性はこう言う。「安いものを買うと、簡単に手放す。だから安いものは買わないようにしてほしい。」と。

ちなみに合皮製品など、化学製品を使用する工場があるインドの地域では、飲み水や生活水、野菜などを育てる水が汚染され、その一帯に住む人々は皮膚病やガンなどの病に苦しんでいる。障害を持って生まれてくる赤ちゃんも多い。しかし90%の人々は貧困の中で生活しているので、治療もできない。

パプアニューギニアの方は
「我々は消費者consumersという言葉が好きではない。
 顧客customersになってほしい。」と言う。

欲しいものを購入する訳でもなく、
ショッピング目当てのショッピングは、ただ悲しいだけ。

ある不思議なパラドックスの中にいるのだ

と、先出の学者は言う。
消費欲を執拗に煽られ、無駄に安物を買い、
豊かになっている気でいるが、実際は貧しくなっているのだ。

人々が必要なのは家や教育、
なのに使い捨てのものにお金を費やし破綻していく、と。

本編は一人のインド人、工場で働く23歳の女性にフィーチャーしている。工場の労働組合の代表で、話し合いがこじれた際には暴行を受けた。そんな彼女は一人娘の母でもあるが、この娘に会えるのは年に数回。娘を町に預け、自分は出稼ぎに出てるのだ。
「娘に会えないのは辛い、でも娘にはこんな生活をしてほしくないから、一生懸命稼いで、良い教育を与え、将来は国の仕事に就き、良い人と結婚してほしい。」
そして最後に涙ながらに訴えた。
「人々が着るお洋服の裏にあるストーリーが、
血にまみれたものであってほしくない」と。

-----------------------------------------
ここからは余談。この映画は
「ファストファッション業界の方は劇場鑑賞料50%off」

わたしは今自分が勤める会社がファスト〜かどうか、迷ったけど、とりあえず社員証を出してみたところ、割引適用となった。
(有名な社名ではないので、誰も知らないとは思うが。)
恐らく自己申告制で、断られることはないのだろう。

いま勤めている会社は年2回の展示会を行い、
基本的には3〜4ヶ月先のものを作っているので、
そんなに"ファスト"ではないんだけど、
売れ筋商品を急いでプラスしないといけないとき、
3週間で上げる、という突貫工事みたいなものもあり、
それが稀ではないから結構つらかったりする。
何が何でも売らないといけない営業さんと、
こんな納期じゃ丁寧に縫えないよ!という工場さんの訴え、
板挟みになるのがパタンナー(&生産管理)の仕事みたいなものだ。

スピード勝負だから、良い型紙を作るより、どうにか不良品を売り場に並ばせないためのバランスを、双方の間でとるのに必死。
別に自分の勤め先を批判している訳ではなくて、
痛感せざるを得なかった。

本当の豊かさとは何か?
問われている気がしました。

-----------------------------------------

ここまでが、2015年当時、映画を観た直後に書き殴るように打った文章でした。あれから6年。個人的には、この映画を観た数ヶ月後に、会社を辞める旨を伝え、フリーランスになりました。

今は「サスティナブル」という言葉を目にすることが日に日に増えています。あなたにとっての「サスティナブルファッション」とは何ですか?

良かったらお気軽にコメントなど残してくださいね。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました!!


Emilie



映画のオフィシャルサイトはこちら:

https://truecostmovie.com/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?