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イヤイヤ期:傾向と対策#3 タイムメソッド

すべての保護者はおそらくいい保護者でありたいと望んでいると思う。

我々の世代はずいぶん生真面目に育児を重大な責任をともなうものとして取り組んでいる方が多いのではないだろうか。
母親世代の育児エピソードを聞いていると、当時はおおらかだったのね~と感心する。
モンテや子供を尊重した育児の流行も、我々の世代が子供時代に(良くも悪くも)ぞんざいに扱われた反動のようにも思う。

だからこそ、イヤイヤ期に「自分がもっと上手く対応できれば…」と落ち込んでいる保護者をよくみるし、私自身もかなり落ち込んだ。

なぜ娘が快適にできる最善策をいつも提供してあげられないのだろう?
もっと上手くやれるはずなのに…

こんな悩みを夫に相談した時に、嫌味ではなく彼なりの優しさで「傲慢だね」と言われた。

たしかにそうかもしれない。娘のイヤイヤをゼロにし、まったく泣かせないということはつまり娘にとっての神と同義で、それはコントロールしようとすることに通じる。

そんなやりとりもあり、出来る努力を全てしてダメなときは時間で区切ってギャン泣き覚悟でルーチンを完遂しよう。と思ってからはだいぶラクになった。

娘には見通しを立てた上で、それが娘の嫌がることでも実行せねばならぬことを説明するまでが自分の責任範囲だと思うことにした。娘を泣かせないことはお互いの幸せのためだが、娘が泣く泣かないはまったくもって娘の自由であり、(できうる最善の努力をしたあとは)私の責任範囲ではないのだ。

タイムメソッドを子供を尊重して使用するために

出来る努力をすべてしても、泣く時は泣く。全力で癇癪を起こす。それがイヤイヤ期だと思う。(ちなみに私が行ったイヤイヤ期対策は以下を参照)

万策尽きた!ときは時間で区切ってギャン泣き覚悟でルーチン完遂しよう。
我が家の場合は、2〜3ヶ月で就寝前のルーチンは変更しようのないものなんだな、と納得してくれました。(ちなみにこれを超えるとかなりラクになる)

タイムメソッドを行う上で、娘への敬意を損なっていないかについて、ずいぶん悩んだ。
私なりに悩んだ末、私がタイムメソッドを行う前に必ずチェックすることをシェアする。必ずこれら全てが当てはまる場合にのみタイムメソッドを実行した。

  1. それは娘のイヤを否定してまで行わないといけないことか?

  2. 娘の気持ちが落ち着いてからリトライできないほど、差し迫って今やらないといけないことか?

  3. 娘には、きちんと現状を把握できる(鏡で見せる、具体的な説明をする)ように十分に働きかけたか?

  4. なぜ行わなければいけないか、またはなぜ行ってはいけないか説明したか?

さて、以上を踏まえて、なぜ私がタイムメソッドという強硬手段をとったのか、その背景も少し。

特に気をつけたい就寝前、就寝中

以前下のような記事を書いた。

時間はきっちりと決めて絶対に引き延ばさないこと(話せるようになったら保護者と子供ふたりで前もって時間を決めておく)
→あと2〜3ページで絵本は終わりだよ、などもう少しで終わりそうなところで子供にお知らせするのは良いアイディア
子供はルールを遵守させることでしかルールを学ばない:「もう1冊読んで」、の要求はきっぱりと断る

Solve Your Child's Sleep Problems
Dr Richard Ferber
訳は自己流です

これはジーナ式や添い寝関係なく、保護者と子供、両方の睡眠時間を確保したいのであれば必ず守らなければならないことだと感じている。
あの赤ちゃん至上主義、泣かせたまま放置なんて「ダメ!絶対」のトレイシーさんですらこう言っている。

発達上、最も重要なのは、もう1歳を過ぎた子どもには原因と結果が理解できるようになっているということです。(中略)
親が意識的かどうかに関わらず、教えたことの全てはちっちゃなコンピュータにインプットされ、将来のアップロードに備えられてしまいます。この時期に親が注意を払わないと、親を意のままに動かす術を子供が身につけてしまいます!
1歳3ヶ月の子供が、突如朝の3時に起きてくるとしましょう。(中略)
親がその場しのぎの対応をしないことが大切です。もし駆けつけて子供を抱き上げ、「今夜だけ、落ち着かせるのに本でも読んであげよう」と自分自身を納得させれば、子供は明日の晩も起きて本を読んでとせがみます。(中略)
「私がこの音を立てる。するとママが来てくれて、本を読んでくれて、それからねんね、ねんねと揺すってくれる。ママが私をベッドに入れようとしたらまたこの音を立てればいいんだ。そうすればママがもっと揺すってくれるはず」…つまり、あなたは親を意のままに動かす子供というワナにかかっているのです。

トレイシー・ホッグの赤ちゃん語がわかる子育て大全


なんかAmazon値上がりしてるな。
メルカリでも売ってるので見てみてください。赤ちゃんから2歳現在も辞書的に使用しています。子育ての悩みはほぼ網羅されている。トレイシーさんの本は他小型本が2冊あるが、2冊ともの内容+のことが書かれているので、こちらがおすすめです。

じゃあどうせいっちゅうねん、て話なんだけど、行うことは至ってシンプル。
介入する方法と時間間隔を前もって決めておくこと、また介入する際はなるべく暗い赤色光のみで、介入方法もなるべく静かで子供を動かさないものにしましょう、ということ。
我が家の場合の睡眠退行の時のお話をご参考までに。
睡眠退行は突如やってくるので、事前に対応を保護者全員で決めておくとスムーズよん。

就寝前の分離不安

つい最近タイムリーに分離不安からか就寝時ものすごく泣くようになってしまった娘…
全ての対策を行ったわけではないけれど、選択肢は多い方がいいと思うのでTwitterや書籍から得た知識を列挙します。

  • とにかく夕方から就寝直前にかけてのラブラブタイムを充実させる(直肌での触れ合い、大好きぎゅーなど)

  • 自分の脱ぎたての洋服をお供えする

  • 電気を消す前に10秒カウントする

  • ねんねルーチンが完了したあと「ママはすぐ隣の部屋にずーっといるよ。そこから覗いて、ずーっと○○ちゃんのこと見守ってるよ。」と説明する

  • ママが寝る場所を見せて、ママはここでねんねしてるよと言う

日常生活でのタイムメソッド

やっと本題(笑)のタイムメソッドの行い方。
方法はいたって簡単。
まずは、なんでもいいので子供がわかりやすいタイマーを購入します。


我が家の場合は、当時きまりきった保育園帰りからのルーチン実行に時間がかかりすぎるようになっていたので、すべての行動開始前に「このタイマーが真っ白になったら、次はOOするよ。約束できるかな?」と言質をとっていました。娘はうんうんと頷くタイプなのでよかったですが、頷かない場合は、「ごめんだけど、娘ちゃんの健康のためには20時までにはベッドにはいってないとなんだ。ここは強行させてもらいます。」と素直に?(笑)言ってました。

これはモンテでもよく言われることですが、「寝ないと鬼が来るよ」「娘ちゃんがこないと置いて行っちゃうよ」などは、シンプルに嘘なので、信頼関係を損ないます。
保護者も、自分の都合で娘に次の行動にうつってもらうことに対して、罪悪感があるからこういった自分の欲求をストレートに伝えない言い回しを使うのかもしれません。
でも、どうして心苦しいんでしょう?
娘の要求すべてにこたえてあげられないから?娘を尊重していないように感じるから?娘にはひとつもイヤな思いをしてほしくないから?

色々思いはあるかもしれませんが、保護者とのこうした綱引きは、子どもが人生で初めて行う交渉の練習です。ここは1対1の人間同士、敬意をはらって、冷静に、保護者にも保護者なりの欲求があることを伝えるのがベストかな、と思ってます。

というわけで、タイムメソッドなどと大袈裟に言ってますが、

  1. ある動作が終わり、次の動作へうつるとき(ご飯の後のお風呂など)にタイマーをセットする

  2. お子様にタイマーが真っ白になったら、どんなにイヤイヤしても次の動作にうつるよ、と約束する。

  3. 約束は絶対に守る。どんなにイヤイヤしても必ず次の動作を行う。ここで親の心が折れると"これは交渉可能なことなんだ"と子供にインプットされて、タイマーの意味がなくなってしまう。

これだけです。約束して、時間を区切って、必ず守る。これだけで結構大変…

まとめ

いかがでしたか?
特に就寝前のルーティンは、時間内に行わないと睡眠トラブルにつながる可能性もあります。
イヤイヤ期大変ですが、がんばってきましょー。

サポートありがとう!サポートしていただいたお金は湯水の如く娘のお洋服へと消えていくでしょう…