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花束が欲しくて泣いた

1週間前からワクワクしていた。もうすぐ花束をもらえる!自分のためにも花を買うけど、人からもらう花は格別嬉しい。今年も彼(夫)からもらえるものと思って思っていた。しかし待てど暮らせどなにも届かなかった。今年のバレンタインデーの話だ。

日本のバレンタインデーは女性から男性になぜかチョコレートをあげる習慣があるが、欧米では男性が大切な女性に贈り物をする。あるいは大切なともだちに贈り物を送り合うというのもある。いずれにせよ、あなたのことが大好き♡と改めて伝える日だ。

わたしは彼に怒っていた。怒りは2次感情だ。本当は悲しんでいた。寂しく思っていた。今年はなぜ花束を贈らなかったのか。今年のバレンタインデーは日曜日。ドイツには休店法があり、レストラン・カフェ・パン屋さん・キオスクを除いて日曜日はすべてお店はお休みだ。スーパーマーケットもお休み。だから土曜日に花束がくることとソワソワして待っていた。家から徒歩10秒の花屋さんでは男性陣が行列を作っている。期待感が増すばかりだ。

しかし土曜日なにも来なかった。その晩怒りと残念な気持ちで涙をポロポロ流した。この気持ちを調整するために、日曜日もオープンしている駅前の花屋さんを励みに眠りについた。そして日曜日。こどもを公園に連れだしたり、のんびりと過ごすいつもと変りない日曜日を過ごし夜を迎えた。

なんで花くれないの?といいたいのをグッと堪えた日中だったので、夜はクタクタだ。。よく考えるとわたしがサプライズで何かを送ることもできたのだけど、あの時のわたしはそんな発想微塵たりともなかった。そしていよいよ決戦の時が来た。よーし、彼に言うぞ。このままで眠りにつくわけにはいかない。

伝えるならコーチングで習ったわたしメッセージいくと決めていた。わたしメッセージとは主語を「わたし」から始めるメッセージのことである。あなたどうして○○というような主語が「あなた」からはじまるYOUメッセージは地雷を踏む。相手を責めがちになり、どっちが悪いみたいな意味のない論争に陥り、たいていはよい結果を生まない。よりよいコミュニケーションをしたいならば、わたしメッセージがおススメだ。I(アイ)メッセージともいう。

時間は夜9時半すぎをまわっている。彼はいつものようにソファーで読書を楽しんでいた。心臓がドキドキする。変な緊張のドキドキのほうだ。ちょっと伝えたいことがある、今いい?と聞いた。今年はどうしてお花来なかったのだろう?と言ってしまった。(違うだろー!!)しかしすぐ軌道修正し、ごめんねあなたを責めたくない。(十分責めているようにも聞こえる)でもわたし、花束がくるのをすごく楽しみにしていたんだ。わたし悲しかったよ、本当は。もう涙目だ。彼はハグをくれたが、一応ハグを受け取ったものの、こころから受け取っていない意固地なじぶんもいた。彼は自分でもどうして花を買わなかったのか不明らしい。なんとなく今年はスルーしてしまったようだ。だからわたしがメソメソするなんて夢にも思わなったことと思われる。

彼に伝えるまで葛藤があった。花束をもらえないぐらいで、怒ったり、悲しむようなこどもっぽい自分に怒っていた。こんな自分を見たくないよ。。。でももう一人わたしが登場した。そんなこどもっぽいところがあるのも自分なんだよ。そんなに責めないで、可愛いと思ってあげようよ。そんな自分も受け入れてみようよ。ふたりのゆうこがバチバチやりあったあと先ほどの夜を迎えたのであった。

じぶんって面倒くさい人だなと思った。でも面倒くさくてもいいんじゃない?ってじぶんを許してみた。面倒臭いのも含めての私だ。面倒臭いじぶんを責めるよりも、それを受容しながら人生を楽しんだほうがはるかに幸せ度はあがるだろう。

この花束スルー事件はまだ続きがあった。花束をもらわなかったことで嬉しいことが起きたのだった。

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