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「ゆっくり待つ」という愛


愛は待つ。


この言葉に大きな愛を感じ
身体中が優しさで包まれる感覚がした。


思えば「待つこと」が
昔から苦手だった。


子供の頃から早く大人になりたくて
たくさん経験したら経験値の高い
すごい大人になれると思っていた。


迷ったら「やる!」を
できる限り選んできたつもりだ。


本当は人間が怖かったけど
人に慣れないと生きていけないから
早く慣れようと無理矢理にでも
社会に出て頑張った。


上手くやってる風だけは
上手くなっていった。


何をしても、誰といても
私は自由になれないと気づいた時
早く自由になりたくて
心のことをたくさん学んだ。


この講座やセラピーを受ければ
私も変われるかもしれない!
とたくさんのお金を使った。


早く変わりたいなぁ…


まだ、変わらないのかなぁ…?


いつになったら
心の傷が癒えてしまって
心の底から自由になれるのかな?


いつになったら
頭のお喋りが消えて
右脳優位の人生になるのかな?


私は一体いつまで
この悶々とした日々を過ごすのかな?


早く幸せになりたいなぁ…


早く早くと生き急いでいた20代
私はそんな自分が誇らしくもあった。


私は人よりも早く先に進むんだ!
私は人より早く幸せになるんだ!


たくさんの経験をし
理想の自分に近づくために
外側に向かって幸福を探し続けた。


自由に生きることだけを求めている
30代の今、私は真の自由に向かって
真の幸福に向かって走っている。


早く本当の幸せを感じたい!
早く本当の自分と繋がりたい!





ねぇ、ちょっと待ってよ!


だけど、どこかから
そんな声も聞こえてくる。


いや、もしかしたら
ずっと言っていたのに
私が聞かなかったのかもしれない。


ねぇ、ちょっと待ってよ!
私を置いて先に行かないで!
ねぇ、一緒に歩こうよ!


私のペースに合わせてくれる?
あんまり早くてしんどいの…


もう早く進めないよ…
どうして私が合わせなきゃ
いけないの?


なんで待ってくれないの… ?


あぁ、そっか…
私は待ってもらえないんだ…


早くしなさい!早くしなさい!
って常に急かされるんだ…


どうせ誰も私を待っててくれないんだ。


みんな私を置いて先に行ってしまうんだ。


しんどいな、悲しいな…





心の声がそう言ってるのを聞いた時
私を置いてけぼりにしたのは
自分だったのだと気づいた。


みんなや世間が急かすのではなく
私だけが私の尻を叩いていたのだ。


早く!早く!早くしなさい!


noteを書く時だってそう。


パソコンを開いた瞬間
書き上げることが目的になる。


早く書き終わらなければ!!!!


いやいや
この後、何の予定もないじゃんか…


早く先に進むことが目的になる時
私の心から喜びが消え失せてしまう。


私はいつも過程の中にいて
永遠に目的地に辿り着けない。


今がただの通過点になる。


だから待ってみようと思う。


心の声が「こうしたい!」と言うまで。


もっと耳を傾けてみようと思う。


本当は心は何て言っているのかに。


やさしい気持ちで
小さな子供を見守るように。


この子のペースを守ってあげよう。


この子の気持ちに寄り添って
どんな気持ちなのか耳を傾けてみよう。


無理をさせず、強制したりせず
この子を大事に大事にしてあげよう。


ゆっくりでいいよ。
いつまでも待つよ。
君のペースに合わせるよ。


焦らなくていいよ。
変わろうとしなくていいよ。
無理しなくていいからね。


本当はそう言ってもらえることを
ずっと待っていた気がする。


愛は待つ。


変われない私、動けない私
決められない私…


そんな自分だとしても
私はいつまでも待ってあげよう。


この子が「歩きたい」と言い出したら
私も横で一緒に歩いてあげよう。


休みたいと言ったら
一緒に休んで側にいてあげよう。


どんな時でも横にいて
歩幅を合わせてあげよう。


どれだけでも君を待つよ。


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