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スプツニ子!先生と草野絵美で藝大で授業しました。現代社会に切り込むMVづくり「うたう」(2019年度)

去年末、ご縁あって、東京藝大のデザイン科1年生にむけて、2ヶ月に及ぶ授業設計および、教鞭をとらせていただきました!

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お誘いしてくれたのは、現代アーティストのスプツニ子!さん。プライベートでも妹のごとくかわいがってくださる彼女と、一緒にわきあいわいと教壇に立ちました。

その授業の名も『うたう』ものです。シラバスにはこのように記載されています。

・作詞を通したストーリー作成・コンセプトメイキング
・異なる技法をもったコラボレーターと共に作品を作る
・現代もしくは近未来のテクノロジー対する課題をあげ、スペキュラティブな視点で世界観を作る。

出来上がった作品郡がすばらしすぎるので、公開しているものをここでご紹介させてください。どれも、短期間&予算ゼロで作ったとは思えない!学生ほぼ全員が音楽未経験、だれかとコラボレーションして作ったとこがなかったそうです。

1.どこまでが盗作・・・?
人気キャラのパクリ疑惑を煽るネット民を描いた:
『パクリ魔公正行進曲』

幼児向けのような、かわいらしいカットアニメとは裏腹に、最後まで見るとホラーな結末には鳥肌がたちました。現代のネットリンチ的な問題と境界があいまいになっている著作権問題に切り込みます。現代のコンテンツに関わる全ての人は見たほうがいいです。

2.蔓延する”クソリプ”をtik tok的感性で捉えた
『牛乳嫌い系女子の難易度高めな日常』

まるでラノベのようなタイトルで、リアルなTwitterペルソナを自在にあやつり怒涛の情報量でストーリーを作ったこのチーム。女子大生の「牛乳嫌い」というなんてことない一言が炎上してしまい、知らない人たちが彼女たちの家に凸りまくるという展開です。音Madという手法で、ポストミレニアルの感性がめっちゃつまっています。

3.幼少期から押し付けられる理想の女性像への皮肉をこめた『まりこのパーフェクトクッキング』

昔見てた某番組にどことなく似ている…。知らずしらずのうちに、女性が植え付けられた男尊女卑な価値観を扱う架空のこども番組のテーマソングです。「宿命」と書いて「ゆめ」…(笑)そこだけゴシック体なのと、キャラクターの素手が見える陳腐さにドキドキしてしまいます。


4.美少女のVtuberとして人気を博す男の憂鬱をうたった「FAKE FACE」

人気バーチャルYoutuberになってしまったものの、本来の自分と乖離する男性の苦悩を書いた作品です。今っぽい!劇中のアニメーションもさながら、男性の歌唱力と中二病感溢れるボカロを意識した歌の作り方が素晴らしいです。


5.パパ活女子が手軽に身を削ることができてしまう、世の中への恐ろしさを訴えた 「乱痴気ガール」

カジュアル化する援交。2010年代の”夢かわいい”世界観で、パパ活の闇を描いています。ラストにレンタルおじさんを借りて最後にカメオ出演させているところにもアート的な文脈を感じます。


6.遺伝子によって性格を整形したいという思いを描いた
「性格整形」

先端テクノロジーに向き合いながらも、専門家へのリサーチを通して遺伝子操作で性格が変えることはできないと知ったこのチームですが、うまく方向転換して、自分を変えるためにクローンとして生まれ変わる選択をした女性の苦悩を歌にしています。カメラワークと世界観はダントツで美しかったです!


7.VRが日常生活に入り込んだ、遠くない未来を描いた
「白昼夢の繭」

春雨をすすりながらラーメンのVRを見る男性がなんとも切ない。今私が体験しているこの世界もなにもかも嘘だったら…と考えてしまう作品です。用語を歌詞に詰め込んだワードセンスが秀逸です。


他にも公開されてない素晴らしい作品がたくさんありました。どれも時代性があるものだと思います。

※もし、これを見た藝大の学生さんの中で公開したよってものがあったらぜひ、教えて下さい。

めっちゃ緊張したし、こんな私が先生やっていいのかな〜っと圧倒されたけど、、、、

すっごく楽しかった〜〜!!!!またやりたい!

この子たちのMVと関連するリサーチのビジュアルブック、小道具などを展示してくださるギャラリーを募集しています。

私もミニライブや、同時展示、スプツニ子さんもトークイベントくらいには出演してくださるかと思います…?!
ぜひ、興味がある方は、草野までご連絡お願いします。
emikusano.wr at gmail までお願いします。




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