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新しい生活習慣に慣れる

自粛生活が続いている。

慣れないリモートワークに取り組んでいる人も、今多い時期なのかもしれない。

私は最近、独立したころのことをよく思い出す。

それまでの私は、長い期間組織に属して、広い1フロアの細長い島にあるデスクの一つで仕事をしてきた。

だいたい、責任者の隣か目の前の席に座り、いわゆる現場のナンバー2くらいのポジションにいることが多かった。途中で責任者職も経験したが、正直あまり向いていなかったと今でも思う。

私の力量が一番発揮できるのはナンバー2で、リーダーシップを発揮してくれる人の少し後ろで、実際の仕事をくまなく采配するという感じが性に合っていた。

実は、けっこう中間管理職気質で、先輩、後輩、同期、上司や部下、みんなでごちゃごちゃと話したりしながら、仕事を進めることが好きだった。

それでも、どうしてもやりたいことがあったので思いきって独立するに至ったのだが、一番最初に何が苦痛だったかというと、ちょっとしたおしゃべりをする人が周りに誰もいないこと。

嬉しいことや嫌なことがあったり、ちょっとわからないことがあったときに、上司や同僚と少し話す時間が、想像以上にガス抜きになっていたことに初めて気づいた。

結局、新しい仕事の形に慣れるのに一年くらいかかった。

あれから5年が過ぎ、今は相談する相手やサポートしてくれる仲間ができたりして、自分で日々の問題に折り合いをつける方法が見えてきた。小さな会社を動かす上で、情報交換する専門家や同業者の仲間も増えた。

そして、この未曾有の国難。

今まで、だいたいは馴染みのカフェで作業をすることが多かったので、自宅での作業が続く日々には慣れないものがあった。

新しい生活習慣に慣れるのには、ストレスも感じるし、それなりに時間がかかる。でも、不思議なものでいつしかちゃんと慣れる。

「本当に強い人(組織)は、強烈な武器を持っているのではなく、新しい世界に素早く順応する力を持っているか否か」といった文章をSNSで目にしたが、たしかにそうかもしれないなと思う。

新しい生活習慣にいまいち慣れない自分を受け入れながらも、徐々に順応させていく。

自分も他人も守り、ちゃんと生きて、しなやかに強くなっていくスキルが、今必要なのかもしれない。



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