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夏の終わりの夜更けの風

涼しくなって、夜更けにちょっと窓を開けるのが楽しみになってきた。

コロナ禍で空気の入れ替えという概念は根付いたけれど、そういうことではなくてただ風を感じたいときがある。

私は田舎育ちだったので、虫の音や草の香りに癒しを感じる。とはいえ、住んでいたころは、田舎の草木は力強く乱暴なので、子ども心に辟易していたものだ。

今、少し窓を開けたら、賑やかな虫の音と涼しい風が入ってきた。

今年の夏は、本当に暑かった。

私が住むエリアは人の手が行き届いていて、ある意味では人工的に自然を感じられる仕組みがうまくできている。

それでも、東京であろうが人工的であろうが、夜が更けると自然は自然の匂いがすっとたつ。

秋が近づいている喜びを感じながら、夏の終わりを感じながら。



“季節の本屋さん”における、よりよい本の選定に使わせていただきます。