考える時間は、まるで山登りのような
新しいことを考えている時間は、まるで山登りのようだ。
歩いても歩いても、周りは霧だらけ。この先も、道があるのか行き止まりなのか。
少し視界がクリアになったり、また靄がかかったり。一回「これだ」と思ったのに、何かの拍子に、「あ、ちょっと違うかも」と思ったり。
思いついたそばから次々に動いて行く人もいるけれど、私はわりと始めるまでにいろいろ考えるタイプだ。
最近、事業の状況などをどこかから伝え聞いた知り合いに、「百発百中って感じで、迷いなく新しいことに進んでいる感じですね」と、言われた。
そんなこと、あるわけがない。
百発百中というより、五里霧中。
ただ、考え続けていると、突然、視界が晴れる瞬間というものは間違いなくある。
何をしていても、24時間ずーっとその新しいことを考えていると、何かのはずみで、着地点が急に見えるときが来る。
起業の先輩が、こんなことを言っていた。
「毎日、不安しかない。減ったり増えたり、落ち着く時なんてない。一日、一ヶ月、一年、十年、いろんなスパンでずっと考えて動くしかない。これが、自分で事業をする苦しみと、得難い醍醐味。向き不向きはあるかもしれないけどね」
本当だなと、少なからず思う。
あってるのか、間違っているのか、よくわからないことをずっと考え続ける。
山登りは、確実に頂上に着くとは限らない。素敵な景色が見られるかもしれないし、止むを得ず途中下山になるのかもしれない。
でも、それが、自分が好きで誰かのためであるということだけが確かであれば、きっと何らかの着地点は見つかるはず。
“季節の本屋さん”における、よりよい本の選定に使わせていただきます。