DX2.0としての情報定性評価

DXは、政府のデジタル化など、データ化推進が中心に行われているが、その先を見据えた動きも必要となってくるのだろう。私は、それが、DX2.0としての情報定性評価ではないかと考えている。

情報の定性評価と言っても、具体的にどうするのか、というイメージは非常につけにくい。データ蓄積は定量的に行われ、その中に定性評価を入れるとしたら、まず考えられるのはテキストマイニングの強化及び検索能力の最適化といったことになるだろう。この辺りは某大企業の一人舞台のようなもので、普通に行けばその検索エンジンに従ってデータを探すことになる。しかし、情報安全保障上から考えると、データのコピーが全てそこに蓄積され、それだけならともかく、検索データまで集められるというのはあまり気持ちの良いものではない。やはり、システム内に独自のテキストマイニングと検索の機能は持つべきではないだろうか。検索データを独自に持てば、サイト構成をどのようにしたら良いのか、といった豊富なデータも手に入れられることになり、それによって更なる定性的機能の強化についてのアイディアも出てくるかもしれない。

さらには、定性評価としてユーザー側の参加というものをどう考えるか、ということがありそう。もちろんPVでどの記事がよく見られているか、ということは定量的には把握できるのだろうが、定性的にインパクトの大きな記事、あるいはデータはなんなのかというのを知るというのも有意義だろう。データ利用であれば、その利用目的などがわかればさらにデータの充実ができるかもしれない。そして、コメントが多く集まるようになれば、ユーザーとの直接的な意思疎通機能として非常に有意義になるだろう。それは、政治を通じてではない、有権者による行政への直接の意志表示として、直接民主的な意味を持つようになるかもしれない。デジタル政府の意義の非常に大きなものとして、この行政へのユーザーの直接参加というものは考える必要があるのだろう。

政府が情報の質に注目して率先してDX2.0を切り開いて行けるかに注目が集まる。


政府のシステムについてはそんなところだが、民間の一般インターネット上の定性評価についても、DX2.0の観点から考えてゆく必要があるのだろう。私は、これについて、定性評価というものを、ユーザー同士の相互評価の仕組みをどう構築するのか、ということを軸に考えると良いのではないかと考えている。これは非常に広範な問題となるだろうから、気づいたところから一つ一つ考えてゆきたい。

まず、ウェブ上での相互評価をうまく機能させるためには、引用や参照の仕組みを整える必要がありそう。プログラムコードについては、様々なコピーライセンスがあり、それに従ってコードの利用がなされているが、ウェブ上の引用や参照についてそのようなライセンスをどう考えるべきか。議論の活性化や追跡のために引用・参照の自動時系列一覧表示のような機能があると、通常の検索よりもはるかにある議論についての一貫した情報が得られるようになりそう。もちろん承認は必要だろうが、トラックバックの仕組みが一般的になれば、議論への参加がやりやすくなるのかもしれない。コメントというのは、コンテンツでありながら、相手のページに蓄積されるということで、厳密にいうとコピーライセンス的にどうなのか、という問題が発生し、それゆえにコメント交換は活性化しにくいという側面があるのかもしれない。

このコメントに関連して、コンテンツの保有権管理という問題も出てくる。これは、トータル的に、様々なプラットホームへの投稿などをいかに投稿者本人のものとして管理するのか、という問題にもつながりそう。私は、究極的にはエッジのコンピューターに自分のコンテンツは全て保存され、投稿先はそのコピーだけが表示されるという仕組みが望ましいのではないかと考えているが、当面のところは、上に書いたトラックバックの仕組みを使って自分のページにコンテンツを入力し、そこへのリンクを飛ばすことで、できればその内容のコピーがコメントのようにそのまま相手ページに表示されるようになれば、自分のコンテンツとして管理できるようになるのでは、という気がする。

とりあえず今回はここまでとしたい。

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