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図工に苦手意識を持つわたしが、ワークショップに参加してみた

小学校の頃から図工や美術が苦手だった。
見るのは好きなのだけれど、自分で作れない、絵が描けない。

小さいころからずっと、ちょっとしたメモに書いた手紙に挿絵を添えられる人とか、キャラクターの特徴を掴んでサッと描ける人には憧れる気持ちがある。


学校の科目に話を戻すと、
「創意工夫」がBになることが多く、特に小学校の図工では「3」をとったことがなかった。
算数とか理科は、あまり得意でなくても(というか苦手でも)がんばれば「3」を取ることができることもあったけれども、図工だけはどうしようもなかった。

「創意工夫」がよくわからなかった。

自分はその「創意工夫」ができない系の人間なんだな〜と思っていた。
だから、
「おもしろいものは作れないな~」
「上手には描けない」
「美しくできないな〜」
と思っていた。

あんまり踏み込まないようにしていた。

誰かの作品を観て、「いいな」とか「きれい」とか、感想はたくさん湧くんだけど、自分が手を動かすことにはあんまり踏み込まないようにしていた。

それこそ、アクセサリー作りや、オリジナル○○作りといったものはほとんどやったことがない。

でも先日、PIGMENT TOKYOの「箔で夜空を作る」というワークショップに参加してみた。

誘われたときは、
どうしようかなあという迷いがあった。
これまでさんざん避けてきていたから、
腰が重くなっていた。

迷いつつも結果的に参加したのは、「箔」という今までに触ったことがなかった材料への好奇心が刺激されたからだろう。そして、なんとなく素敵な感じがする「夜空」というキーワードに惹かれたからだろう。

当日、席についても初めはなんとなくそわそわしていた。でも、いきなり「はいやってみましょう!」ではないところがよかった。
講師の方が説明してくれる箔の歴史や古典的な技法などを聞いているうちに、少しずつ乗り気になっている自分が出てきているのがわかる。
きっと、わたしの興味の範囲である古典文学のワンシーンを描く屏風絵などと結びついてきたからだな、と思う。


目の前の黒い台紙と、箔と、数種類の糊。
そして箔を扱う竹でできたピンセットのようなものと、細かい目が張られた筒、などなど。
どれも初めて触るものだ。すっかりわくわくしていた。

「ご自分の好きなように、構図を決めてください」
講師の方に言われた。
いつものわたしなら、構図って言われてもなあと戸惑うところだけれど、この日は戸惑いがなかった。
正確には、箔というものをできるだけいろんな方法で使ってみたいという意識が強かったので、単純に、箔を押したりまぶしたりする面積を広く取ろう、とだけ考えていた。

実際にやってみてすぐに痛感したが、箔はすぐに皺が寄ってしまうし、手にもくっついてしまうし、わずかな風で動いてしまうとてもデリケートなものだった。
だからこそ、目の前の黒い台紙に箔を定着させることに集中する。集中しすぎて気づいたら息を殺している瞬間もあるほど没頭できて、その没頭できたことがとても心地よかった。
一瞬だけど、箔のこと以外何も考えない時間が発生して、とても静かな心持ちになった。

このワークショップに参加しているときのわたしは、自分で手を動かして何かを作ることへの抵抗感がなくなっていた。創意工夫ができているのかはわからないが、まあどっちでもいいかと思った。

とにかく箔で遊んだ!

一歩踏み出した先に、これまで避けてきたもので頭の静寂を得ることができてものすごくびっくりした。

三日月はガタガタだし、月を指差す人も本来は箔をつけずに黒い台紙のままはっきりした人型が出ているのがが理想なんだろうけど、まあ結果的に箔が散っちゃってぼんやりとしてしまったけど、そういうのが全然気にならないくらいとても新鮮で、いい時間だったなあ。

↑PIGMENTさんのこちらの記事で、より楽しさが伝わりますように!

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