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#文藝春秋2021年8月号
【立花隆「知の巨人」の素顔】「サル学の現在」“ゴム人間”のように柔らかく|山極壽一
文・山極壽一(霊長類学・人類学者)
山極氏
「飲むことも取材だ」
立花さんと初めてお会いしたのは、1986年のことです。僕がまだ愛知県犬山市の日本モンキーセンターのリサーチフェローを務めていた当時、『サル学の現在』の取材のために、立花さんがわざわざ訪ねて来てくれました。
この本の帯に「サルを知らずして、ヒトは語れない」とありましたが、おそらくサルの同性愛に「人間学としてのサル学」の大事なヒン