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【写真日記】鉱山と宇宙と水のまち・飛騨神岡を歩く
久しぶりの飛騨神岡さんぽ
神岡町について
今回歩いたのは飛騨神岡です。
正式な地名は「岐阜県飛騨市神岡町」といいます。
下は、飛騨市の位置を示す地図です。神岡町は飛騨市の中でも北西に位置していて、富山県に隣接した山間の町です。
《飛騨市の地図》
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私が住んでいる高山市からは、車で一時間ほど。国道41号線で富山県方向へ進んでいくと、その途中にあります。
神岡町と言えば、昔は鉱山の町として栄えましたが、最近は鉱山跡地に「スーパーカミオカンデ」が建設され、素粒子ニュートリノの研究地として有名になりました。現在は、日本を代表する宇宙物理学の施設がある町として、また、ノーベル物理学賞の町として広く知られています。
◇
ちなみに、高山の者から見ると「神岡は遠い町」という印象があります。
高山市街地から神岡町までは、国道41号線で行くと片道40㎞ほど。鉄道が通っていないので、自動車が移動手段です。
山の向こうにある遠い町…というイメージですが、神岡の人は飛騨の方言ではなく標準語を話す人が多くて、どこか都会的なんですよね。
その雰囲気が、同じ飛騨地方の町なのに全然「飛騨」っぽくなくて、どこかちょっと不思議な町…という感じなのです。
これはおそらく、鉱山を運営していた三井金属鉱業さんの関係で、東京からの人の流れや文化の流入があり、また明治・大正・昭和初期にかけての鉱山最盛期の頃には富にも恵まれたことが一因だと思います。どこか他とは異なる、突出した独特の雰囲気が醸し出された地域なのです。
そんな鉱山全盛時代の「町全体に勢いがあって活気があり、経済的にも自立した町」だった頃の名残が、今もあちこちに残っています。
神岡へ行くことになったきっかけ
近くて遠い町・飛騨神岡ですが、私が興味を持ち始めたのは最近のことです。
ここ数年のCORONA禍による自粛によって、気晴らしの旅行に行けなくなった私は、その代わりに、地元の飛騨地方を車でドライブするようになりました。
この時、神岡町を何度か訪れるようになり、車で町内をあちこち巡っているうちに、だんだん神岡が好きになっていきました。
しかし、車で行くとドアツードアの移動になるため、町の雰囲気をゆったり楽しむ余裕がありません。いつもは車でブーンと通り過ぎていた町の中心部を、いつかゆっくり歩いてみたいなぁ…と思っていました。
念願が叶って歩いて、また再び…
そんな「神岡を歩きたい」という私の念願は、昨年(2022年)秋にようやく叶いました。
この時の様子を書いたのが、下の記事です。
この時は「せっかく歩くのだから…」と事前に入手したパンフレットをもとに、お散歩の計画を立てました。パンフの中から気になったスポット…「マチュピチュ階段」と「水屋」。この二つを探求するというテーマでお散歩しました。
いやはや、すごく面白かったです!
ますます神岡が好きになりました。
◇◇
そして、この散歩から半年以上経った頃…。
あの時は紅葉が始まりかけた頃でしたが、今はどんな風景に変わっているのかな?
ちょっと気になったので、また久しぶりに神岡へお散歩に行ってみることにしました。
題して「復習さんぽ」。
前回のサンポー記事の散歩を再現し、同じコースを歩いてみました。
スタート地点は神岡振興事務所
5月最後の休日。
私は高山市内の自宅を出て、車で飛騨市神岡町へと向かいました。
目的地は前回と同様、神岡振興事務所です。振興事務所の駐車場に車を停めて、そこをスタート地点にして歩きます。
そして、今回の散歩では、お供として夫が一緒に歩きます。
どんなお散歩になるのかな?とても楽しみです。
◇
さて、目的地まで高山市街地からは車で約1時間ほど。
山々の新緑を楽しみながら峠道を走行し、無事、神岡振興事務所の駐車場に到着しました。
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振興事務所から坂道をまっすぐに下りていくと、大きな橋と川に突き当たりました。西里橋と高原川です。
今回も橋を渡らず、左折して、川沿いを歩きます。
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この焼肉屋さんの所で左に曲がり、数歩歩くと、水屋の入口に到着。
この入口辺りは、普通の民家の敷地内のような所なので、ちょっと遠慮がちに先に進みました。
権七水屋と藤波橋
階段の下、屋根が付いている所が、一つ目の水屋「権七水屋」です。
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神岡は昔から水が豊富な所で、上水道とは別に、地域の人たちが共同で管理している水屋があります。昔から、地元の人々の生活用水として大切に使われてきました。
鉱山が栄えたのも、また、スーパーカミオカンデでニュートリノ研究が盛んなのも、この上質で豊富な水があるからこそ…なのです。
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権七水屋を出て少し歩くと、赤い鉄橋に辿り着きました。
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藤波橋を渡り終えて、次の目的地へと向かいます。
神坂とマチュピチュ階段
橋を渡ると、四つ角に出ました。
サンポー記事では、ここでうっかり道を間違えて左に進んでしまったのだけど、今回は大丈夫ですよ笑。真っすぐ直進します。
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さぁ、神坂を登りましょう!
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前回のお散歩では、この坂を登った後もまた道に迷い、ぐるぐる彷徨い歩いたんですよね(汗)。「恐るべし、魔町神岡」…とつぶやいたことを、ふと思い出しましたわ。
今回は、迷わずちゃんと行けるかしら?
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さて、ここでの目的は「マチュピチュ階段」に辿り着くこと。
サンポー記事では、この道の突き当り(神社)まで行ってしまい、慌ててUターンしたものの迷子になり、やっとこさ発見した…というスポットでした。
しかし、今回はすぐに見つけられました!
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すごく細い路地で私道っぽいですが、おそらく、これでも公民館へと続く立派な公道だと思います。
こんなに細いのは、昔でいう「里道」(「赤道・あかみち」ともいう)だから。飛騨地方ではこうした細い道のことを「筋骨」と呼んでいます。まだ車が無かった時代、人が通る道は、どんなに細く狭くても「道」として機能していた頃の、古い名残です。
◇
さて、公民館の入口付近から奥を覗くと…。
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本当は、この階段、登ってみたかったんですが、この時、公民館に地元の人々が集まって何やら活動していらっしゃったので、これ以上先に進むことは遠慮しました。
「これがマチュピチュ階段か…!」と夫氏。ご迷惑にならないよう、小声で感嘆していました。
さて、もと来た道を下ります。
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この石畳も、なんだかペルーの古代遺跡っぽく感じられてくるから面白いです。(ペルーに行ったことないけど笑)
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神岡町内を歩いていると、よく目にするこのマンホール。かわいいお魚のイラストが描かれています。調べてみたら、神岡町のイメージキャラクターで「ちんかぶ」というそうです。
このマンホール蓋のデザインは、平成6年に当時の神岡町民の皆さんからの公募により製作されました。 当時の神岡町地域のイメージキャラクター「ちんかぶ」が、美しい緑の山々に囲まれた、清流・高原川で楽しくのびのびと泳いでいる様子が表現されています。 「ちんかぶ」とは清流に住む淡水魚・カジカのことで、神岡町地域での呼び名です。 この「ちんかぶ」が生息している清流・高原川は、町のシンボルとして市民から愛され、釣りのメッカとして釣りファンの間では全国的に知られています。
町の人たちからの公募で作られたキャラクターだそう。なんだか愛着がわいてきますね。
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神岡の中心地を歩く
神坂を下りたところで左に折れて、今度は町の中心部に向かいます。
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石段を下りて、また町の道を歩きます。
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ソフトクリームで一休み
あちこち歩いて疲れましたわ。
「そろそろ休憩がしたいなぁ」ということで、目に留まったこのお店。
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中に入ると、「一体ここは何屋さん?」
一見さんにはちょっとわかりにくい、なんだか不思議な店内で、とりあえずソフトクリームを頼んでみました。
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レジ前の空いている椅子に座って食べていたら、次から次へと地元のお客さんが入ってきて、不思議そうにジロジロ見られて、どうも落ち着かない…💦
私たちは神岡町民でないから、この店のお作法がイマイチよくわからないのよね(汗)。
ということで、外に出て、店のお向かいに置かれているベンチに座って食べることにしました。
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さて、また歩きます。
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牛ヶ口水屋
通りを歩いていたら、見覚えのある道に出てきました。
そう、次の目的地は「水屋」。
サンポー記事では、先ほどの「権七水屋」の他に、2つの水屋を探して歩いたのですが、今回も同じ水屋を目指します。
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「こっちだよ」と、夫を案内しながら歩いて行くと…。
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それにしても…。こうして改めて見ても、やっぱりすごい立地ですよね。水屋の横が赤ちょうちんの飲み屋で、その上が墓地という…(汗)。ホント、娑婆の縮図ですわ。
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サンポー記事では、このベンチに地元のお婆さんが座っていて、少し言葉を交わしたのですが、今回は誰もいませんでした。
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幸せの六叉路から旧花柳街へ
牛ヶ口水屋を出て、坂を下り、元の商店街の通りに出てきました。
少し進むと、神岡名物「幸せの六叉路」に出てきました。
ここも前回の散歩の時、パンフレットを見て「ええっ?これ一体どうなっているの?ちょっと見てみたいなぁ…」と思い、散歩の途中で立ち寄ったんですよね。
実際に見てみたら、大小さまざまな道が組み合わさって本当に六叉路になっていて、ビックリしました。
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こんな複雑な交差点、交通事故は起きないのかしら?
住民の皆さんの譲り合いの心&阿吽の呼吸が素晴らしいです。
さて、六叉路を通り抜けた私たちは、山田川の方へと向かいました。
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少し進むと、赤い橋が見えてきました。これは千歳橋です。
この橋を渡った先は、かつて花柳街があったエリアです。
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山田川沿いには桜が植えられています。今は青々としているけど、春は満開の桜でさぞ美しいことでしょうね。
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少し歩くと、左手に神和荘の案内板がありました。
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神和荘とは、明治から昭和初期にかけて鉱山を管理していた三井金属鉱業が、当時、迎賓館として使っていたという建物です。
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柳川水屋へ
さて、3つ目の水屋を目指しましょう。
途中で左折するのですが、「こっちだよ」と私が言う前に、夫がすっと左に曲がって歩いていきました。
「えっ?知っているの?」と驚いて尋ねると、夫曰く「次の水屋、以前行ったことがある」とのこと。
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左折した角の料理屋「おいもと」さんの看板が目を引きます。
この辺りには料理屋さんが多いようです。
「このお店、昔、宴会で入ったことがあるよ」と夫。以前、神岡で仕事関係の宴会が開かれた時、いつもこの辺りの料理屋さんが使われていたそうです。もう20年以上も昔の話。
「あの頃、飲み会の後にこの辺りを歩いたことがあったんだけど、あの時は夜で暗かったし、あまりよく覚えていないんだよなぁ。昼間の明るい時に来たのは初めて。こんな感じの町だったんだなぁ」と、懐かしそうにつぶやいていました。
これから行く水屋も、当時、宴席で地元の人から話を聞き、宴会の後にちょっと立ち寄ってみたけど、辺りは真っ暗でよくわからなかったとのこと。
夫は「こういう建物だったのか!」とビックリしていました。
これが、その水屋です。
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この水屋についての詳しい説明は、サンポーの記事をご覧くださいませ。
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3つの水屋を全て回り、これにてお散歩の復習は終了。
同じルートを歩いていても、季節が違うと、町の表情が少し異なりますね。以前訪れた時の「秋の紅葉」も美しかったけど、今回のこの緑の季節も清々しくて素敵です。新鮮な気持ちで回ることができました。
それでは、車を停めている神岡振興事務所まで、ぶらぶら歩いて戻りましょうか。
ふたたび神岡の市街地を歩く
柳川水屋を出て、山田川沿いの道に戻りました。
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橋の左脇にある大きな柳の木が、風が吹くごとに枝葉をゆったり揺らし、なんとも艶やかでが美しいです。
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ここから住宅地に入ります。
神岡町は水が豊富で、山の湧水を引いた水道(上水道とは別のもの)が各家にも通っています。
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どんなお寺か気になったので、ちょっと寄ってみることにしました。
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円城寺の裏手には高原川が流れていました。境内からの見晴らしがよくて、しばらくぼんやり景色を眺めました。
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ここでふと高原川を見ると、石がゴロゴロしているのですが…。
「これってブラタモリの飛騨版で、タモリさんが石を拾っていた現場じゃないの?」と夫氏。あぁー!確かに見覚えありますわ!
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円城寺を出て、また歩きます。
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町内には、こうした鉱石を展示した案内標識があちこちにあります。全シリーズ全て見て回れば、あなたも鉱物博士になれるかも(笑)。
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もしかしたらこの形状は「宇宙」というより、もっと実用的で具体的な理由からかもしれない。「とんがっているのは冬季の雪対策のためかしら🙄?」と考察する私。
おっと!そうこうしているうちに、無事、神岡振興事務所に到着しました。
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いやはや、今回も充実した楽しいお散歩になりました。
連れの夫がいてくれたおかげで、また違った面白みがありましたよ。
ひとり散歩もよし、連れと一緒の散歩もよし。
いろんな楽しみ方ができるのが、おさんぽの良さだと思います。
今回の復習さんぽ、いい思い出になりました。
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