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誰かが何か新しいことにチャレンジするとき、摩擦や抵抗する存在にはなりたくないな・・・と思った話

先日、新築の家がモデルハウスとして一般に公開されていたので、夫と見に行ってきました。


私たちは「平屋建ての家」に憧れていて、いつかそういう家を建ててみたいと夫と夢見ていたのですが、今回、見学させてもらったのは、まさに平屋の家。

こじんまりとした小さな家でしたが、木材がふんだんに使われていて、新築の家特有の「木の香り」が広がり、とても清々しい素敵な家でした。

狭い敷地内に必要な機能がコンパクトに収められていて、しかもバリアフリー設計。防犯や結露対策もしっかりしていて、とても快適な居住空間です。こんな家に住めたらいいなぁ、これなら年を取っても自宅で安心して過ごせそうだ・・・と、ウットリしながらその家の中を見せていただきました。

そこで、この家を建てた大工さんといろいろ話をしたのですが、この地域では、いざ家を新築したりリフォームしたいと思っていても、同居している爺さん婆さんがネックになって、なかなか踏み切れない家庭が多いということを聞きました。

こうやってモデルハウスを見たり、業者さんの話を実際に聞きに行ったりして、具体的に動いている人でも、最後の最後に、家にいる年寄りたちの顔が思い浮かび、「ああ・・・また口やかましくネチネチ言われるんだろうなぁ」と思うと、家を綺麗にするエネルギーが衰退し、やる気が削がれ、意気消沈してしまうのだとか。

なるほど、確かにそうだよなぁ・・・と、私も夫も心から共感しました。

うちも90歳を越えた婆ちゃん(義母)がいるので、すごくよく分かるのですが、私たちが「こうしたい」「ああしたい」という希望を持っていても、絶対に頑として反対するか、私たちのやりたいことに口を挟んで干渉するか・・・。そのどちらか・・・なんですよね(汗)。

しかも、今の70代後半から80代~90代にかけては、「私がやってあげないと、若い人たちは何も知らないし出来ないから・・・」と、いつまでも成人した息子や娘を子供扱いして、横から口を挟んで仕切りたがる気質の人が多いです。

そうなると、こちら側も、仕切り魔の年寄りの言うとおりにやってあげないと、彼らは後々いじけたり根に持ったりするので、その対処が非常に面倒なのです。

その上、老人達はプライドも高いから、無視したり後回しにすると「ワシを馬鹿にするのか!」と沸々と怒りを燃えたぎらせたりします。

自分が家族の真ん中(主役)でいないと気が収まらない・・・そういう人が多い世代なのですよ。

だから、私たち子世代も、安心して穏やかに生きていくためには、親の言い分を立てて、親の言うことを黙って聞くしかありません。もめ事になるのを回避するために、自分たちの言い分は我慢して表に出さないようにしなくてはいけません。

今までずっと、その繰り返しでした。

私たちの世代は、物心ついたときから、そういう親子関係が「普通のことで当たり前」だと思い込まされてきたところがあります。

だから、何をするにも親(老人)にお伺いを立てて確認し、親(老人)の賛成を得ないと物事が進まない・・・。そういう世界で生きてきたのです。

しかも、親世代(老人達)もそれが当たり前だと思っている・・・。だから、老人達は「自分が絶対に正しい」と我を押し通すのです。さすが戦中戦後を生き抜いただけあります。生命力も強いし、良くも悪くもたくましさと芯の強さが半端ないです(汗)。

高齢者と同居している人は、多かれ少なかれ、上記に挙げたようなこと・こうした場面を幾重も体験していると思います。

◇◇◇

よく社会では高齢者を「弱者」という位置づけをしているけど、いやいや、日本の高齢者(特に息子夫婦や娘夫婦と同居している年寄り)は、精神的には弱者どころか強者ですよ。ものすごく強くて、頑固で、自己主張が強いです。

だから、どこのご家庭も「うちは年寄りが死ぬまで、家のことは何も出来ない」と諦めることが多いです。下手に手を出すとグチグチ言われて面倒だから、断捨離もできません。そのため、家の中がグチャグチャになっている所も多いです。

その一方で、年寄り達は、家の中の天下をとって自由を謳歌し、家族に対して遠慮無くガンガン言いまくっているから、ストレスフリーで超元気です。

むしろ、年寄りより若い人たち(息子夫婦や娘夫婦)の方が、ストレスで病気になり、先に死んでしまう場合もあるくらいです。

確かに、私の知っている人でも、夫が先に死んじゃって、残された奥さんが、夫の母親を一人で介護している・・・というケースがあります。しかも、嫁さんがまだ若かった頃、姑さんが「嫁いびり」をして酷かったところに、年を取ったら夫は勝手に先に逝き、今度は自分をいじめた姑の介護をしなくてはいけない・・・というダブルパンチ。

もう溜まったもんじゃないよなぁ・・・と思います(溜息・汗)。

かくいう我が家も、いざリフォームや新築となったら、今も矍鑠(かくしゃく)としている義母が、興奮して何を言い出すかわからない・・・という状況です。おそらく「なんでそんな勝手なことをするんや!」と興奮したり、「ああしなさい」「こうしなきゃいけない」と口を挟んで干渉してきそうで怖いです。かといって無視したら、ヒートアップして感情的な反応をしてくることは目に見えているので(汗)、そんな野生の熊に素手で立ち向かうような危険を犯してまで、あえて新築やリフォームに手を出しちやうのか、どうか・・・。こちらの方が重くのしかかってきます。

これは、親世代に散々振り回されてきた者にしかわからない「心の境地」なんだろうなぁ・・・と思います。

◇◇◇

素敵なモデルハウスを見て、夢が膨らんだ私たちですが、その前にどう義母に切り出すのか・・・。家を建てるより、そっちの方が最大の問題です。

50歳、60歳を過ぎても、親の顔色を伺いながらピリピリして暮らさなくてはいけないなんて、本当に割の合わない人生ですよ(汗)。

でも、ここで年寄りに屈していたら、私たちの人生はどん底・真っ暗闇ですよ。今こそ勇気を出さなくては・・・。

夫も私も以前よりは強くなったから、きっと本気を出せば、老人達が張り巡らせた「制限」の結界を突き破って、本当にしたい生き方・本当に欲しいものを手にできると思うのです。

◇◇◇

昔の価値観に固執して我を押し通す老人達を見るに付け、私は「年を取っても、好奇心を大切にして、新しい感覚で瑞々しく生きていきたい」と切に思います。感性が凝り固まらないよう、思考が頑固にならないよう、自分を柔軟に保って、生き生きと若々しく生きていきたいなぁ・・・と。

若い世代に煙たがられるのではなく、若い子達から憧れをもって受け入れてもらえる、そんなイケてる婆さんになりたい・・・。

若い子達のチャレンジに対して「いいんじゃない。頑張りなよー!」と背中を押して心から励ましてあげられる、そういうカッコイイ婆さんになりたい・・・。

それには「今」!、今が大事なのだと思うのです。「今」のこの時点での私の生き方だなぁ・・・と。「今」の自分の生き方が、老後の自分の姿形・言動にジワッとにじみ出てくるのだから、「今」こそ充実して生きなきゃ・・・ね。

後悔の無いように、「今」をビシッと決めながらカッコよく生きたい。

今の親世代の問題点を反面教師にしつつ、私は、最期まで人として明るくクリアにオープンに生きていこうと、そう思ったのでした。

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