空き家再生:一棟貸別荘プロジェクト。庭師というアーティスト<その13>
おはようございます!
本日は、
空き家再生:一棟貸別荘プロジェクト。庭師というアーティスト<その13>
といったテーマでお話ししようと思います。
こちらのマガジンの続編となります。
私は現在、不動産ベンチャー企業で空き家・相続に特化した不動産仲介のお仕事の傍ら、新規プロジェクトとして「一棟貸別荘」簡易宿泊業に挑戦しています。
本日はふらっと年末のご挨拶もかねてこちらのプロジェクトの庭師さんが来店してくれました。ガッツリとした打ち合わせではありませんでしたが、小一時間ほどの会話で、庭師というアーテストの姿をそこに見ました…。
結論がら申し上げますと…やっぱり職人さんてすごい。カッコイイ。そして仕事をするうえで、プロジェクトを進めていく上でもっとも大切なことをあらためて再確認したのでお話していこうと思います。お付き合いください!!
〇庭師というアーテスト
庭師とは…いったいどんな職業なのでしょう?私も知ったかぶりをしているのは嫌なのでちょっと詳しく調べてみました。
つまり庭師とは「庭という空間をデザインするアーティスト」なんですね。
何気ない打ち合わせの会話の中にも情熱とプライドを感じました。
・木は呼吸している
私が手掛ける神奈川県の貸別荘。スケジュールを大まかに打ち合わせしていたとき、こんな話をしてくれました。
「できれば木が芽吹く3月までには植え込みたい」
木も人間と同じように生きているのですね。冬は寒いため活発に活動せず、水を吸収することも少ない、つまり冬眠のような状態になっているのだとか。そのためその時期なら植え替えで根っこをすこし傷つけてもそこまでダメージは少ない。逆に暖かくなって芽吹き始めると根が傷ついたというだけでも最悪枯れてしまうことがあるそうです。デリケートなんですね。「木と会話するように1本1本植えていくんです。」と熱い眼差しで教えてくれました。
・10年後の景色を想像して
熱い話は続いていきます。「庭を創る極意」をそれは未来を想像すること。庭は創って終わりじゃない。5年後、10年後この庭がどんな景色になっているのか想像しながら創り上げているのだとか。「この木は数年後このくらい伸びているからまた今とは違った形になっておもしろい」「春、夏、秋、冬季節によっても見え方が全然違う」さまざまな角度から想像をして考えてデザインしているんですね。お話を聞いていて感動してしまいました。こういった職人さんこそ、この国の家宝だと思います。古きよきものを受け継ぎ、維持管理していく貴重なお仕事。1年や2年で身につくスキルではありません。そして一度実際に一緒に木を植えてみましょう!と素敵な提案をいただきました。「泥だらけになって土を掘って木を植えてみる。すると木に気持ちが宿る。また時間が経って会いに来た時、成長がうれしく感じますよ」その言葉にわー!おもしろそう!と私は二つ返事で「ぜひ、やらせてください!」とお答えしました。
・仕事とはつまり作品づくり
どうしてここまで情熱とプライドを持って仕事ができるのだろう…と素朴に思いましたが話を聞いているうちにその疑問は解けていきました。庭師はただ単に木を植えるお仕事ではありません。日本という歴史や文化を深く理解して自分なりにかみ砕いて表現している。やっぱりアートなんですよね。「なぜこの木を選ぶのか」「なぜこの石をここに置くのか」「駆逐さえも歴史の深みになる」ひとつひとつの作業にかならず理由があるのです。受動的ではなく、常に自分の頭で考え自問自答しながら、時にものすごく悩みながら判断している。本当に素晴らしいです。「相手にとってどうみえるか?それとも自分がどう見せたいのか?どちらを取るかは難しい。でも自分の世界に引き込める作品づくりができるかが、自分たちの仕事の醍醐味。」「自然が相手、何があるかわからない。毎日が失敗の連続。時には振り返っても正解が分からないことさえある。でもだからこそ、楽しくてやめられない。」と語る姿は本当にかっこいい。職種は違えど、学ぶべきところがたくさんありました。
〇まとめ
今回は新規プロジェクト「一棟貸別荘」の外構、つまりお庭を手掛けていただく庭師さんとの簡単な今後の打ち合わせをしたお話でした。ここで感じたた大切なこと。
プロジェクトを成功させるためには「何をやるか」よりも「誰とやるか」が最も重要だということ。
「一棟貸別荘」プロジェクトでは以前もお話した内装の職人さん、そして庭師さん…まったく異なるジャンルのプロフェッショナルの力をお借りし、協力しあって貸別荘という空間を創り上げようとしています。そして私はこの空間をしっかりとお客様に伝えられるようにプランニングをし、販路をつくる。つまり各々が安心して任せらる信頼感がそこにあるのです。これはそう簡単に創れるものではありません。お金さえ払えば手に入るものでもない。相手の話を傾聴し、何を大事にして何故それをやるのか。職人の本質の部分を知ることが出来ました。より一層プロジェクトの今後が楽しみで仕方なく、そして自分も恥じることのないよう精進していきたいと改めて思いました。
本日もご一読いただきありがとうございました。