見出し画像

ルーツ探しの旅〜愛知県編004〜

コンビニから戻っても、私の中でのよそよそしさはまだ消えていなかった。なんとなく気持ちをそわそわさせたまま、バスを待った。
コンビニを出た時点でバスが来る3分前くらいで「そろそろちょうどいい」と感じたが、バスが来るまでの3分はとても長く感じた。
バスは少し遅れてきた。

乗車する。
小牧市の巡回バスは、大人200円で1日何回も乗り放題。
来たバスは、いわゆる路線バスとはこういう物という常識を覆すものだった。
むしろ、私のバスに対する常識を疑った方がいいのかもしれない。
大きさとしてはマイクロバスのサイズだった。
シートは白いカバーがされていて、路線バスというよりは送迎バスの内装をしていた。
このバスに湧いた感情を語り出すと、ちょっとだけ文章が長くなってしまいそうなので、この辺でやめることにする。

乗り慣れない路線バスに乗ると、目的地に必ず着くという保証があっても、大抵の場合、そわそわしてしまう。
そして無駄にキョロキョロする。
このキョロキョロは他人からの不信感は買うが、時にぬはっとする光景に出くわすことがあるので、私は悪いことではないと思っている。
バスは、酔うという要素を除いたら、とても好きな乗り物だ。
ただ、酔うことの比重が大きすぎて、乗ることを避けたい時もある。

駅前から出発して、バスは小牧市民病院を経由した。
ここで、先の方がバスから降りた。
なんとなく意識して、「あぁ降りたな」と姿をちらっと確認すると、あちらもこちらの様子を気にしているようだった。
そして、市民病院のバス停から更にバスを乗り継ぐのか、そのままバス停に止まっているのだった。
ひょっとして、私は不審者と思われているのかと、ふと思ったが、遠ざかる市民病院とともに、どうでもいいと思った。


サポートいただけたら幸いです!