見出し画像

計算論的神経科学 第1章

「計算論的神経科学」(田中宏和)の第1章についてメモ書きする。身体運動の基礎とその脳内表現について議論している。

キネマティクスとダイナミクス

キネマティクス(運動学)とは身体の位置(外部/内部座標)を記述すること。順(逆)キネマティクスは内(外)部座標の外(内)部座標への転換を指す。
一方、ダイナミクス(動力学)とは外力を受けた系の運動方程式(時間発展)のこと。

オイラーラグランジュ

内部座標系の関節角を変数としたリンク系の運動方程式。簡潔な関節表現と複雑な運動方程式で記述される。
(ラグランジュ関数)=K(運動E)- V(位置E)で与えられ、平面運動での位置E=0であるから
(1.3):L=並進運動+回転運動
(1.4):関節トルクτ=(回転運動のt変化量)-(t=0でのE角速度変化)
となる。トルクはエネルギーを与えるベクトル 量で加速度の角度版のようなもの。
(ラグランジアン)=運動E - ポテンシャルEであり, その時間積分が作用にあたる。
(1.6):τ=I(慣性M)+B(誤差項)
逆ダイナミクスが将来から現実方向の制御理論であるのに対し、順ダイナミクスは現実から将来方向の物理問題であるといえる。

ニュートン - オイラー法

外部座標系の身体の位置ベクトルを変数としたリンク系の運動方程式。複雑なベクトル表現と簡潔な運動方程式で記述される。
(1.10)-1:F=隣のトルクからのF+運動方程式
(1.10)-2:τ=隣のトルク+重心X方向に対する力+1つ前の関節からの力
であり、(1.14)の分母がr^2になっているのはXが関節からリンクへのベクトルでrを含んでいるから。

内部順モデルと内部逆モデル

身体制御のため、現在の状況から未来の上来を計算するのが因果性に順行な内部順モデル、現在(未来)の状況から制御信号を計算するのが因果関係を逆にたどる内部逆モデルである。内部順モデルはtからt+1へと順々に推定を行うのに対し、逆モデルは理想軌道が予め表現されている必要があり、モデルフィット問題は理想軌道の有無に帰着する。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?